この策が奏功し、昨季王者は後半25分からの8分間で3得点を叩き出す。後半25分にジルーが挙げた1点目は左サイドからのクロスに反応した形。吉田とフートの間に飛び込まれ、ヘッドを許してしまった。後半30分のアザールの2点目も左サイドからの崩し。ウィリアンのマイナス気味のクロスに、ペナルティエリア内でフリーになったアザールが右足を確実に合わせた。この場面では吉田ら守備陣が下がりすぎた結果、大きなスペースが生まれ、そこを使われたのが痛かった。

そして、逆転弾となった後半33分の3点目はFKからのセットプレーが発端。ウィリアン→アザールとつながり、左から右へ送ったボールをDFが2回クリアしたこぼれ球をジルーが左足で押し込んだ。下位に低迷しているチームはメンタル面がガタガタと崩れやすい。この日のサウサンプトンはまさに苦しい現状を露呈したと言っていい。

結局、サウサンプトンはこの日も敗戦。プレミア7戦未勝利で、18位に沈んだままだ。17位・スヴォンジーとの勝ち点差は5に広がり、一段と苦しくなってきた。残り試合はわずか5。その相手もレスターやマンチェスターCといった上位陣が多い。ただ、5月8日にスヴォンジーとの直接対決があるため、そこまでの間にひっくり返せるところまで持っていければ、残留の可能性が見えてくるかもしれない。

吉田が心身ともにいい状態でロシアワールドカップに挑むためにも、サウサンプトンを苦境から救うことが求められる。この日のようにわずか8分間で3失点という状況を続けることだけは許されない。19日の次節・レスター戦ではチームの流れを大きく変えるような大仕事を期待したい。

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元川 悦子
もとかわえつこ1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。ワールドカップは94年アメリカ大会から4回連続で現地取材した。中村俊輔らシドニー世代も10年以上見続けている。そして最近は「日本代表ウォッチャー」として練習から試合まで欠かさず取材している。著書に「U-22」(小学館)「初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅」(NHK出版)ほか。

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