なぜ、攻撃のプランを徹底しなかったのか。試合開始早々、ロメル・ルカクは頑健な肉体でセビージャDFシモン・ケアーを吹き飛ばしたにもかかわらず、頼りになるターゲットマンめがけたロングボールがあまりにも少なかった。また、フェライニのプレーエリアも低かったため、ユナイテッドが圧倒的に上まわっていたはずのエアバトルは宝の持ち腐れに終わった。

なぜファン・マタの投入が遅れたのか。89分までプレーしたリヴァプール戦から中二日。先発から外れた理由は、コンディションによるものだろう。しかし、先述したように勝利が絶対条件だ。この日も空まわりしたアレクシス・サンチェスに代わり、後半からマタを右サイドに投入。組み立てに関与しつつ、ファイナルサードで高精度の配球を心がける技巧派MFであれば、単調すぎる攻撃を活性化したに違いない。77分の投入は時を逸していた。

なぜポール・ポグバを起用したのだろうか。60分、局面打開を期待され、フェライニと交代。しかし、メンタル、フィジカルともに調整不足は明らかで、集中を欠いたり、プレスを怠ったり……。CLグループステージ第1節のバーゼル戦でハムストリングを負傷したのち、ポグバは半年にわたって周囲が納得するパフォーマンスを一度も見せていない。不振にあえぐ男に、期待をかけすぎた。

不可解な人選と配置が相次ぎ、攻撃のプランが徹底できなかったのだから、勝てるはずがない。もともと、攻撃のパターンンが少ないのだからなおさらだ。さらにチーム全体の守備意識も低く、バイタルエリアまであっさり侵入を許し、イージーなパスミスまで繰り返していた。そしてなにより、最後まで闘っていたのはルカクとラシュフォードだけではないか! ポグバに至っては途中出場にもかかわらず、0−2となった段階でスイッチを切ったようにも感じられた。

もはや弁解の余地はない。モウリーニョとユナイテッドは猛省し、みずからの立ち位置を見直す必要がある。セビージャとのセカンドレグは、無様だった。

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粕谷 秀樹
月刊ワールドサッカーダイジェスト初代編集長を務めた。海外サッカーの解説者としても活躍。

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