普段、イチローを取材する機会は皆無なのだが、どういうわけだが3月7日、イチローのマリナーズ復帰会見の日、この春、担当している選手たちに何も動きがなく、担当者の「お手伝い」という形で、会見場のあるマリナーズのキャンプ地ピオリアに行くことになった。

最初から、圧倒された。

「2012年の7月にシアトルにサヨナラを告げて、そのあとニューヨーク、マイアミ、五年半が過ぎたんですけれど、その間も僕の家はいつもシアトルにあった。いずれまた、このユニフォームを着てプレーしたいという気持ちは心のどこかに常にあったんですけれど、それを自分から表現することはできませんでした。それは五年半前のことが常に頭にあったので。

戻って来てくれという声は僕の周りでたくさん聞いたんですけど、それを僕は聞き流すことしかできなかった。でも、こういう形でまたこのシアトルのユニフォームを着てプレーする機会を頂いたこと、2001年にメジャーリーグでプレーすることが決まった時の喜びとはまったく違う感情が生まれた。とてもハッピーです」

行間に詰まった思いのようなものが、ひしひしと伝わってきた。あらかじめ考えていた言葉なのか。それともあの場所で瞬間的に閃いた言葉なのか。それはどうでもよかった。それがイチローの口から出てきた言葉であるという事実が、重要だった。

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