加えて痛かったのが、エース・ケインの不発だろう。ビハインドを背負ってからのトッテナムは左サイドバックのベン・デイビスが高い位置を取り続け、ソン・フンミンも前がかりになって攻め込んだ。終盤には古巣対決のフェルナンド・ジョレンテも登場し、ゴール前には高さのあるアタッカーが並んだ。この陣容はユベントス守備陣にとっても脅威に他ならなかった。

実際、終了間際にはデイビスのクロスにケインが反応。ヘディングシュートがポストを叩くという決定機も生まれた。ただ、肝心のエースの得点チャンスはこれくらい。ソン・フンミンのキレと鋭さが目立っただけに、ターゲット役に徹しがちだったケインの動きがやや物足りなかったのは事実だろう。ここまでUCLで7ゴールを挙げている絶対的点取り屋が得点を奪わなければ、ユベントスという高い壁は破れない。トッテナムにとってはそれを再認識させられる手痛い黒星となった。

この敗戦が今後のスパーズにどのような影響をもたらすかは非常に興味深いところ。プレミアでは2位・マンチェスターUに4差、3位・リバプールに2差と好位置につけているだけに、UCLのダメージを引きずってはいけない。少しでも順位を上げて、来季UCL出場権を確実にすることが、リベンジへの第一歩だ。さし当たってケインには、この悔しさを糧にして、プレミア3年連続得点王獲得へ猛然と走ってもらいたいものだ。

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元川 悦子
もとかわえつこ1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。ワールドカップは94年アメリカ大会から4回連続で現地取材した。中村俊輔らシドニー世代も10年以上見続けている。そして最近は「日本代表ウォッチャー」として練習から試合まで欠かさず取材している。著書に「U-22」(小学館)「初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅」(NHK出版)ほか。

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