もちろん、最近ではそんな昔ながらのイングランド・スタイルで戦うチームは、少なくともトップ・ディビジョンでは見られなくなっている。しっかりとポゼッションし、パスをつないでビルドアップする、そんなヨーロッパ大陸と同じスタイルのゲームが主流となっている。コンテやモウリーニョ、さらにペップ・グアルディオラといったように、プレミアリーグの上位クラブは、どこもラテン系の指導者が率いているし、ピッチ上もイングランド人選手は少数派だ。

だから、当然昔ながらのイングランド・スタイルではなくなっている。 だが、それでも、やはりプレミアリーグの魅力は(ヨーロッパ大陸のリーグと比較して)勇猛果敢な攻撃的なサッカーである。イングランドの観客はそういうゲームを好んでいるからとも言われるし、全世界でプレミアリーグの人気が高い理由もそうした攻撃的でエキサイティングな試合展開が見られるからだ。

しかし、まるでセリエAのような展開だったマンチェスター・ユナイテッド対チェルシーの試合でも、オールド・トラフォードの観客が不満そうな反応を見せることはなかった。少なくとも、テレビの画面からは、そういう不満は感じられなかった。

やはり、こういう激しい順位争いの中では勝つこと、勝点を奪うことが何より重要だとサポーターたちも思っているのだろうか。それとも、ヨーロッパ大陸的な試合が増えてくる中で、イングランドの観客のサッカーに対する嗜好も変化してきているのだろうか。 勝負にこだわった試合を楽しむ一方で、僕はそんなことを考えていたのである。

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後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

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