長くなる一方の試合時間に悩むMLB、昨季は多くの異論が飛び交う中投球を伴わない申告制敬遠を導入しましたが、9イニング平均の試合時間は前年の3時間42秒から3時間5分11秒にまで伸びてしまいました。

それを受けてこのオフも多くの改革案が議論されました。しかし、切り札的に期待されていた投球間隔を表示する「ピッチクロック」の導入は見送られ、結局イニング間の時間短縮や救援投手が登板する際の時間短縮、マウンド訪問回数の制限に留まりました。このことの背景に見え隠れする事情を考察してみたいと思います。

まずピッチクロックの導入見送りですが、これには今世紀に入ってからでは最悪と言われる労使関係が影響を与えていると言えるしょう。ご存知の通り、スプリングトレーニングが始まったこの時期でも多くのFA選手が未契約のまま残っており、辣腕代理人のスコット・ボラスが「多くの球団は勝つための努力を怠っている」と噛み付き、機構側は「代理人が強欲すぎるせいだ」とやりかえすなどの場外バトルも展開されました。空前の好景気に沸くMLBでは、ここ20年以上労使は限られたパイを奪い合う関係ではなく、拡大し溢れ出るうま味を山分けする蜜月に在りましたが、それが転換期を迎えたのです。

もちろん、多くの投手が以前からピッチクロックは「やりにくい」と感じていたのですが、これが1年前ならもう少し選手組合側も歩み寄る姿勢を見せたのではないでしょうか。また、機構側も導入により強硬なスタンスを維持したと思われます。

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