春季キャンプでは、選手たちが準備を進めるなか、首脳陣もそれを見ながらチーム戦力の構想を固めていく。なかでも最大の決定事項の一つが、開幕投手を誰にするかということ。

今季の楽天イーグルスの投手陣は、昨季の実績からも則本昂大、岸孝之、美馬学という「先発三本柱」と呼ばれるまでになった。うち、誰が開幕投手を務めるのかと周囲は色めき立つのだが、今季は第2クールを迎えた6日に梨田昌孝監督が発表した。

大方の予想どおり、則本が任命された。ただ、本人はそう思っていなかったようだ。思えば実績のある選手も、開幕前は何かしら不安を抱えているという。周囲からどれほど「当然視」されようと。そんな気持ちがこぼれるかのように、則本は開幕投手が決まった後の囲み会見でこう語った。

「正直、僕じゃないんじゃないかなと思ってました。(開幕戦の相手ロッテとの)相性を考えても、他にいるわけで」。

そんな則本に強い気持ちを注入するように、梨田監督は”奇策”に出た。4年ぶりに戻ってきた佐藤義則コーチから、その決定事項と伝えてもらったのだ。開幕投手を監督自ら伝えなかったのは初めてというほど、異例中の異例のことだった。

「2013年に(則本が)15勝して日本一になった。星野監督がいて、佐藤コーチもいた。そういった流れで、佐藤コーチからの方が、すごく思いが伝わるのかなと」と梨田監督。

則本は2013年のルーキーイヤーに15勝をあげ(田中将大の24勝で目立たなくなってしまったが)、チームを日本一に導く大活躍をし、田中がヤンキースに移籍後のBクラス時代も、チームのエースとして奮闘してきた。

だからこそ、梨田監督は就任1年目の一昨年はキャンプイン当日に開幕投手を「則本」と明言し、2年目の昨季は則本がWBCに出場したことを考慮し、2月下旬まで決めかねた(昨季は岸に決定したが、インフルエンザで美馬が務めた)。

「あんま長引かすと色々言われるからね。夜も寝られないぐらい」。

梨田監督は、昨季を思い出したのか、囲み会見でメディアに”先制攻撃”(?)のジョークを放った。また、ホーム開幕戦の開幕投手は尋ねられるも「わかるでしょ」「そこまで聞くの?」と交わして明言せず。

今までダジャレを織り交ぜるなどメディアを楽しませてきたが、今季はメディアをもうまく利用してやろうぐらいの”策士”ぶりが垣間見られた気がした。

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