コミッショナーの懸念は、本当に「メジャーリーグ人気」なんだろうか。

確かにシーズン開催の時期が違うアメリカン・フットボールのNFLやバスケットボールのNBA、アイスホッケーのNHLは驚くほど人気がある。ベースボールと同時期に開催される「世界で最も人気のあるボールゲーム」であるサッカーは北米プロスポーツの市場に参入して久しいし、ユース世代を中心に競技人口を増やしている。

コミッショナーの懸念はもっともな話かも知れない。だが、タイミングが悪い。

代理人の何人かがFA市場停滞を「いくつかの球団が競争力を放棄している」だとか「1980年以来の共謀(して意図的にFA選手との契約をしないこと)」だとか批判を展開し、キャンプのボイコットを口にするなどする中では、火に油を注ぐ様なものではないか。

労使協定上、ボイコットもストライキも違法になるはずだが、コミッショナーが最終目標を「2時間50分」と提案したのは、「あなたたちだって今の試合時間は長いと感じているのだから、皆(メジャーリーグ機構で選手組合)で何とかしましょうよ」という最終通告である。選手組合がFA市場と時間短縮を分けて考えて「好ましい返事」をできるのならば素晴らしいが、そんなに穏やかな話ではないような気がする。

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ナガオ勝司
1965年京都生まれ。東京、長野、アメリカ合衆国アイオワ州、ロードアイランド州を経て、2005年よりイリノイ州に在住。訳書に米球界ステロイド暴露本「禁断の肉体改造」(ホゼ・カンセコ著 ベースボールマガジン社刊)がある。「BBWAA(全米野球記者協会)」会員

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