ゴール前に確固たるポスト役がいて、確実にボールを収めてくれれば、チィエムエ・バカヨコ、エンゴロ・カンテ、セスク・ファブレガスの強力3ボランチの破壊力もより高まるはずだ。彼ら3枚はそれぞれ前線への推進力とフィニッシュに持ち込む迫力、守備面での献身性、ボール奪取力を兼ね備えている。この3枚が今季チェルシーの最大の強みと言っていい。彼らがもっと攻めに絡まなければゴール数は増えない。知将・コンテ監督もそのあたりはよく分かっているはずだ。ジルーとの連携が確立されれば、中盤の攻めの厚みもより一層出てくる。そうなれば後半戦の快進撃も現実味を帯びてくるだろう。

アザールとジルーがどういう関係を構築するかも興味深い点。ここまでチェルシーの攻めはモラタとアザール頼みだったが、新たなコンビが形成されれば、対戦相手も読みづらくなる。状況によってはモラタとジルーのツインタワーを並べるというアイディアも考えられる。そうやって多彩なバリエーションが作れれば、総得点45という物足りない状況からは抜け出せる。そうならなければ上位陣を伺うことはできないのだ。

1月のチェルシーは公式戦3勝4分2敗と不本意な成績に終わっている。彼らが足踏み状態に陥っている間に、ユルゲン・クロップ監督率いるリバプールがポイントを稼ぎ、いつの間には同じ勝ち点50で並ばれた。そればかりでなく、得失点差で下回り、4位転落を余儀なくされている。昨季王者としてはこのまま黙っているわけにはいかない。ジルーの補強を躍進への起爆剤にすべく、プレミアきっての名将・コンテ監督には彼のベストな起用法をいち早く見出してほしいものだ。

photo

元川 悦子
もとかわえつこ1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。ワールドカップは94年アメリカ大会から4回連続で現地取材した。中村俊輔らシドニー世代も10年以上見続けている。そして最近は「日本代表ウォッチャー」として練習から試合まで欠かさず取材している。著書に「U-22」(小学館)「初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅」(NHK出版)ほか。

お知らせ

17/18 イングランド プレミアリーグ

J SPORTSでは今シーズンも見どころ満載のプレミアリーグを生中継含め毎節5試合放送。 世界一ハイレベルな戦いをお見逃しなく!


»詳しくはこちら
»お申し込みはこちら

スカパー!×J SPORTS J SPORTS オンラインショップ