上り坂にいるチームの定点観測は楽しい。集団をつぶさに観察して得られる「気付き」の数が、上昇を描く過程では段違いに多く発見できるからだ。

昨季のバファローズは、リーグ最下位に沈んだ前年から4位へと前進した。ならば、自然と次のステップを期待したくなる。

とはいえ、頂点を狙うための戦力が盤石と言える状況ではないだろう。チームが22年ぶりのリーグ制覇を果たすには、複数のXファクターが必要となりそうだ。

ドラフト新入団組や新外国人選手の活躍、一軍に定着していない若手の成長、予想外だった意外な選手のブレイク、ベテランの意地…。

こうした要素は多ければ多いほどいい。その兆しをじっくりと見極めて、来たる新シーズンに胸を躍らせるのが、春季キャンプにおけるプロ野球の楽しみ方だ。

では、今季のバファローズで実際に“違い”となれるのは誰だろうか。その役割に期待が持てるのは、新戦力の選手たちだ。

その中でも、即戦力投手の呼び声高いドライチの田嶋大樹は、社会人野球での実績が十分で急先鋒を担える実力を秘める。

シルエットは能見篤史(タイガース)と似て細身、スリークォーターの投球フォームからしなる左腕の振りは菊池雄星(ライオンズ)のように鋭い。

空振りが奪えるタイプで、物怖じをしなさそうな性格が見受けられる。チームの数年来の課題を解消するとともに、目標として掲げた「新人王」獲得を期待したい。

宮崎春季キャンプメンバーのリストでは、その田嶋以上に目立っているのが、同じくルーキーのK-鈴木だ。

ドラフト2位指名入団の右腕はオーソドックスな上投げの本格派で、完成度よりも速球の威力が魅力的なタイプとされている。

チーム内に鈴木姓が多いからこその登録名だが、「K」が示すように、こちらは「奪三振王」を狙う。コントラストな2人のブルペン入りは、大きな注目を集めそうだ。

投手の新加入選手ではファイターズから移籍した増井浩俊とマット・アルバースの姿にも注視したい。

増井は昨季、両リーグトップ(10イニングス以上)の奪三振率14.01をマークしながら、与四球率は1.88とハイレベルな投球を披露した。

クローザーとしての実績を着々と積み重ねており、若手が多いブルペン陣の精神的支柱でもあった平野佳寿が抜けた穴を埋める役割も期待したい。

2013年のメジャーデビュー2試合目で完封勝利を飾ったアルバースは先発起用もありそうだが、その翌年以降は6イニングスが最長だった。

四球をあまり出さないタイプで、特筆すべきは左打者との対戦通算128打席でわずか3四球しか与えていない点だ(対右打者は395打席で22四球)。 実績組がしっかりと結果を残している先発陣にルーキーが加わり、アルバースは手薄な左のリリーバーとして収まる。それが、現時点で考えられる理想的な形ではないだろうか。

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