「たとえば救援投手は打たれた時だけ注目されるだろ?どうしてだい?それは彼らが打たれることは試合の負けに直結することであり、ファンもメディアもどうして打たれて負けたのか知りたいからさ。僕はブレーブスの中心選手であり、チームが負ければその責任の一端は僕にある。だから、僕は可能な限り、君たちと話すように心がけているんだ」

チッパーはブレーブスの真のリーダーだった。彼は若い頃からすでに殿堂入り選手の雰囲気を備えていた。それはトーミーも同じだった。トーミーはホワイトソックスにトレードされた夏、井口資仁二塁手(当時 現千葉ロッテ・マリーンズ監督)のチームメイトになった関係で話す機会があった。同時期にパフォーマンス向上薬品に手を出した選手たちとの公平性を問うと、彼はこんな風に淡々と答えている。

「そりゃもちろん、不公平だと思うけれど、結局は個人の選択であってね。僕は彼らがやったようなことをやろうと思ったことがないし、やりたいと思ったことすらないんだ。僕ら打者は、速い球を打つのに少しバットを短く持つとか、変化球に対処するために打席の前に立つとか、ちょっとでも有利になるためにいろいろなことをやってみるものだけれど、薬物はそれとはまったく違う話。それで本塁打の数に差が出来てタイトルが取れなくたっていいんだ。そもそも僕は本塁打王になりたくて野球をしてるんじゃなくて、チーム(当時はホワイトソックス)が勝つために試合しているんだから」

皮肉なことにトーミーはワールドシリーズに勝ったことがないのだが、彼とは違う選択をした疑いで得票率が伸びなかったロジャー・クレメンスやバリー・ボンズと違い、殿堂入りを果たして報われたのかも知れない。チッパーと共に候補者1年目の快挙である。

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