最大で18点あったリードは、試合終盤で3点差まで一気に縮まった。しかし、名将はすぐには助けなかった。押し寄せるプレッシャーの中で、苦しみに立ち向かおうとする選手の姿勢を認めたからだ。ウインターカップ2017第70回全国高校バスケットボール選手権大会は29日に最終日を迎え、男子の決勝戦は明成高校(インターハイ準優勝=宮城)が79−72で福岡大大濠高校(インターハイ優勝=福岡)を破り、2年ぶり5回目の優勝を飾った。

勝因は、2つあった。1つは、前半に大量リードをしたことだ。相手は攻守で後手に回り、持ち味を発揮できなかった。もう1つは、後半に追い上げられた明成が、最後に勝ち気を見せて攻めに出たことだ。明成は、センターの八村阿蓮が相手のビッグマンを外に引き出すプレーを見せ、カバーを意識した相手の守備が中央に集中したところで、2年生シューターの田中裕也が3ポイントを連発。前半で49−33と大きくリードした。しかし、個々の能力に勝る福岡大大濠は、後半に猛追。明成は、第4ピリオドで70−67と3点差まで詰め寄られた。その間、佐藤久夫ヘッドコーチは、タイムアウトを取らなかった。自信がなく、他人に頼る傾向の強かった選手たちに、自分たちでやってみせろという訴えだった。

ポイントガードの塚本舞生は「簡単には負けないけど、簡単には勝てないと先生が何度も言っていて、点差を詰められたときに、ああ、このことだなと思いました。何度もタイムアウトだと思うタイミングがあったのに取らなくて、なぜだろうと思っていたけど、残り6分くらいのときに自分だけベンチに呼ばれて『お前らでやれ』と言われて、自分たちでやらなければダメだと、みんなを集めて伝えました。あのときにチームが一つになったと思います」と苦境の中でチームに新たな力が沸いたことを明かした。点差は、どんどん縮められた。流れが良くなったわけではない。しかし、逆境に立ち向かう力がそれぞれに生まれ、集結しようとしていた。68歳の名将は、終盤の心持ちを次のように語った。

「コーチとしては立て直しを図るためにタイムアウトを取るべきではないかと思いました。何回もチャンスは、ありました。でも、あえて取りませんでした。選手が自分たちで戦おうとしている姿勢を信じました。タイムアウトを取れば、明成が慌ててきたぞという印象を与えかねない。できるだけ我慢をしました。ラッキーもあったけど、コートにいる選手、ベンチの選手が窮地をしのいでくれました」(佐藤コーチ)

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