そもそもこのサラーがプレミアリーグに挑戦するのは今回が2度目。最初のチャレンジはチェルシーでプレーした13−14、14−15の2シーズンだ。若いタレントを輩出するのに長けたスイス1部・バーゼルからステップアップした21歳の彼はチェルシーでブレイクすると期待されたが、1年目は10試合出場2得点、2年目は3試合出場無得点と結果を出せずに苦しんだ。そこで2015年頭にフィオレンティーナにレンタルで出されたが、イタリアは水に合ったのか、半年間で得点力不足を解消し、チームの救世主となる。翌シーズンはフィオレンティーナに残留するか否かを巡ってゴタゴタがあり、不安定な立場に置かれたが、結局ローマへ移籍。そのローマで15−16、16−17シーズンの2年連続2ケタゴールを達成。傑出した得点能力を高く買われ、今季リバプールに加入。プレミア凱旋を果たした。

とはいえ、クロップ監督も当初はチャンスメーカーと位置づけており、ここまで得点源としてブレイクするとは予想していなかっただろう。ただ、試合を重ねるごとに彼の得点感覚が研ぎ澄まされ、今回のアーセナル戦の2点目のような難易度の高い得点も奪えるようになった。チームにとっても目下、7得点のフィルミーノ、同6点のコウチーニョと並ぶ大黒柱が誕生したのは非常に前向きな点。彼ら爆発力あるアタッカー陣がいるから、今季のリバプールは2位のマンチェスター・ユナイテッドと同じ総得点41を挙げるに至っている。

それでも4位に甘んじているのは、総失点23という守備の脆さだろう。今回もアーセナルに5分間で3点を叩き込まれているが、アクシデントが起きた時に持ちこたえられないのが今のリバプールの課題かもしれない。名将・クロップ監督ならばそのハードルを必ずクリアできるはず。サラーもハードワークという指揮官が求める重要なポイントをしっかりと果たし続け、チームの失点減に貢献してほしい。そのうえでゴールラッシュを続けてくれれば最高のシナリオだ。

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元川 悦子
もとかわえつこ1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。ワールドカップは94年アメリカ大会から4回連続で現地取材した。中村俊輔らシドニー世代も10年以上見続けている。そして最近は「日本代表ウォッチャー」として練習から試合まで欠かさず取材している。著書に「U-22」(小学館)「初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅」(NHK出版)ほか。

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