考えてみれば、監督というのは選手の力量を最大限に発揮させ、個々の選手の力を組み合わせてチームのパフォーマンスを高めるのが仕事なのであって、自らの哲学などに固執すべきではない仕事のはずだ。たとえば、もしもグアルディオラ監督が日本代表を率いたとすれば、彼は日本人選手のストロングポイントを最大限に発揮させるようなチーム作りをするに違いない。

もちろん、「グアルディオラ監督が日本代表監督など」といのは二重の意味でありえない仮定である。まず、あれほどの超一流の指導者を雇うほどの資金は日本の協会にも、日本のクラブにも残念ながら存在しないからだ。そして、グアルディオラ監督はやはり代表ではなく、クラブの監督の仕事を続けることだろう。

グアルディオラ監督は、マンチェスター・シティの指揮を執って、まだ2シーズン目である。だから、「次」の話などすべきではないのだろうが、これだけ新しいリーグの新しいクラブで成功を続ける監督を見ていると、次はどこのリーグで、どんなチーム作りをするのかを早く見てみたいような気がする(マンチェスター・シティのファンの皆さん、申し訳ない)。

事実、グアルディオラ監督はこれまでもバルセロナでは4シーズン、バイエルンでは3シーズン指揮を執った後、退任している。誰もが「早すぎる」と思ったはずだ。 これは、一つには「監督からハイレベルな要求をされることで選手に疲労が蓄積するので、あまり長期に指揮を執ることは難しい」ということを当のグアルディオラ監督自身がよく知っているからなのだろう。また、一つのクラブで成功を窮めてしまえば、グアルディオラ監督にとって、そのクラブでの仕事が「冒険」でなくなってしまうからなのだろう。

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後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

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