チェコ代表の先輩MFパヴェル・ネドベドの一挙手一投足を見つつ、成長していった彼はファンタジスタにも関わらず、泥臭いハードワークのできる選手でもあった。そこも特筆すべき点だろう。2000年代前半はまだ司令塔が1試合で11〜12卅るという常識はなかったが、ネドベドとロシツキーはそれを実践できる数少ない選手だった。

だからこそ、彼らが主力だった2004年欧州選手権(ポルトガル)のチェコ代表はまばゆいばかりの輝きを放つことができたのだろう。最終的に頂点に立ったオットー・レーハーゲル監督率いる堅守のギリシャに準決勝で延長戦の末に敗れ、ベスト4に甘んじたが、この時のチームは欧州チャンピオンになれるだけの底力があった。彼自身のも檜舞台に立ってほしかっただけに悔やまれる。

今後は指導者として新たな一歩を踏み出すと見られるが、ロシツキーのような天国と地獄を両方経験してきた人間はいい指導者になれるかもしれない。プレミアリーグの舞台に戻ってくるか否かは分からないが、むしろ育成の方で手腕を発揮する可能性もありそうだ。アーセナル時代の経験値を糧に、自分以上のハードワークできるファンタジスタを育てるべく、ロシツキーには充実したセカンドキャリアを送ってほしいものだ。

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元川 悦子
もとかわえつこ1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。ワールドカップは94年アメリカ大会から4回連続で現地取材した。中村俊輔らシドニー世代も10年以上見続けている。そして最近は「日本代表ウォッチャー」として練習から試合まで欠かさず取材している。著書に「U-22」(小学館)「初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅」(NHK出版)ほか。

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