こうなるとサウサンプトンとしてはセンターバックの能力がより問われてくる。いかにして吉田やファンダイクが相手を跳ね返し続けるかが問題だ。それを90分間遂行することが彼らには求められたが、残り2分というところで一瞬のスキを突かれてしまう。左サイドに開いたサンチェスのクロスに飛び込んだジルーが打点の高いヘッド。ここに吉田とファンダイクの2枚がピタリとついていたが、ジルーの高さが上回った。次の瞬間、ボールはネットを揺らす。サウサンプトンとしては一番やられてはいけない形での失点で、勝ち点2を逃す格好となった。

マンチェスターC戦でも残り数秒というところでラヒム・スターリングの一撃を浴びた吉田だったが、その苦い経験を彷彿させるような終了間際の失点に、悔しさと危機感でいっぱいだったことだろう。こういう局面を封じきれるようにならなければ、サウサンプトンの上位浮上は叶わない。

彼自身がリードする日本代表もロシアでの躍進も難しくなる。世界トップクラスのアタッカー陣はわずかなスキを確実に突いてくる。その精度が高いからこそ、傑出した結果を残せるのだ。その事実を再認識したうえで、今月の残り5戦でどうプレーを改善していくのか。今後のセンターバック争いを考えても、12月の上位陣との対戦でこれ以上取りこぼすわけにはいかない。ここからが吉田麻也の正念場だ。

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元川 悦子
もとかわえつこ1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。ワールドカップは94年アメリカ大会から4回連続で現地取材した。中村俊輔らシドニー世代も10年以上見続けている。そして最近は「日本代表ウォッチャー」として練習から試合まで欠かさず取材している。著書に「U-22」(小学館)「初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅」(NHK出版)ほか。

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