SOをラインのはるか後方に配置して…

SOをラインのはるか後方に配置して…

こんな表現がある。「アンチ・フットボール」。おもにサッカーの戦術論に用いられる言葉だ。厳しく守る。守って、また守る。まるでフットボールの悦楽を削るかのように。限られた戦力で強敵に挑みかかる方法、いや、生き方だ。

日本のラグビーにも「アンチ・フットボール」の素敵な歴史はある。ひとりの賢者、いまは亡き人をここに紹介したい。川越藤一郎。往年の日本代表のCTBである。「繊細巧緻」。新聞はそう書いた。1937年、昭和12年度に早稲田大学主将として全国制覇を果たす。1軍から5軍まで無敗のシーズンだった。戦争体験ののち京福電鉄や厚生年金事業団に勤務、92年から3年、日本協会会長を務めた。

この伝説の元名手は言った。

「あれがラグビーをつまらなくしましたね」

自身の発案で誕生した「シャロ―ディフェンス」についてだ。スポーツライターの大友信彦さんの取材の場だった。学生時代、競技規則を熟読、防御ラインは横一線に並んで飛び出しても構わない、そのほうが理にかなっていると気づいた。そんなの当たり前じゃないか、と笑われそうだが、当時は世界的にも防御ラインは攻撃と同じ角度に構えた。サッカーと同様、創成期からしばらくは「存分に攻め合う」のがフットボールの常識だった。

88歳での死の4年前、1998年に、本稿筆者も大阪の自宅を訪ねて貴重な話を聞いた。

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