10月28日(土)、台風22号の影響で福岡市は朝から雨。午後3時のキックオフに向けて雨脚は次第に強くなった。そんな悪天候のなか、1万303人の観客がスタンドを埋め、両チームの好プレーの応酬に期待感を膨らませた。11月4日のオーストラリア代表戦から始めるテストマッチ(国代表同士の試合)3連戦への準備として、日本代表(JAPAN XV)がどんな戦いを見せてくれるのか。

リーチ マイケル

日本代表はテストマッチ前の準備として世界選抜との一戦に挑んだ

午後3時、世界選抜SOベリック・バーンズのキックオフで試合は始まった。直後の攻防では日本代表のハイパントを世界選抜FB五郎丸歩がクリーンキャッチして観客を沸かせる。ディフェンスライン全体で素早く前に出る新システムを披露する日本代表に対し、世界選抜は自陣からもボールをつないで果敢に攻撃を仕掛ける。前半8分、世界選抜HOアドリアン・ストラウスの突進を止めようと、渾身のタックルに入った日本代表SH田中史朗が倒れる。その直後、世界選抜WTB藤田慶和が先制トライ。田中は流大との負傷交代となった。

前半12分には日本代表WTB山田章仁も足を痛めて退場。控えの松田力也が入る。チームを引っ張るはずだったベテラン勢の相次ぐ負傷交代は不運だったが、リーチ マイケルキャプテンは「最悪の事態についても、事前に話し合っていた」と、動揺することなく体を張ってチームを鼓舞し続けた。それに呼応して若い選手達も堂々たるプレーを見せ、6−14とリードされていた前半33分には、SO田村優の突破をサポートしたFB野口竜司がトライし、13−14と1点のビハインドで前半を折り返す。

五郎丸歩

世界選抜は五郎丸歩の「日本代表を叩き潰す」の言葉通り激しいコンタクトプレーで日本代表に襲いかかった

五郎丸の正確なプレースキック、藤田のトライ、スーパーラグビーの強豪ハリケーンズのWTBビンス・アソのスピーディーなトライなど、世界選抜は華やかなプレーで観客を沸かせた。しかし、なにより観客の心をつかんだのは彼らの献身的なプレーぶりだ。世界選抜の選手達にとっては、このメンバーで戦うのは最初で最後の一期一会。五郎丸が「夢のような時間でした」と話し、南アフリカからやってきたFLクワッガ・スミスが「ここで出会った選手は一生の友人」と言っていた通り、さまざまなバックボーンを持った選手達がひとつになり、全力で戦い、生涯の友となる。それが世界選抜の存在意義であり、ラグビーが築き上げてきた文化だ。今回、特に感じたのは日本ラグビーへのリスペクト、愛情である。パナソニックワイルドナイツの監督であるロビー・ディーンズが率い、アンドリュー・エリス(神戸製鋼)、ベリック・バーンズ(パナソニック)、五郎丸(ヤマハ発動機)らがいてこそのことだろう。前日、五郎丸は「日本代表を叩き潰す」と話していた。その言葉通り、世界選抜の選手達は激しいコンタクトプレーで日本代表に襲いかかった。それは日本代表を強くするための最大限のサポートでもあったのだ。

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