MLBはポストシーズンたけなわです。連日の熱戦で、睡眠不足のファンも多いことでしょう。この原稿を書いている段階では、ア・リーグの地区シリーズでヤンキースが地元に戻って2連勝で逆王手と、目が離せない展開になってきました。

崖っぷちからヤンキースが息を吹き返したのは、第3戦での田中将大の今季有数の好投があってこそですが、もしあの試合でヤンキースがあっさり敗退していれば、ジョー・ジラルディ監督はその進退が取りざたされたかもしれません。そして、第2戦での自軍投手の投球への死球判定にチャレンジしなかった失態は、昨年の地区シリーズでオリオールズのバック・ショーウォルター監督が絶対的守護神のザック・ブリットンを温存したまま敗退したことと並ぶポストシーズンでの監督のミスとして、長く語り継がれることになったでしょう。

私は、元々ビデオ判定に懐疑的なオールドスクール派で、ベースボールは「誤審もゲームの一部」とするスポーツであり続けて欲しかったと思っています。しかし、今回のジラルディ監督のミスは、「ビデオ判定もヒューマンドラマを演出するツールになり得る」ことを示していました。

そのシーンを復習しておきましょう。ヤンキースが5点をリードした6回裏のことでした。先発のCC・サバシアを引き継いだチャド・グリーンが2死二三塁でロニー・チゼンホールに投じた一球はグリップエンドに当たったように見えましたが、判定は「ヒット・バイ・ピッチ」、要するに死球です。当然ジラルディ監督はチャレンジするものと思われましたが、規定の30秒以内にヤンキースからそのリクエストはなく、2死満塁となりプレー続行。そこからフランシスコ・リンドーアの満塁本塁打が飛び出し、一気に1点差に。その後追いつかれたヤンキースは延長13回にサヨナラ負けを喫したのです。

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