高延戦

韓国の早明戦を見た。大学そのもののイメージでは早慶戦かもしれない。9月23日。ソウルの木洞(モクトン)競技場。高麗大学校と延世大学校のラグビー定期戦が行われた。前者が日本における早稲田、後者が慶応にたとえられる伝統両校の「5競技対抗(野球、アイスホッケー、バスケットボール、ラグビー、サッカー)」の一環である。

1980年代に定期戦の存在を知り、その強化のためだけに両校ラグビー部が来日、菅平の合宿で腕を磨く姿に興味を抱いた。韓国ではマイナー競技であるラグビーにあって、唯一、大観衆の詰めかける大祭典。名物の応援合戦の華やかさでもとどろく。ずっと「取材人生でいっぺんは経験したい」と願い、ようやくかなった。

高延戦

かつては東京の国立競技場にあたる蚕室(チャムシル)スタジアムで行われ、両校の学生と卒業生で巨大な観客席は埋まった。現在、サッカーのクラブが同競技場と契約、芝が荒れるとラグビー試合を拒んだため決闘の場を変えた。ラグビーに引き続いて始まるサッカー定期戦もそれに伴い移っている。目視ではあらかた満席、約3万の観客はのべつ歌い踊った。

さて。ここに書きたいのは試合の報告ではない。「ラグビーを見ること。伝えること」についてだ。観戦後にさまざま考えさせられたのだ。

結果は26-21で延世が笑った。コーチングの勝利に思えた。身体の強さでは高麗が上回っている。パワフルな突進と突破。なのに仕留めの手前にミス。ペナルティーを得ても、狙うか、速攻か、タッチに蹴り出してモールかの選択がことごとくちぐはぐだった。かたや延世はタックルの切り返しからトライにつなげたり、一瞬の相手ミスをいかして効率的に得点を挙げた。素質や体格の劣勢を準備と集中力で埋めた。そう解釈した。この試合だけを切り取った「現象」としては間違いではないはずだ。

しかし、翌日、仁川で、7人制の「アジアセブンズシリーズ」を観戦中、延世の卒業生である元韓国代表プロップの具東春さん(サンウルブズの具智元の父)と話をしたら、母校の白星に辛口だった。いわく「ここ数年、入学者の実績では延世がかなり上なのに差を縮められている」。どうしても後輩に厳しくなるのは隣国の大学のОBだって同じだが、たぶん、本当なのだろう。

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