チームには勝利を目指して奮闘する選手たちを支える人がたくさん働いています。選手たちが感謝してやまない「スタッフの皆さん」はどんな仕事をしているのでしょうか。

裏方シリーズでは、そうした人々にスポットを当ててご紹介します。第4回はジュニアコーチを経て育成部を補佐しながら、チーム戦略室で選手やコーチ陣との「橋渡し役」を担う塩川達也さんです。

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塩川さん(右)1人は照れると川井さんと一緒に

楽天イーグルス一筋の人である。チームが設立された2005年から2011年までは選手として活躍し、2011年に引退。2012年から球団のジュニアコーチを経て、現在のポジションに至る。

現役時代は、スイッチヒッターも経験し、内野はユーティリティ、よく代走も担った。

引退して裏方に回っても、関西人らしい明るさそのままに、一般の野球少年からチームの有望株まで、幅広く育成に携わりながら、戦略室のデータを選手やコーチに伝える。器用な人なのだろうと想像していたが、話を伺うと驚くほど裏方気質の人でもあった。

◆「無駄仕事は一つもない。良いか悪いかは現場が決めること」

仕事は面白いですかと尋ねると、「それは面白いですよ」と即答。やり甲斐を感じているのが見て取れた。育成部では、主に若い選手をみるという塩川さん。自らも選手だったことから、選手の気持ちに寄り添うことを大切にしているという。

その上で「橋渡し役」にも徹する。例えば、若い選手にはそれぞれ育成プランがあるが、トレーナーや栄養士など体調管理に携わる専門家の持つ情報や数値から気になることがあれば、塩川さんが代わりに声をかけるという。

「専門の人たちとの間に入って『最近どうしてるんや?』と。コミュニケーションを大事にしています。コーチや専門家に言いにくいことでも、何でも言ってくれる関係になれたらと」と熱を込める。

戦略室の一員としては、前回の川井さん編でもお伝えしたように、『トラックマン』のデータを扱う。川井さんは主に投手を担当し、“先輩”の塩川さんは野手はじめ全体をフォローするようだ。情報量は膨大だが、塩川さんは言う。

「100のデータのうち、1つでも使えたらいいぐらいの感覚でやってます。というのも、データで傾向があったとしても、プレーは動いてるもの。まったく同じ場面はないんです。状況はもちろん、順位によっても野球は変わるものですから」。

経験則あっての視点だ。「確率どおりにやれば勝てるかといえば、そんな簡単なもんじゃない。だから、戦略室のスタッフが『いいデータがあります』って言ってきても、僕はいつも言うんです。『良いか悪いかは、使った現場が判断すること』って」。

加えて、使われないデータが多くとも何一つ無駄ではないと力説する。「僕はそれで勉強ができるし、その積み重ねでコーチともより深く掘り下げて話せるようになりましたから。いろんな状況を想定して、話が膨らんだ末に、じゃあこうしたデータをお願いしたいって話にもなります」。

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