チームには勝利を目指して奮闘する選手たちを支える人がたくさん働いています。選手たちが感謝してやまない「スタッフの皆さん」はどんな仕事をしているのでしょうか。

「チームを支える人たち」シリーズでは、そうした人々にスポットを当ててご紹介します。第3回はチーム戦略室に所属しながら、バッティングピッチャーも務める川井貴志さんです。

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笑顔の川井貴志さん

すぐに気づいたファンも多いことだろう。昨季までイーグルスの投手として活躍した、あの「困った時のボブ」こと川井貴志さんである。

40歳になった昨年を限りに引退。現在は裏方としてチームを支える。今もバッティングピッチャーとして投げているので、体型も雰囲気もそのまま。昨年までのチームメイトと気さくに話しながら、1軍と2軍を行き来する。

所属部署は『チーム戦略室』。様々な人が働くこの部署で、川井さんは投手陣にデータを提供し、作戦を練ったり、課題を話し合ったり。グラウンドに出て選手やコーチとコミュニケーションを取り、すぐ裏の控え室に行ってはパソコンと向き合ったり。

さらに、そうした合間にバッティングピッチャーを務め、さまざまなスタッフとも連携する。

「なかなか、4月ぐらいまで慣れなくて、ちょっと大変だったんですけど、もう慣れてきました。パソコンも自分で映像チェックとかして使い慣れたし、問題はないですよ」。

昨年までのマイペースに自分の調子を整えてきた、“表舞台”での仕事とは正反対とも言える多忙な仕事だが、川井さんは充実感をにじませながら語った。

◆『ビッグデータ』と投手の橋渡し役

今年から楽天イーグルスの試合中継では、打球や投球の細かな数値がイメージ動画と共に表示されるようになった。

軍事用レーダーから開発された『トラックマン』というデータ解析機器が収集する数値で、ピッチャーが投げた球なら、速度だけでなく、回転数や回転軸の傾き、リリースポイントに変化球の曲がり具合などが数値化されるようになった。

川井さんは、日夜こうしたビッグデータを見比べ、気づいたことなどを投手やコーチに伝える。

いわばデータと投手とつなぐ「橋渡し役」だが、決してこちらから一方的に何かを言うことはないという。まずは「聞くのが最初の仕事」とその流儀を明かす。

「(チームの)ピッチャーの球に何かこれまでと違う変化があっても、それが良い変化なのか悪い変化なのかは、まず選手に聞いてみないとわからないですから」。

例えば、変化球が大幅にボールゾーンへ外れるようになったとしても、それは意図してやっているかもしれないからだ。

「まずは聞くことから。本人が何をやりたいのかを確認します。その上で感じたことがあれば言うこともありますが、自分は聞き役に徹します」。

このインタビューをする前にも選手たちと気さくに話をしていた川井さん。ピッチングについて話す時は聞き役に徹するも、コミュニケーションが密に取れるよう、「自分から積極的に声を掛けるようにしています」。

そう言いながらも「まあ、でも、このチームでずっとやらせてもらってるので。これが全員知らない選手だったら大変だったろうと思いますけども」と遠慮がちに笑った。

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