故障者が続出する中、2軍でまずまずの数字を残していた高橋周平だが、なかなか1軍に呼ばれる事がなかった。8月、主軸を打っていたビシエドにまで死球による骨折が判明した。

8月14日、高橋周平の電話が鳴った。「横浜に来い」。待ちに待った1軍合流、思わず笑顔がこぼれていた。その数日前、その時2軍で故障中の亀澤恭平と少し会話をした。高橋周平に何か変化はあったのか聞いてみると亀澤は黙って人差し指で自分の心臓の部分を指さした。

「メンタルでしょ。だいぶ強くなってきたと思うんですが、まだまだ…。人によって差はありますが、ん〜…、静かにこっそり野球したいなら、プロにいる必要はないでしょ。僕は2軍に落ちればそれまでの選手」。

「でも、周平は入団してから今まで1軍にいようが2軍にいようが、ずっと旬でしょ。そんな選手はそうそういない。それを周平がどう考えるかですよ」。

この亀澤の指摘は見事に当たる。1軍再登録後の8月14日、横浜スタジアムから12打席、高橋周平のバットからヒットは生まれなかった。後日、高橋はこう振り返った。

「合流するまでは冷静だったんですが、報道を見ても、チームを救え。救世主。そんな言葉ばかりで正直、え?って感じでした。僕が救世主?そんな期待されてもって思いました。頭真っ白ですよ。なんでそうなるの?って」。

周囲の期待と自分の温度差に戸惑いながらプレーを続けた。高橋は「自分はいったい何者なんですか?僕はただ結果が出ずに2軍で試合に出て、ようやく呼ばれただけの選手って認識でした」。

「でも、周りは違った。そのギャップに驚いてしまって。今は普通の精神状態で野球ができています」と話す。

高橋周平に周りは厳しい言葉を放つ。それは期待の裏返しであることは否めない。解説、評論家の多くは「速いストレートへの対応ができない。差し込まれる。もっと引っ張れるようにならないと」と話す。

1軍再昇格から1か月半が経った今、そういった声を高橋はどう感じるのか。

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