したがってリーヴィー会長が、あるいは彼の密命を受けたスタッフが、水面下で交渉を進めている可能性は否定できず、ウーゴ・ロリス、ソン・フンミン、ムサ・シソコなど、近年の移籍でも8月下旬に成立したケースが少なくないため、即戦力の獲得に好感触を抱いているかもしれない。また、2シーズン連続で2位になるほど、チームの根幹がしっかりしている。数百億円が飛び交う〈狂乱の市場〉に付きあうつもりはさらさらない。

この夏、マンチェスター・ユナイテッドはロメル・ルカクを獲得するために7500万ポンド(約110億円)を費やした。パリ・サンジェルマンはバルセロナからネイマールを手に入れるべく、1億9000万ポンド(約277億円)もの巨費を投入する。GKとサイドバックを買い求めたマンチェスター・シティの〈防衛費〉も2億ポンド(約292億円)を超えた。チームを強化するための財力は必要だ。

しかし、スパーズはコストをコントロールしながら、こんにちの地位を築いてきた。ハリー・ケインはアカデミーが産んだ最高傑作で、ハリー・ウィンクス、カイル・ウォーカー=ピーターズ、ジョシュ・オノマーといった若手も、ブレイクのときを虎視眈々とうかがっている。スパーズの在り方はフットボール界全体が見習うべきだろう。

「チームを活性化するための定位置争いは必要だが、闇雲に選手を獲るようなことはしない。われわれのタイミングで動くだけだ」

ポチェッティーノ監督も、悠然と構えていた。

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粕谷 秀樹
月刊ワールドサッカーダイジェスト初代編集長を務めた。海外サッカーの解説者としても活躍。

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