僅差の好ゲームが続いた開幕節を終え、首位に立ったのはトヨタ自動車ヴェルブリッツだった。今季より、導入されたボーナス点(3トライ以上の差をつけた場合に1点)を唯一獲得し、勝利の4点と合わせて勝ち点「5」としての単独首位である。2位のキヤノンイーグルスから8位のサントリーサンゴリアスまでは、勝ち点「4」で並び、得失点差によって順位が決まっている。今後しばらく順位は大きく変動するはずだが、幸先の良いスタートを切った各チームの力が本物かどうか、第2節の内容も興味深い。

今週末も、注目カードが多いが、気になるのは黒星スタートとなった王者パナソニックワイルドナイツと、昨季4位の神戸製鋼コベルコスティーラーズの対戦だ。ヤマハ発動機にスクラムで圧倒されたパナソニックだが、それでも最後に3点差まで詰め寄り、底力は見せた。SO山沢拓也、CTB森谷圭介らの新戦力を積極的に起用するなど、長いシーズンを見越してのテストも兼ねていた気がする。ベリック・バーンズの卓越した戦術眼、山田章仁のトライ奪取能力の高さ、攻守に非凡な才能を披露した森谷、サンウルブズ、日本代表で着実に力を付けたFB笹倉康誉など個々の能力も高い。インパクトプレーヤーとして後半投入されたCTBタンゲレ・ナイヤラヴォロ(194僉125圈砲睥篭いプレーで流れを変えた。

対する神戸製鋼は、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスに一時17点差をつけられながらの逆転勝ち。スーパーラグビーのチーフスで活躍したPR山下裕史を軸にスクラムで圧力をかけ、コンタクトの局面では着実に前進し、山下楽平、アンダーソン フレイザーの両WTBが個人技からトライをあげた。新加入のSOコディ・レイも安定したプレーを披露。インサイドCTB山中亮平の左足のロングキックは今季も地域戦略では重要な役割を果たしている。

神戸製鋼がパナソニックに対してもスクラムで圧力をかけることができれば、勝機は出てくるだろう。神戸製鋼のH0木津武士、PR山下裕史と、パナソニックのPR稲垣啓太、HO堀江翔太は、昨年のラグビーワールドカップでともに戦った間柄。木津、稲垣、堀江はサンウルブズでもチームメイトだ。互いのクセを知り尽くした者同士の駆け引きは面白い。互いにどんなメンバー編成で臨むのか、本稿執筆時点ではメンバーは不明だが、山下楽平、アンダーソン フレイザー対児玉健太郎、山田章仁のWTB対決は見応えがありそうだ。

今季のトップリーグは、プレーオフは無く、総当たり戦のみで順位を決める。各チームの対戦は一度きり。4連覇を目指すパナソニックとしては、連敗スタートはどうしても避けたい。パナソニックに勝ったチームが、その後も勝ち点を積み上げれば、追いつかなくなってしまうからだ。そんな心配を払しょくして、パナソニックが今季1勝目をあげるのか。それとも、神戸製鋼が勢いの乗るのか。優勝争いを占う上で重要な一戦になる。

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村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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