「5月の3大会」の開幕戦、前週のグランドスラム・バクーはまさしく大熱戦であった。この時期としては異例というべき熱量高い激戦、その主役を張ったのは実はトップ選手ではない。何が面白かったかと言って「勝てばオリンピック出場圏内」という立場にある中堅以下の選手たちの目の色変えた奮闘ぶり、これほど観客の心を燃えさせたものはなかった。階級変更後苦労に苦労を重ねながらこの大会の優勝でついに五輪出場資格に手が届いたベカ・グビニアシビリ(ジョージア)と、ランキング35位から人生初めてのツアー決勝にまで勝ち上がり「この試合に勝てば五輪」という大勝負の賭場を得たミクロス・シルジェニクス(ハンガリー)による100kg級の決勝などはまさしくこの年この時期、4年に1度しか見られない贅沢なドラマ。国内の五輪代表争いの最終予選としてこのシリーズを戦う強豪たちのハイプレッシャー下における肚の据わった奮戦、あるいは重圧に押しつぶされての敗退という様相も合わせて、やはりこの5月シリーズには常のツアーにはないみどころが満載である。

というわけで、第2戦グランプリ・アルマティ(13日〜15日)の見どころもこの延長線上にある。状況さらに煮詰まった中、五輪出場資格ボーダーラインにある選手、あるいは五輪代表権獲得のチャンスをこの大会に掛ける強豪たちの戦いぶりが今大会最大のみどころだ。 最終戦のワールドマスターズ・グアダラハラ(27日〜28日)がトップ16人のみ参加を許される「ボーナスゲーム」である以上、中堅以下の選手にとってはこれがまさしく最後のチャンスということになる。

この観点から男子でもっとも気になるのは60kg級。注目選手はツェンドチル・ツォグトバータル(モンゴル)、ワリーデ・キア(フランス)、ヴィンセント・リマール(フランス)の3人である。

ツォグトバータルは昨年世界ジュニアで2位になったばかりの20歳の若手、ツアーではさしたる活躍はなく序列的にはモンゴルの4番手だ。しかし総当たりで行われた2度のモンゴル国内予選でいずれも優勝し、世界王者のガンバット・ボルドバータルや同2位のダシュダヴァー・アマーツブシンを差し置いて五輪代表に内定したとの驚きの情報が飛び込んで来た。実力主義のモンゴルらしい話だが、しかしツォグトバータルのワールドランキングは現在24位(オリンピックランキングで23位)。直接出場枠の「22」にまだ届いておらず、最悪出場枠の未獲得による選手交代という事態すら想起される。大陸枠の獲得はまず安泰とは思われるが、周囲を納得させるためにもここは明確な結果を残すことが必須。この差し迫った事情に加えて、今大会にはツォグトバータルに抜かれた形のダシュダヴァーとガンボルド・ケーレンの先輩2人が同時出場というおまけ付き。なんとしても優勝して力を見せたい大会だ。

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