男子シングル

優勝候補の1人が、ディフェンディングチャンピオンでもあるスペインのハビエル・フェルナンデスだ。1月の欧州選手権では、SP(ショートプログラム)『マラゲーニャ』で2本の4回転ジャンプ(4トゥループ+3トゥループ、4サルコウ)を着氷。FS(フリースケーティング)映画『野郎どもと女たち』では、3本の4回転ジャンプ(4トゥループ、4サルコウ+3トゥループ、4サルコウ)に加え、2本目の3アクセルを後半の構成に組み込んだ。ジャンプだけではなく、豊富なトランジション(技のつなぎ)も見どころの1つで、プログラムのすべての要素を高い質でおこなう。同じカナダ・トロントで練習を積む、羽生結弦との対決が楽しみだ。

カナダのパトリック・チャンは、この世界選手権を“ターニングポイント”だと位置づける。この大会の出来によって、引退するのか、2年後のピョンチャンオリンピックまで現役を続けるのかを決断する。2月の四大陸選手権で披露したFS『ショパンメドレー』のような演技ができれば、まだ戦っていけるはずだ。

カザフスタンのデニス・テンは、腰と股関節の怪我を抱えながら、今シーズンのISUグランプリシリーズに出場した。四大陸選手権は、膝の怪我で直前に欠場。順風満帆とは言えない状況だ。世界選手権には、新たなFS『ロミオとジュリエット(チャイコフスキー)』で挑む。シーズンの後半に調子を上げるスケーターであるため、この大会でもそうなることを願う。

世界のスケートファンが注目する、“新クワドキング”中国のボーヤン・ジンも楽しみだ(クワドquad:4回転quadrupleジャンプ)。今シーズンは、史上初の4ルッツからのコンビネーションジャンプに成功。史上初めてFSで3種類の4回転ジャンプに成功。史上初めてFSで4本の4回転ジャンプに成功。史上初めて1試合で計6本の4回転ジャンプに成功……など、フィギュアスケートの歴史を現在進行形で作っている。中国男子初の世界選手権のメダルに期待が集まる。

同じ中国のハン・ヤンは、世界選手権に備え、アメリカのフランク・キャロルの下で練習を積んできた。昨年10月のグランプリシリーズ・スケートアメリカでは、縦が26m(国際規格で認められる最も短い幅)しかない狭いリンクでの演技に苦労していた印象を受けた。この大会でも、同じ縦26mのリンクで競技がおこなわれる。アメリカでの練習の成果が発揮されそうだ。

新全米チャンピオンのアダム・リッポンが、地元開催の世界選手権に臨む。練習中の4サルコウや4トゥループには挑まず、4ルッツをクリーンに着氷することを目標にしている。1月の全米選手権では、素晴らしい演技が続く中、3位からの逆転優勝を収めた。そのメンタル面の強さは、大きな武器になるだろう。

ロシアのマキシム・コフトゥンは、欧州選手権で銅メダルを手にしたものの、FSでは、1本も4回転ジャンプを成功することができなかった。表彰式で見せた表情は暗く、満足のいく結果ではなかったことを物語っていた。今シーズンは、FSでジャンプが崩れ、順位を落とすことが多い。コミカルなFS『ベートーヴェンメドレー』を笑顔のまま終えてほしい。

豪快なジャンプが持ち味のマックス・アーロンは、世界選手権で4回転ジャンプの数を増やすことは考えていない。ジャンプに集中しすぎず、演技を見せることを目標としているからだ。魅せることに重きを置くアーロンの姿勢は、今シーズンの演技からヒシヒシと伝わってくる。今シーズンは、グランプリシリーズ・スケートアメリカ、全米選手権で素晴らしい演技をし、地元の大会との相性のよさを見せている。いいイメージでこの大会に臨むことができるに違いない。

イスラエルのアレクセイ・ビチェンコは、出場選手中最年長の28歳でありながら、上達し続けている。欧州選手権では、イスラエル選手として初めてのメダルを獲得。動作の1つ1つに感情のこもった演技が印象的だった。過去の世界選手権の最高成績は、2014年大会の15位となっている。今のビチェンコの力を以ってすれば、入賞も狙うことができる。ベテランの力を見せ付けてほしい。

カナダのナム・ニューエンは、リアム・フィルスの代表辞退により、出場が決まった。フィルスは辞退に際し「カナダ男子の世界選手権の出場枠3枠獲得に向け、ベストな条件で臨むため」と発言している。ニューエンにとってはプレッシャーだが、過去2年の世界選手権では好演技をしており、縁起のいい大会だ。1年の間に6cm身長が伸び、ジャンプに苦労が見えるが、思い切りのいい演技を期待したい。

4回転ジャンプの数を増やす潮流がある一方で、戦略的に本数を抑える選手もいる。今年の栄冠を手にするのは、どのような戦略をとった選手になるのだろう。日本の羽生結弦と宇野昌磨の強力なライバルたちから目が離せない。

世界フィギュアスケート選手権男子シングル競技は、4月14日(木)午後2:00〜出場全選手の演技と会見・インタビューがJ SPORTS 4で放送される。

お知らせ

『 ISU世界フィギュアスケート選手権2016』 4月〜全種目・全滑走放送放送!!
アメリカ・ボストンで開催されるフィギュアスケート世界一決定戦!
世界各国から集いし“美のスペシャリストたち”果たして表彰台の真ん中に立つのは誰なのか?
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