本郷理華(19)
チェック項目:ビッグジャンプ、3ルッツ、氷上のシルク・ドゥ・ソレイユ&リバーダンス

澤田:本郷選手のジャンプには高さがあるので、女子の中では、「回転が足りている・(失敗して)足りていない」と明らかに分かるジャンプだと思うんです。女子は男子に比べるとやはり脚力がないので、ジャンプが低くなってしまうんです。ジャンプが低いと、成功しても回転がギリギリになり「回転が足りているのかな」と思われるのですが、本郷選手は高く上がって空中で回り切って降りているので、「ハイ!回りました!」というジャンプです(笑)高さに加えて幅もあります。

PP:8つあるジャンプ加点要件の1つ【高さと幅】ですね。

澤田:本郷選手は回転ピッチも速いんですけど、「大きい」ジャンプです。体の大きさもジャンプの大きさに繋がっているのかなとも思います。手足が長くて、ちょっとした動きでも大きく見えますので。

PP:力と華で魅せる本郷選手なんですけれども、今季は力の部分で、その大きいジャンプにミスも出ています。3ルッツのエッジエラーが影響してか、その他のジャンプにも失敗が見られます。

澤田:ミスは1個で止めておきたいんですけれども、1個ミスをしてしまうと「次でリカバリーしなきゃ」とプレッシャーをかけて余計に力が入ってしまう、ということはよくあるパターンかなと思います。

PP:小塚崇彦さんが、14年の全日本のショートで回転不足を取られてフリーで力を出し切れなかった女子選手達を想って、「本番で急に回転不足を取られて、力んでしまったんだろう」と言われていました。同じような力みがルッツやフリップのエッジエラーにもあるのでしょうか。

澤田:やはりちょっとでも不安になると失敗に繋がります。また、そこだけに集中して失敗してしまうと、以降のジャンプで追い込まれてしまいます。もちろん、エラーの判定になれば減点になるので直したいんですけど……ただ、もう、私からすると……違反かどうかは判定に委ねて、自信を持って「私は矯正してきた(断定)」と信じ込んでやってほしいです。

PP:しかもルッツは、ジャンプで1種類だけ「(踏切の際)体が回りたい方向に回転出来ない」難しいジャンプだから……。

澤田:もしミスをしても「失敗を取り返そう」と気負わずに、「苦手だからしょうがない」と割り切って、気持ちを新たに次のジャンプに向かってほしいなと思います。

PP:Pigeon Postウェブサイトへのアクセスの「検索ワード」を見ると、普通はスケーターの名前だけが挙がっているのですが、今季の本郷選手については「本郷理華 キダム」「本郷理華 リバーダンス」と、プログラム名が続いているんです。検索から記事を御覧になるのは、フィギュアスケートファンの方というよりは一般の方なので、テレビを御覧のお茶の間の皆さんにささったプログラムなんだと思います!ショートの『キダム』のシルク・ドゥ・ソレイユもフリーのリバーダンスも、日本でも人気があるステージパフォーマンス集団ですし。

澤田:ショートの『キダム』(鈴木明子さん振付)は彼女のスタイルに合っていて、(シルク・ドゥ・ソレイユ風の)メイクも衣装の一部として魅せていますね。彼女自身個性的なキャラクターなので、妖しい雰囲気もうまく魅せています。フリーの『リバーダンス』(宮本KENJI先生振付)は、元のリバーダンスが「上半身を動かさない」んですよ、ということは……ステップでレベルが取りにくいんですよね(笑)(「全体の1/3以上で上半身を動かす」というレベル要件がある)

PP:ねー(笑)、リバーダンスはステップダンスですから。でもそのステップでレベル4が取れていますよ!

澤田:「リバーダンスを表現したい」、でも「曲を表現する」と割り切ってステップは踏んでいるんじゃないかなと思います。去年リバーダンスの日本公演があったので、そこでリバーダンスを御覧になった方は「フィギュアスケートでリバーダンスがどう表現されているんだろう?」と興味深く見られたと思います。

PP:本郷選手も公演を観に行かれたそうです。プログラムには、リバーダンスがそのまま表現されている「ソレ・ソレーーーッ」というパートもあって、しかも「この曲をこう使ってほしい」っていうリバーダンスファン垂涎の編曲になっています(笑)

澤田:リバーダンスファンの方は多いですし(笑)リバーダンスの本質や特性を出しながら、フィギュアスケートのプログラムとしてうまく作られていますね。

世界フィギュアスケート選手権女子シングル競技は、4月15日(金)午後2:00〜J SPORTS 4で放送されます。出場全選手の演技、会見とインタビューもお楽しみ下さい。

解説:澤田亜紀(関西大学アイススケート部コーチ)
インタビュー/テキスト/構成:Pigeon Post ピジョンポスト 島津愛子

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Pigeon Post ピジョンポスト
フィギュアスケーターの"声" "今"を届ける記者チーム(Pigeon Post HP)。
日本チームを中心に、世界のフィギュアスケートを特集する日本語英語のバイリンガルサイトで、インタビュー・リポートを掲載。Twitterをポータルとして、新しい記事の紹介やニュース、イベントのリポートまで、ワンストップで伝える。FacebookもTwitterと連携させている。

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