浅田真央(25)
3アクセルッ!GO MAO!

PP:演技構成点で最上位ランクの浅田真央選手の3アクセルは、横一線の女子シングルトップ争いの中から抜け出せる技です。シーズン直前の昨年9月のインタビューでは「バンクーバー五輪の構成(3アクセル計3回)をもう一度やれるのではないか」と笑顔で話されていました。そのぐらい3アクセルの調子が良いとのことだったのですが……。女子の3アクセルは、男子にとっての四回転よりも難しいと思うんです。

澤田:そうですね……。

PP:3アクセルの練習で時間も割くでしょうし、女子と男子で同じ基礎点8.5点じゃなくて、「もっと点をーーーー(泣)」と思うんですけど……。

澤田:不安が一瞬でもよぎると3アクセルは成功しないと思うので。やっぱり、迷うとジャンプは失敗するんですよ。迷っている時間でタイミングが狂ったりします。今まで試合で3アクセルをやってきた経験が、自信にもなるし不安にもなるんです。

PP:「あの時だめだった……」みたいなマイナスの思い出がよみがえるんですね。

澤田:「このカーブで入った時だめだった気がする」とか。一番得点が高いジャンプだからこそ、すごい神経を使ってやっているので、記憶にも残っているんです。それから、例えばループジャンプであれば、彼女は小学生の頃から決めているジャンプだと思います。だから「失敗しない」という自信があるはずなんです。「これだけ数こなしているから大丈夫」と。でも3アクセルは彼女にとって一番新しい技なので、他のジャンプよりも多少の不安はあると思いますね。

PP:その不安がよぎるコンマ何秒の意識が筋肉にも伝わってしまう……。

澤田:「バンクーバーで3回決まった」という自信だけを持って挑んでほしいです。出来るはずなので。若い力に下から追い上げられているように見えるんですけど、浅田選手もジュニアの頃はそちらの立場でしたし、3アクセルという武器を持っているので、後ろを見ず自分を信じてやってほしいなと願っています。自信があれば完璧な演技になるんじゃないかなと思っています!

PP:ソチ五輪フリーのような集中力ですね。9月のインタビューでは短時間の取材となり、個人的にフィギュアスケートの取材が4年目ということもあって「今日はオリンピックのつもりで来ました!」と伝えたら、浅田選手も「オリンピックなんですね!分かりました!」と応えて下さったんです。急ピッチで取材を進めていたところ、後ろで花瓶が床に落ちて、「大事故が起きた」と私は思わず振り返ってしまったのですが、浅田選手は「今オリンピックでしょ」という感じで集中を切らさず話し続けて下さってたんですよ!

澤田:(笑)彼女は追い詰められると強いタイプなんですけど、自分であまりプレッシャーをかけ過ぎないように……。

PP:……追い詰められずに集中力が出ればいいですね。

澤田:(笑)もちろん。「夢中」になれたらいいですけれど。でも、彼女は試合本番に入るまでのルーティーンを持っていると思うんです。公式練習が終わって、ホテルに帰って……結構試合前に寝る選手が多いんですけど、起きてヘアメイクをして、会場入りして、というルーティーンをやっていくうちにスイッチが入るのではないかなと思います。長い間シーズンを送ってきて得られた経験を信じてやってほしいです。

PP:浅田選手の10シーズンの活躍は、私達の人生に浅田真央選手がいる10年間、とも言えて、だから期待が大き過ぎるというか……。共に女子シングルで戦ってこられた亜紀先生は、今大会に臨む浅田選手をどのようなお気持ちで応援されていますか?

澤田:浅田選手は小さい頃からトップでやってきたので周りに年上の選手が多くて、今はその仲間達が辞めてしまった。全日本選手権(昨年12月)ではそういう孤独感もあったと思うんです。世界選手権では、気負わずリラックスして臨めるように願っています。一緒に戦ってきた同世代の仲間も、現地には行けなくてもテレビの向こうで応援しているので。自分に満足の出来る演技をして『笑顔』が見られるように応援しています。

PP:御本人が「応援が力になる」とすごく思われているんです。バンクーバー五輪では自分のミスが悔しくて涙が出ていたけれど、表彰式の時に会場で振られている国旗を見て「こんなに多くの方が応援して下さっていたんだ!」「ありがとう」という感動的な気持ちになった、と言われていました。応援を力に変えられる選手だと思います。

澤田:全日本では、「GO MAO!」と白字で書かれたピンクの紙を会場の皆さんが振られていましたね。ボストンは日本から遠くて足を運ぶのも難しいですけれど、でも全日本で皆さんの応援を受け取れたと思います。

PP:ファンの方には、浅田選手の矜持、この言葉をお伝えしたいです。“選手に復帰したからには、スポーツとしての結果も求められると思います。それを覚悟で私は競技に戻って来たんです。”

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