葛西紀明

笑顔さわやかなノリさん

葛西選手は、それこそ落ち着きにあふれ、長きにわたるシーズンの疲れはあるのだろうが、そこに満面の笑みを浮かべて意気揚々、じつに楽しそうに語ってくれた。
次のシーズンも、さながらレジェンド・カサイのためのシーズンのごとく。
それはまるで不死鳥フェニックスどこまでも、という感覚なのかもしれない。

日本チームは、世界選手権や五輪を前にしたポストシーズンながらW杯においてコンスタントにトップ30位入りを繰り返し、代表6枠をしっかりと確保した。
そこでは若手の小林陵侑(土屋ホーム)がW杯に初出場したザコパネW杯で7位に入るという衝撃的なデビューを飾り、最終戦シリーズのプラニツァ団体戦では219mを記録した。その将来性あふれるジャンプは、欧州各国指導者の注目をひいていた。

小林陵侑選手の弟&父

W杯会場で熱心にジャンプを支えるノイズ応援旗と小林陵侑選手の弟&父

現在のジャパンは、世界にその名がとどろくレジェンド葛西紀明を軸に、竹内択(北野建設)、伊東大貴(雪印メグミルク)、作山憲斗(北野建設)、栃本翔平(雪印メグミルク)、伊藤謙司郎(雪印メグミルク)、そこに国内では小林潤志郎(雪印メグミルク)、清水礼留飛(雪印メグミルク)、馬淵源(秋田ゼロックス)など、また次代を担う高校生では伊藤将充(下川商高→土屋ホーム内定)、佐藤慧一(下川商高→雪印メグミルク)らが控える。

この春から夏にかけては、横川朝治チーフコーチ(北野建設)と宮平秀治コーチと各企業チームのコーチングスタッフが好ましい連携をみせて、その強化育成をていねいに施しながら、欧州列強勢のオーストリア、ドイツ、ノルウェーなどと、つねに覇権を競り合う、盤石の代表チームづくりといきたい。

●2015/2016W杯個人総合順位

1.ペーター・プレフツ(スロベニア) 2303
2.セベリン・フロイント(ドイツ) 1490
3.ケネス・ガングネス(ノルウェー) 1348
4.ミハエル・ハインバック(オーストリア) 1301
5.ヨハン・アンドレ・フォルファン(ノルウェー) 1240
6.シュテファン・クラフト(オーストリア) 1006
7.ダニエル・アンドレ・タンデ(ノルウェー) 985
8.葛西紀明(土屋ホーム) 909
9.リハルド・フライタグ(ドイツ) 680
10.アンデルス・ファンネメル(ノルウェー) 670
16.伊東大貴(雪印メグミルク) 478
18.竹内 択(北野建設) 498
42.小林陵侑(土屋ホーム) 55
47.作山憲斗(北野建設) 43
55.栃本翔平(雪印メグミルク) 22
59.伊藤謙司郎(雪印メグミルク) 16
61.小林潤志郎(雪印メグミルク) 13
67.中村直幹(東海大) 6

海外勢では、若手が急成長しているノルウェーは、ガングネスとフォルファン、ファンネメルなど新鋭2〜3人などと、さらに選手層に厚みが見られそうだ。
ドイツは強者フロイントとフライタクにヴェリンガーとヴァンクらが続く状況に変わりがなく、オーストリアはクラフトとハインバックの2TOPにフェットナー、注目のシュリレンツアウナーは個人的なアルペンスキーで膝を故障してしまい復帰が長引きそうな状況。
新型ジャンプ技術で成功をみたスロベニアは王者プレフツに長距離飛行のクラニエツなど、そこにプレフツ弟のドメンにテペシュが加わる。 これらに相対して、レジェンドから新鋭までと硬軟取り交ぜた好選手が打ち揃う日本が、どこまで食い込んでいくのだろうか。
またヘッドコーチにシュテファン・ホルンガッヒャーが新就任するポーランドは、ストッフとジラやコットの復活がありえそう。
そして伝統国のフィンランドにも、名将コヨンコスキが呼び寄せたオーストリア人コーチが就任するとの話も出てきた。ときに大幅な体制の変化が求められると。
各強豪国のターゲットは2017ラハティ世界選手権、その開催国、地元フィンランドは大いなる立て直しが急務となる。

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岩瀬 孝文
ノルディックスキージャンプの取材撮影は28年以上、冬季五輪は連続5回、世界選手権は連続12回の現地入り取材。スキー月刊誌編集長を経て、2007札幌世界選手権では組織委員会でメディアフォトコーディネーターを務めた。 シーズンに数度J SPORTS FIS W杯スキージャンプに解説者として登場。『冬はスキー夏は野球』という雪国のアスリートモードにあり、甲子園の高校野球や大学野球をつぶさに現場取材にあたっている。

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