ショートダンス(SD)
【パーシャルステップシークエンス(PSt)】
カップルの個性とホールド技術の見せ所 PDとのリズムの変化の表現も重要

ソチ五輪後の昨季2014-15シーズンから導入された、「ホールド」をしたまま(男女で組んだまま)自由に構成して滑るステップシークエンスです。PStはどんな時でもホールドしていなければならず、片方がツイズルをする時もどこかでパートナーに触れていなければいけません。もしホールドが外れてしまったら、取れたレベルから1段階引き下げられてしまいます。
さらに、今季と昨季のパーシャルステップシークエンスはまったくの別物。大きな違いを一覧でまとめます。

 14-15シーズン 今シーズン
リズム PDと同じ(パソドブレ) ワルツ以外の規定のリズム1つ
(フォックストロット、マーチ、ポルカのいずれか)
シークエンスの開始位置 PDが終わったところから 10秒以内停止(「ストップ」)する振付の後から開始
※プログラムの中で許される停止はここだけで、PStはプログラムの開始に構成できない。
シークエンスの軌道 開始と終了の位置をPDの開始と終了と揃えてリンクを1周 停止の位置から始めてリンクを1周
ステップ中の停止 5秒以内の停止は可 不可
レベル判定 PDと同じ方式(キーポイントでの判定) 「スタイルB(後ほど説明)」で判定

最も大きな違いは、昨季のPStがキーポイントでの正確な施行でレベルを評価していたのに対し、今季は「スタイルB」ーディフィカルトターン・ホールドのヴァリエーション・ホールドチェンジの数で評価するということ。つまり、各カップルがより独創的なステップを構成できるようになり、PStの目的に近づいています。

フリーダンス(FD)
【ステップシークエンス:スタイルA・スタイルB】
勝負の分かれ目となる大得点源のステップは技術だけでなく独創性も評価のポイントに

ステップシークエンスは、スタイルAとBの2種類があります。簡単に違いを説明すると、スタイルAは厳しく規定され、どれだけ難しいことを入れているかでレベルが変わるシークエンス。それに対してスタイルBはレベル要件がやや緩く、逆行や「セパレーション(ホールドを外した状態)」が許された、より独創的な構成が可能なシークエンスです。

 スタイルAスタイルB
位置 先に行われたもの 後に行われたもの
逆行 不可 音楽2小節以内の逆行が1回のみ可※
セパレーション 不可 両手間隔まで、かつ5秒以内1回のみ許される※
レベル4の要件 ・躓き(「スタンブル」)や転倒など、中断がない
・9回のディフィカルトターン(内、2回転ツイズル1回は必須で、1種類のターンにつき2回までしかカウントされない)
・両方向のターン
・4種類のターンを連続して片足で行う
・ディフィカルトターンは明確でエッジが正確、すべてのターンがクリーン
・ホールドステップの場合、ホールドチェンジを3回し3種類の「ダンスホールド」を含む
・躓き(「スタンブル」)や転倒など、中断がない
・5種類のディフィカルトターン(2回転ツイズルが必須)
・両方向のターン
・ディフィカルトターンは明確でエッジが正確、すべてのターンがクリーン
・3回のホールドチェンジ
・3種類の「ダンスホールド」

※PStは不可
アイスダンスのレベル要件に関わる「ディフィカルトターン」のセットは、シングルやペアのセットと異なり、ブラケット・ロッカー・カウンター・ツイズル・チョクトー・アウトサイドモホークの6種類。シングルとペアのセットは、5種類までは同じで、アウトサイドモホークではなくループが入った6種類となる。

レベルの肝となるホールドチェンジは、3種類の「ダンスホールド(ワルツホールド、フォックストロットホールド、キリアンホールド)」の間の移行のみがカウント対象です。他のホールド……例えば手を繋いだり、腕を組んだりといったコンタクトの浅いホールドも入れてもいいのですが、うまいカップルほど無駄なホールドのない構成でシークエンスを行います。2人の距離が近い中で、くるくると見事に組み替えていくのです。

【その他2015-16のルールのポイント】
ツイズルの要件がわかりやすくなりリフトは出方の難しさもポイントに!

今季のルール改定のポイントとしては、「セットオブツイズル(異なるツイズルを2つ続けて行う)」のレベル要件が整理されたことがあります。レベル2以上の要件は、両方のツイズルで入りのエッジ・回転方向をそれぞれ変えること、両方のツイズルで回転数を満たすこと(レベル2で2回転・レベル3で3回転・レベル4で4回転)、「アディショナルフィーチャー(追加要件)」を満たすこと、という3項目です。追加要件は3種類に分けられており、グループAは上半身(上体や腕)で行うもの、グループBは下半身(スケーティングレッグやフリーレッグ)で行うもの、グループCは図形、つまりツイズルの描くトレースに関するものです。
昨季からこのアディショナルフィーチャーのためにツイズルが複雑になりすぎていたので、今季はアディショナルフィーチャーの項目が減ってシンプルになりました。主にグループCで、ツイズルの間に2人が交差して左右が入れ変わるもの、1人が半回転遅れて回ることで顔と顔/背中と背中が向かい合うもの(鏡合わせに同調して回る「ミラー」は今季も要件のまま)がアディショナルフィーチャーからは外れています。

リフトは入り方の他に出方の難しさも評価されるようになりました。リフトから宙返りのように縦回転して降りたり、降りた直後から複雑なステップやムーブメントを始めたり、といった出方の工夫がたくさん見られるようになっています。

コレオグラフィックエレメンツには、リフトとスピンに加えて新たにツイズル(「コレオグラフィック・セット・オブ・ツイズリング・ムーブメンツ」)ができました。2つのパートを含み、1つ目は男女両方が2回転以上のツイズル動作を行い、2つ目のパートは片方のパートナーが2回転以上の回転動作(スピンでも可)を行っていればもう一方のパートナーのムーブメントは自由です。コレオグラフィックエレメンツはシングルやペアのコレオシークエンス同様にレベルはなく(それぞれ採点表にはChLi1、ChSp1、ChTw1と表記)、基礎点0.60にGOEで評価がされていきます。昨季はリフトとスピンの間に基礎点差がありましたが、今季はすべて同じ。ただ、ツイズルを選択する組が少ないところを見ると、まだ導入されたばかりでリスクを避けているのではと思います。

最後に都築先生からフィギュアスケートファンの皆様へ

「2人で世界を創る」、それがアイスダンスです。また、他のカテゴリー同様アイスダンスも、現在では以前より高度な技やさらなる芸術性が要求されています。アイスダンス独特の世界と、スポーツと芸術の真ん中にあるアイスダンスの競技性を、ファンの方に楽しんで頂けたらと願っています。

インタビュー/テキスト/構成:Pigeon Post ピジョンポスト

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Pigeon Post ピジョンポスト
フィギュアスケーターの"声" "今"を届ける記者チーム(Pigeon Post HP)。
日本チームを中心に、世界のフィギュアスケートを特集する日本語英語のバイリンガルサイトで、インタビュー・リポートを掲載。Twitterをポータルとして、新しい記事の紹介やニュース、イベントのリポートまで、ワンストップで伝える。FacebookもTwitterと連携させている。

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