ディビジョン1の強豪であるゴンザガ大への進学を目指すことを決めた八村塁と比べると、レベルは違うかもしれない。しかし、前橋育英の司令塔、酒井達也は八村同様、卒業後にアメリカへ留学を決めた選手である。

進学予定の大学は、NCAAディビジョン2に属するネブラスカ大カーニー校。TOEFLやSATといったテストをクリアする必要があるといえ、前橋育英での高い評定平均値がプラスに働き、アスリート向けのスカラシップとは別の形で、授業料免除の入学が11月中旬に約束されたという。

「僕と変わらない身長の選手が出ていて、なおかつ大きな選手もいる。猪狩(渉:能代工出身でスラムダンク奨学金によって留学中)君もそうですし、富樫(勇樹:現千葉ジェッツ)選手も小さい選手なりにできることを見つけているので、自分もそういうところを見つけて、スキルなどできるところを増やしていきたい」と語るが、バスケットボールチームのロスターに入るには、トライアウトで結果を出さなければならない。

酒井は元々、勧誘してきた日本の大学に進学するつもりでいたが、入学した場合に在籍する学部が希望する分野とまったく違い、興味を持てないものだった。レベルが高く、より厳しい環境でバスケットボールをしたいという気持ちと、選手を引退したときの将来を見据えた結果、アメリカに渡ることを決意し、ネブラスカ大カーニー校に進学できるチャンスを得たのである。

「日本の大学と違って規模も大きいし、学べるものも多い。プロになりたい気持はありますけど、いずれ引退というのがあり、その先のことも考えると、経験したことを教えたりできるというのは、自分にとって大切なことだし、教えられる子にとってもいいものを与えられると思うのです。(アメリカに)行くこともそうですし、学べることに魅力を感じていました」

こう語る酒井にとってこの1年は、正に激動そのものだった。昨年は群馬県予選を勝ち抜きながらも、過去の部内の問題が理由で、日本バスケットボール協会からの処分でウィンターカップに出場できず、夏のインターハイ予選で市立太田にまさかの敗戦を喫していた。県総体で大勝していた相手にチームに負けたことは、「関東で3位になったのはよかったのですが、ちょっと天狗になっていた部分がありました。負けを実感して、ウィンターカップに向けてもそうですし、自分の進路に対しても、“今、何をやるべきか?”ということが明確になりました」と、酒井の意識に大きな変化をもたらした。そして、アメリカに行きたいのであれば、このままではダメという危機感も生まれたことによって、予選を勝ち抜く過程で大きなプラスになったという。

高岡第一と対戦したウィンターカップ初戦、酒井は16点を奪い、前橋育英の勝利に大きく貢献。八村のいる王者明成との対戦については、「120%の力を出せばチャンスはある。同じ高校生相手だし…」と話しており、留学前最後のビッグチャレンジとしてとことん楽しむつもりでいる。

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青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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