第59回全日本大学野球選手権 決勝
東洋大 010 002 200=5
東海大 000 000 000=0

この年の選手権は、「戦国東都」といわれる激戦のリーグを制して、全日本大学選手権に4年連続出場した東洋大の強さが際立つ大会となった。

最上級生になった乾真大(日本ハム)と春季リーグ戦で6勝を記録した3年生の藤岡貴裕(ロッテ)の二本柱を中心として、他にもここまでリーグ通算6勝を挙げている内山拓也らのいる大学球界随一と言っても過言ではない投手陣を、主将の鹿沼圭佑がまとめ上げていた。

初戦となった2回戦の函館大戦では、鹿沼が先発したが結果的には4人の投手をつないでいくというやや苦しい戦いだったものの3―2と地力で競り勝つ。準々決勝では鈴木大地(ロッテ)の3ランなどで創価大を5―2と退けた。 そして、準決勝では塩見貴洋(楽天)を擁して快進撃を続けてきていた八戸大に対して、同点のまま迎えた6回2死二塁という場面でリリーフした鹿沼が初戦の不調を覆す力投を見せてこらえた。そして、その裏に木村篤史のタイムリーで勝ち越し、結果的には5―1と快勝して、順当に勝ち上がっての決勝進出だった。

これに対して、反対ゾーンから勝ち上がってきたのは、13年連続出場となっている首都連盟の盟主、東海大だ。前年は、初戦で系列の東海大海洋学部に初戦で敗退したということもあって、この大会は1回戦からの登場となっている。前年の屈辱を跳ね返したい東海大は、エース菅野智之(読売)と走攻守そろった伊志嶺翔大(ロッテ)を軸に、投打のバランスがよく、1回戦は白鷗大に8―1、2回戦は大阪体育大に11―0、準々決勝は関西の雄同志社大に7―0といずれもコールド勝ちしての準決勝に進出である。準々決勝では7回参考記録ながら、菅野がノーヒットノーランも達成している。

準決勝では、春季リーグ戦で優勝をかけた早慶戦を制して11季ぶりのリーグ優勝を果たして13年ぶりの出場の慶應義塾大が相手だった。江藤省三監督率いる慶大は、投手陣は2年生の福谷浩司(中日)と竹内大助にルーキー白村明弘(日本ハム)ら下級生が軸となっている。また、打線は伊藤隼太(阪神)が四番に座り、リーグ戦では12打点を挙げるなど、投打の形がしっかりと決まったチームだった。その慶大から菅野は17三振を奪って、打線も13安打を放って5―0と快勝した。

こうして、勝ち上がるべくして勝ち上がった両雄の対決となった決勝戦だったが、これは2年前と同じ顔合わせである。その時は、点の取り合いとなって東洋大が勝ったが、この試合は藤岡と菅野という両3年生エースの対決となって、投手戦が期待された。しかし、結果は、大会後半を一人で投げ切ってきた菅野が力尽き、5―0と藤岡が完封して投げ勝った。

東洋大は2年ぶり3度目の日本一となったが、連盟としては、これで東都連盟校が23回目となり、東京六大学連盟の22回を上回った。

なお、大会の首位打者は6割を記録した東海大の伊志嶺翔大(ロッテ)が獲得。最高殊勲選手は文句なしに藤岡が選ばれた。この大会の決勝で対決し活躍した藤岡と伊志嶺が、やがてプロでチームメイトとなるのも何かの縁であろうか。

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手束 仁
愛知県出身。81年に國學院大學卒業後、映画会社、編集プロダクションなどを経てスポーツ作家および、ビジネス実用書等の編集制作者として独立。2012年より、メディアミックスを目指した情報発信会社として株式会社ジャスト・プランニングを設立。主な著書にはスポーツ関連で『プロ野球「もしも」読本』(イースト・プレス)、『「野球」県民性』『流れの正体〜もっと野球が好きになる』、『日本体育大学の底力』、『プロ野球 名言・珍言108選』(日刊スポーツ出版社)などがある。「高校生新聞」の特派記者や「ベースボールドットコム」の取材レポートなども務める。教育史として、『かつて、日本に旧制高等学校があった』(蜜書房)もある。

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