◆稲垣啓太(パナソニック)→レベルズ(オーストラリア)

山田が日本人WTB初ならば、稲垣は日本人PRとして初のスーパーラグビー挑戦となる。稲垣が所属することになったレベルズは、参加15チームの中では一番新しく、2011年に創設された。昨年は堀江とマレ・サウ(ヤマハ発動機)がプレーしたが、残念ながら最下位の15位に終わっている。

稲垣は中学3年という、やや中途半端な時期からラグビーを始める。それまでは野球をやっていて、大きな体格(183cm/115kg)から想像される通りキャッチャーだった。3兄弟の末っ子で、2番目の兄が新潟の強豪・新潟工業高でラグビーを始めた影響で家でパス練習をするようになり、楕円球の虜に。すぐに新潟ラグビースクールに通いはじめ、兄と同じ新潟工業高に進学した。

2009年に日本で開催されたU20世代の世界一を決める「ジュニアワールドチャンピオンシップ」で、U20日本代表に最年少の19歳(関東学院大1年)で選出されるなど、早くから将来を嘱望された逸材。関東学院大4年時には主将も務めた。卒業後はパナソニックに加入。新人ながらトップリーグと日本選手権の全18試合に出場(17試合先発)し、パナソニックの「2冠」に貢献。トップリーグでは「新人賞(ヤマハ発動機/No.8堀江恭佑と同時受賞)」と「ベスト15」に選出された。

パナソニックでは3番(右PR)にも挑戦したこともあるが、すぐ1番(左PR)に戻り、課題だったスクラムにも積極的に取り組んできた。昨春は日本代表にも名を連ね、11月のルーマニア代表戦で初キャップ。トップリーグではパナソニック2連覇に大きく貢献し、2シーズン連続で「ベスト15」に選出されている。

トップリーグ開幕前に「賞にはあまりこだわらない。ベスト15のトロフィーを飾ったりすると、その栄光に浸って成長が止まってしまうような気がするので飾ってもいない。自分の伸びしろにもっと期待したい」と語っていた稲垣。レベルズからの誘いもあり、さらにレベルの高い場所に身を置く決心をした。

運動量の多さやタックルの強さは稲垣の持ち味。「自分自身で、どういうプレーヤーになりたいかのビジョンが徐々に見えてきた」と言い、「スクラムがメインですが、タックルもパスもできる、スキルを持った選手になる」と総合力に長けた選手を目指す。

本場で「あの日本人選手すごいな、と言われたい」とも言っていたが、参戦は日本選手権が終了次第となる予定。トップリーグ・プレーオフトーナメント「LIXIL CUP 2015」をご覧になった方はわかるだろうが、フィールドプレーは今でもスーパーラグビーで十分通用するはずだ。堀江がそうだったように、タイトなプレーやスクラムワークを磨き、世界的選手への階段を上ってほしい。

写真:(C)斉藤健仁

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斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365 」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「突破!リッチー・マコウ自伝」(東邦出版)など著書多数。≫Twitterアカウント

お知らせ

◆スーパーラグビー2015 〜南半球3カ国スーパークラブリーグ〜 第1節
2月13日 (金) 午後3:30 クルセイダーズ vs. レベルズ(稲垣啓太所属)J SPORTS 1
2月14日 (土) 午後3:30 ブルーズ vs. チーフス(リーチ マイケル所属)J SPORTS 1
2月15日 (日) 午後2:00 ワラタス(松島幸太朗所属)vs. フォース(山田章仁所属J SPORTS 3
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