PP:次は技術的な質問です。ショートダンスでのパーシャルステップの導入についてのお2人のご意見をお聞かせください。

ケイトリン:パーシャルステップシークエンスは好きですね。同じパターンを2度やらなくて済むので。特にパソドブレは(昨季の)フィンステップよりも速いステップですから。アイスダンスに求められる技術的な難度……コンパルソリーの要素を保ちながら、より自由度がアップしたと思います。私はコンパルソリーが好きだったので、ルール変更により廃止された時はすごく残念でした。だから今でもコンパルソリーの要素をプログラムに残す内容には賛成です。

アンドリュー:ユニークなアイデアだと思います。以前のルールにも今のルールにもそれぞれいいところがあるので一概には言えませんが……。個人的にパーシャルステップの導入はプラスだったと思いますね。より観客が見てて楽しめる内容になったんじゃないかな。

PP:フリーダンスのルール変更(コレオスピンの導入)については。

アンドリュー:リフトが1つ減ったのは残念です。観客はリフトを見るのが好きですから。振り付けに費やせる時間が増えた反面、リフトが減った分、音楽へのアクセントというか……見せ場が減ったのは寂しいですね。

ケイトリン:私もリフトが減ったのは残念ですね。年々リフトが減ってるのは悲しいです。振り付けの時間が増えるのは嬉しいですが、リフトの時間はそもそも6秒しかありません。でもルールは毎年変わるので、来季はリフトが2つ追加されるかもしれませんね!(笑)

PP:おっしゃるとおりフィギュアスケートはルール改正の多いスポーツです。毎年のようにルールが変わりますが、そのことについてはどうお考えですか。

アンドリュー:もう慣れましたね。もちろん最初は、シーズンの頭にルールの詳細を頭にたたき込まなくてはいけないことにストレスを感じることもありました。シーズンの始めと終わりではルールの解釈が変わることもあります。ですから大勢の人のチェックを受けながら、ルールを把握することは重要です。今は芸術性を追求するだけではダメで、頭脳戦も要求されます。

ケイトリン:ルール変更がスケートの技術面を押し上げてるのは事実です。実際、今季のルール変更に伴い、ステップのエントランスやリフトのポジションの重複(禁止)などに慣れるのに苦労しました。手探りの状態でしたね。いつも同じことをするというわけにいかないので、成長が生まれるんです。その一方で新しいルールが発表される6〜7月頃まで待たなくてはいけないため、事前に計画を立てるのが難しいという問題もあります。もっと早く各エレメンツの詳細やプログラムの全体像をつかめたらいいなとは思いますが、ルールの変更がこの競技を進化させ続けてるのだと思います。

PP:今季のショートダンスの課題(パソドブレ・スパニッシュダンス)のために何か準備を行いましたか?

ケイトリン:社交ダンサーのイリヤ・イフレイモフの指導を受けました。彼のおかげでプログラムに必要な心構えを身に付けることができたんです。彼は振り付けの細部だけでなく、内面から変化させることの重要性を教えてくれました。それが私たちのパソドブレを、他の25組とはまったく違ったものにしてくれるんです。

PP:ショートダンスの時は別人になりきってるということですね。

ケイトリン:100%別人ですね!あの赤いドレスを身にまとった瞬間、私とは違う人間に変身します。それがアイスダンスの魅力だと思います。毎回違う人格、人物を演じるんです。女優みたいなものですね。プログラムを演じるには肉体的な強さももちろん求められますが、精神的な強さや深みも同じくらい重要です。

PP:あの赤いドレスは本当に素敵ですね。どなたが衣装のデザインを担当しているのですか。

ケイトリン:昨シーズンからオンタリオ在住の衣装デザイナー、デボラ・ハンソンにお願いしています。普段は主に映画や演劇用の衣装を作ってる方なので、スケート衣装専門のデザイナーとは違った視点を持ってるんです。私からのリクエストは「他の誰とも違う、炎のような赤いドレス」でした。炎のような色を表現するために、ドレスの上の方はチェリー・レッド、下の方がオレンジのグラデーションに染められてます。あの色を出すために何度も染め直す必要があったそうですが、その甲斐があって他の赤いドレスとは全く違う個性が出てるんじゃないかな。こういったディテールは私一人では絶対に思いつかないので、デボラの引き出しの多さに感謝してます。

PP:今季はフリーダンスの衣装でもファンを楽しませてくれましたが、衣装を何度も変更した理由は?

ケイトリン:「これだ!」と思える完璧な衣装を見つけるのに、時間がかかったというだけです。「これがいいね」と思ってたのが「何かが足りない」になり、「今度こそバッチリ」と思ったら「やっぱり違う」と言った感じで(笑)試合で実際に着てみるまで、何がパーフェクトかを予想するのは難しいんです。シェイ=リーン・ボーンにプログラムのトータルアドバイザーをお願いしたので、彼女が色々と提案してくれました。

PP:今回の衣装が最終案ということでしょうか。

ケイトリン:そのお約束はできません(笑)お気づきの方もいると思いますが、各衣装はそれぞれ異なった季節を表してるんです。

PP:プログラムが『四季』ですからね。

ケイトリン:そのとおり。なので世界選手権では、また別の季節を披露するかもしれません。

PP:昨日はチームメイトのミッチェル・イスラム選手がお2人のフリーをモニターで見ながら「僕はいつも2人の演技を間近で見てるから、普通の人が気づかないミスも気づくよ!」と言っていましたが……。

アンドリュー:本当のことです(笑)

PP:しかしイスラム選手は「ケイトリンとアンドリュー自身が、一番厳しい批評家だ」とも言っていましたが、これは本当でしょうか。

アンドリュー:それも本当です。僕たちは常により良い演技を目指してます。他の人の目には「いい演技」に見えたとしても、自分たちが納得できる演技でなければ満足はできません。

ケイトリン:「こういう演技がしたい」という理想像があるのですが、まだそこには到達できてません。ですから昨日の演技1つをとっても、もっと改善できる点を75個くらい挙げられますよ(笑)自分たちが「これだ!」と思える演技ができるまでは、常に未完成の作品だと思ってます。

お知らせ

◆ J SPORTSフィギュア公式Twitter
最新コラムや番組ウラ情報を配信!»@jsports_figure


◆ カナダフィギュアスケート選手権 2015
熾烈な戦いとなる男子シングルは必見!さらに有力選手がひしめき合う女子シングル、ペア、アイスダンスにも注目!
»再放送予定一覧を見る

»特集ページを見る

スカパー!×J SPORTS J SPORTS オンラインショップ