東大阪市の近鉄花園ラグビー場で開催中の第94回全国高校大会の決勝戦は、奈良の御所実業と東福岡の初顔合わせとなった。御所実業は2大会ぶり3度目の決勝進出で悲願の初優勝に挑戦。そして、東福岡は3大会ぶり8度目の決勝進出で、5度目の優勝を狙う。

両者にはいくつもの因縁がある。今の3年生が中学3年生だったころ、全国ジュニアラグビー大会の決勝を戦ったのが、福岡県選抜と奈良県選抜だった。東福岡には、この時のメンバーが吉川聖人キャプテンはじめ11名含まれている。その決勝戦で最後の最後に独走して逆転トライを決めたのが、奈良県選抜のWTB竹山晃暉だった。つまり、福岡県選抜は竹山にしてやられたのだ。東福岡の3年生は花園ラグビー場では日本一になっていない。頂点への想い、そして打倒・竹山への想いは強い。

東福岡は、春の全国選抜大会、夏の全国7人制大会を制した。御所実業は選抜大会には出場していないが、夏の7人制大会は決勝戦で東福岡と死闘を繰り広げている。御所実業も花園で2度の準優勝があり、頂点への執念を燃やしている。どちらが、より勝ちたい気持ちをプレーに込めることができるか。興味深い対戦である。

東福岡のキーマンは、SO松尾将太郎、CTB永冨晨太郎。この二人のロングパスを軸に攻撃を組み立てる。WTB岩佐賢人、高野蓮に決定力があるのも強みだ。もちろん、FWが接点で力強く前に出ることが彼らの攻撃力を支えている。準決勝では、尾道がロングパスに対応して、外側にうまくスライドして強烈なタックルを決め続けた。東福岡のFWがあまり前に出ないままパスをつなげば、決勝でも同じことが起こるだろう。接点の攻防が大きな見どころになる。

御所実業はSH吉川浩貴キャプテンの判断力が光る。視野を広く持ち、FWをうまくコントロールしながらパスを出し、機を見て自ら抜いて出る。そして、絶対的なフィニッシャーの竹山晃暉の存在感。僅差勝負にもつれ込めば、御所実業にも勝機が出てくるだろう。東福岡の藤田雄一郎監督は言った。「彼らの試合を見られるのも、あと60分という思いです」。現在のチームでのラストマッチ。力を出しきってほしい。それは竹田寛行監督も同じ思いだろう。

因縁の対決は、1月7日、14:00キックオフである。

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村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

お知らせ

◆高校ラグビー 決勝 放送予定
1月7日(水)午後1:45〜 御所実業(奈良) vs. 東福岡(福岡) J SPORTS 1
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