「ガンバのヤット(遠藤保仁)なんかは、パッとボールを置いて、2〜3歩下がってるうちにどこが空いてるか見てる。立体的にピッチを見渡しながら的確な判断ができるんだ。そういう選手は滅多にいない」と、かつて2008年北京五輪にオーバーエージ枠で遠藤を招集しようとした松本山雅の反町康治監督は、日本代表歴代最多出場記録を誇る名手のことをこう評したことがある。

史上初の埼玉スタジアムでの開催となった11月8日の2014年Jリーグヤマザキナビスコカップ決勝・サンフレッチェ広島対G大阪戦でも、傑出した司令塔の戦術眼が試合の流れを大きく変えることになった。この日のG大阪はダイヤモンド型の中盤で試合に挑んだ。中盤の底のアンカーの位置に明神智和、右に阿部浩之、左に今野泰幸、トップ下に遠藤という形だ。今季2度の広島戦でこの布陣で戦ってうまく機能したことから、長谷川健太監督はこの勝負布陣を今季初タイトルのかかる大一番で使ってきた。

しかし広島の方も何度もそのG大阪と戦っていれば対処法も解ってくる。この日は頭からハイプレスをかけてボールを奪いに行き、相手のボール回しのミスを誘った。広島のアグレッシブな守りにG大阪の中盤は距離感が空いてしまい、連動したパス回しができない。阿部・明神・今野が3ボランチ気味になり過ぎて後ろが重くなったり、遠藤が下がり過ぎて攻撃の起点を作れないなど、前半30分過ぎまでは明らかにリズムが悪かった。

佐藤寿人にPKとこぼれ球からのシュートで2点をリードされた前半35分過ぎ、遠藤は流れを変えるため、ボールを受ける位置取りに微妙な変化をつけ始めた。それが前半38分のパトリックの1点に繋がる。この瞬間、広島を統率していた青山敏弘は「ヤットさん、何でそんな位置にいるんだ」と驚きを隠せなかったようだ。

「最初はセンターバックとボランチの間でもらえれば一番いいかなと思って入りましたけど、10分くらい経ってなかなか入ってこないなとは思っていたので、ゲーム中に考えながらやっていました。できれば真ん中の厳しいところでボールをもらいながら前を向いたり周りを使えたら、よりベターだったと思いますけど、そのプレーがなかったですし、厳しいところにあまりボールが入ってこなかったので、状況を見て30分以降からはずっと外に流れながらボールを受けようと思っていた。その時にちょうどいいボールが来ましたし、パト(パトリック)もよく決めてくれたので、あそこで起点になれたのがよかったと思います」と遠藤はポジショニングに変化をつけた意図をこう語ったが、こうしたプレーを一瞬のひらめきでやってしまうのが彼なのだ。

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