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振付師の宮本賢二さん(KENJI)が、日本を代表するトップスケーターを毎月1名、ゲストに迎えてお送りする30分のトーク番組「KENJIの部屋」。今月のゲストは、鈴木明子さんです。第3回では、思い出の大会や曲などについて語っていただきました!
ソチ五輪
鈴木:全日本の時から足の状態が良くなくて、痛い思い出しか残ってないですね。団体戦と個人戦の間はオリンピック村から抜けていましたけど、その間も痛くて泣きながら滑っていました。個人戦で戻ってきたら、靴を履くのも精一杯、練習して上がってきたら痛くて更衣室で号泣しているような状態でした。でもその痛い中で、最初は「なんでこんなオリンピックの時に。せっかくここまでやってきたのに」って思っていたけど、だんだん「別にジャンプだけじゃないじゃん。最後のオリンピックでどんなスケートがしたいか」って考えて「自分らしいスケートで最後まで人に見せられる演技がしたい」という原点に戻れたんです。
たかが1つ失敗しようが、ジャンプの回転が抜けようが、他の所で自分の持ち味を出せばいいっていう所に戻れたんですよね。状態が良くないからこそできることをしようと思った。あと、その前に男子を見ていて、高橋くんも足の状態があまり良くなかったじゃないですか。それでもあの演技にすごく心を打たれたんです。自分が今できる最大限の演技をしようとしているのが見えて、すごく勇気をもらえた。それで吹っ切れて滑れたのがソチオリンピックです。でも、とにかく痛かった(笑)。
――痛いのは仕方ないものね
鈴木:先生も、期間中は私の気持ちが落ち込まないように厳しかったんです。「なんで痛いのにわかってくれないんだろう」と思っていたんですけど、終わってからは「本当によくがんばったと思うよ」って言われました。「先生もなんとかしてあげたいけど、ここで弱くなったらダメだと思ってずっと言っててくれたんだ」と思ったら、すごく考えてくれていたんだなと思って。
――それだけ選手のことを思って理解してくれているから、今こうしていられるんだよね
鈴木:すごくありがたいと思います。
――明子ちゃんの周りには、いろんな素敵な人がいるからさ。困った時にはみんなが助けてくれるよ
鈴木:それが私の自慢です。
思い出の大会
鈴木:悔しいのってずっと残りますよね。初めて出た、今で言う全日本ノービスみたいな試合が小学校5年生の時だったんです。それまでそんなに全国の子たちを見ることってなくて、もっと自分ではできると思っていたんですね。でも、緊張しすぎて最初のポーズの足が逆だったんですよ。それで一歩出ようとしたら、ああっ!てなるじゃないですか。
――出そうと思っている右足がそこにないからね
鈴木:パニックのまま終わり、21位だったんです。すごく悔しかったし、多分親も期待していたと思うんですよ。で、その試合を境にお父さんが来なくなったんです。
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