サウサンプトンの吉田麻也にまたひとり、強力なライバルが出現した。欧州の移籍市場が閉まった1日、アトレチコ・マドリード(スペイン)からベルギー代表のセンターバック、トビー・アルデルワイレルトを今季末までのローン移籍で獲得したからだ。いわゆる駆け込み移籍である。

吉田はこのアルデルワイレルトの獲得を日本代表の合宿地、札幌で知ったという。「軽く噂では聞いていたんです。移籍市場が締まる数時間前に英国のニュースサイトを見て、(サウサンプトンが獲得濃厚と報じていたから)、どうなんだろうなぁと思ったんです。(初日の)練習が終わってから、もう一度(ニュースサイトを)見たら、決まっていた。頑張ろうって…(苦笑)」

これを受け、この2年、吉田がポジション争いをしてきた、オランダ人のヨス・ホーイフェルトはノーリッジへローン移籍。吉田は生き残ったわけだが、よりポジション争いは厳しさを増した。これで今季サウサンプトンのセンターバックは4人。サウサンプトンで主将ジョゼ・フォンテを筆頭に、現在2番手の吉田。今夏獲得したルーマニア代表のローリン・ガルドシュ、そしてアルデルワイレルトと続く。

このまま順調に吉田が、レギュラーを守れるはずがない。ガルドシュは194センチあって空中戦に強い。アルデルワイレルトはワールドカップ・ブラジル大会では4戦に先発し、今夏アーセナルなど強豪クラブが獲得を目指した逸材だ。だが昨季、デヤン・ロブレンに簡単にポジションを明け渡してしまったようなこともない、と思っている。

というのは今季の吉田は、何か昨季までとは違う感じがするからだ。何というのだろうか。どこかワイルドな雰囲気を醸し出している。日本代表合宿入りに合わせて剃ったが、ずっと伸ばしていたヒゲのせいだけじゃない。今季からユニホームのネームが「MAYA」から「YOSHIDA」に変更されたからでもない。でもたとえばウォームアップのとき、先頭に立って、声を出し、チームを引っ張る姿も見受けられる。昨季まで、こんな姿はあまり見たことがない。

試合中のプレーからは、その野性味や力強さは、まだはっきりとは見えて来ないが、これまで以上に落ち着いていて、成熟感のようなものが漂う。全身全霊を傾けて挑んだワールドカップで、結果が出なかったため、何か期するところがあったのだろう。

次の山場は、9日の日本代表‐ベネズエラ戦のあと、中3日で行われるニューカッスル戦だ。これまでも日本代表戦後に、ポジションを失ったことがある。時差ボケ、長距離移動、過密日程を乗り越え、ニューカッスル戦で先発しなければならない。

「やっぱり睡眠が肝心です。最初に時差ボケしてしまうと、結構、引きずってしまう。時差ボケ対策は最初の3日間が大切なんです。細心の注意を払って気をつけます。あとはリカバリータイツを履いて、移動の機内ではしっかり寝て、上手く過ごそうと思ってます」と吉田はいう。タイツ姿で機内で“爆睡”する吉田からは、まったく野生味は感じられないが、世界をまたにかけて戦う男は、実はそういう細かなことにも気を配っているのである。

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原田 公樹
1966(昭和41)年8月27日横須賀生まれ、呉育ち。国学院大学文学部中退。週刊誌記者を経てフリーのスポーツライターとして独立し、99年に英国へ移住。ウェンブリースタジアムを望む、北ロンドンの12階のアパートメントに住んでいる。東京中日スポーツやサッカーマガジンに寄稿し、ロンドン・ジャパニーズの不動の左サイドバックでもある。 »Twitterアカウント »メールを送る

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