〔写真〕“蝶のように舞う=バタフライ・ダンス”と比喩される大家のナックルボールの握り
撮影:スポーツカルチャー研究所

昨年の12月16日。田中将大のメジャー移籍表明が大々的に報じられたのと同じ日に、メジャー通算51勝のベテラン、大家友和がトロントブルージェイズとマイナー契約を交わた。

2007年に在籍したことのある古巣ブルージェイズとの再契約だったが、「当時のGMやアシスタントGMは誰も残っていませんよ。もっとも、僕もナックルボーラーに生まれ変わったので、お互いさまですけどね(笑)」と大家はコメントをくれた。

「でもまだ、どうなるかわかりませんから。これからですよ」。自らの不確かな立場を案じるかのように、冗談のあとできっぱりと語ってくれた大家の言葉は、とても印象的だった。

案の定、スプリングトレーニングでは十分なチャンスを貰えず、3月3日にマイナーキャンプに降格となると、同22日にはブルージェイズを解雇された。高校卒業から20年。節目のシーズンを迎えている大家はこれまで日本、アメリカ、メキシコと、様々な球団でプレーしてきた。所属したチーム数だけでも、他のどのアスリートよりも圧倒的に多いのだが、裏を返せば、昇格、降格、そして解雇…と、酸いも甘いも人一倍経験してきたのが、大家の強みとも言える。

ブルージェイズを解雇された後もトレーニングを続けてきた大家は、1ヶ月後の4月23日に米国・独立リーグのブリッジポート・ブルーフィッシュと契約を交わした。メジャー、マイナー(米国)、1軍、2軍(日本)に加え、富山サンダーバーズ(独立リーグ)に続いて、アメリカ独立リーグのチームとも契約を交わした大家。野球と向き合う大家の真摯な姿勢は、そのキャリアを見るだけで十分に伝わってくる。

ナックルボーラーに生まれ変わった大家の“魔球”の球速は78キロから88キロ。そこにはダルビッシュが投じる150キロ超の剛速球と100キロ台のスローカーブに見る、圧倒的な迫力はない。しかし大家には、時折投じる130キロのカットボール、ツーシームと、80キロの魔球と織り成す“落差50キロ”のコンビネーションがある。

今週の6日、新たな背番号「16」をつけた大家は、ヨーク・レボルーション戦で9回を3安打5奪三振で見事な完封勝利を挙げた。野球選手としての大家のキャリアは着実に終着駅へ向かっているが、彼の旅路はまだもう少しだけ続きそうだ。

★大家友和が所属するブリッジポート・ブルーフィッシュのHPはこちら(英語)

photo

スポカルラボ
MLBをはじめ海外スポーツに精通した英日翻訳ライター3人による メディアコンテンツ制作ユニット。スポーツが持つ多用な魅力を独自 の切り口で表現し、人生の選択肢はたったの一つや二つではない、 多様なライフスタイルを促進することをミッションに掲げて活動中。 Facebook→スポカルラボ

お知らせ

◆田中将大のレギュラーシーズン先発試合を全試合生中継!
開幕からポストシーズン、ワールドシリーズまで中継!
田中将大、ダルビッシュ有、黒田博樹、岩隈久志など日本人投手先発試合を徹底放送します。
≫特集ページを見る
≫詳しい放送予定を見る

スカパー!×J SPORTS J SPORTS オンラインショップ