レッドソックスの連覇は?マー君は何勝できる?ダルビッシュのサイヤング賞獲得は?
元メジャーリーガーのマック鈴木が、マイナーからたたき上げの自らの経験を交えて、2014年のMLBの現在を語る。

攻守の揃うタイガース。混戦のヤンキースは苦戦も?

アメリカンリーグ 東地区

今シーズン、アメリカンリーグ東地区を見ていくと、まず本命に挙げられるのが、昨年ワールドシリーズを制したレッドソックスです。今年も上原、田澤のコンビが昨年同様に活躍すれば、同じくらいの成績は十分上げられると思います。キーになっていくとすれば、オルティーズがケガなく四番として機能することでしょう。対抗馬は、ヤンキースと言いたいところですが、レイズの方が有利かもしれません。レイズは若いチームで、一丸となって戦いますし、投打のバランスもとれています。ヤンキースは、選手層は厚いのですが、強かった時期のような雰囲気が感じられず、戦っている選手たちもヤンキースに対しての怖さを感じていないのではないでしょうか?

特に課題となるのはケガです。リベラが抜けた後も不安ですし、ジーターもどこまでやれるのかわかりません。ベテラン選手も多く、入れ替えも激しいですから。そういう中であっても、黒田投手は安定した成績を残せると思います。今年から加入した田中投手も力は十分あります。野茂さんの時代から日本から来たピッチャーを見ていますが、初登板のときでも落ち着いていて、日本で成功してメジャーに来たピッチャーとは、田中投手はまた違う雰囲気を持っています。あとはメジャーリーグに慣れていくことでしょう。試合は162試合ありますし、移動距離も長い。ピッチングに関しては、球数を少なく、ファーストピッチストライクを口うるさく言われます。

また、打者が三順目ぐらいで100球ぐらいになると、失点をするというデータがあります。田中投手はこれまで1試合で140球ぐらい投げたこともあると思いますが、メジャーでは7回8回で100球、増えても10球ぐらいで交代するシステムです。三振に狙いに行くよりは、打者を打たせてとらなければいけない。三振が増えると球数は増えるわけですから。黒田投手や岩隈投手のように打たせてアウトを取れるようになると、本人もチームにとっても楽ですから。打たせる投球ができるかが、キーになると思いますね。ただ、リベラが抜けた分の不安があります。ヤンキースのセットアッパー、クローザーの出来によって、5勝から7勝ぐらい損をするか、得をするかどちらもありそうです。いずれにしろ東地区は、ブルージェイス、オリオールズも決して侮れない存在ですから、かなり混戦になりそうです。

アメリカンリーグ 中地区

中地区は、タイガースの力がずば抜けていますね。投手は、バーランダー、シャーザーの2人だけで40勝ぐらいは計算できますから。打線もカブレラがいて、キンズラーも加わりました。キンズラーは5番タイプではないのですが、フィルダーが抜けても、打線の迫力はリーグでもトップクラスでしょう。中地区では、僕がいたロイヤルズもおもしろい存在だと思います。投手力も揃ってきているし、青木選手も今年活躍できるのではないでしょうか。カンザスシティは、四季があって、適度に湿気もあり、野球をやるにはとてもいい環境です。東西に移動するのも楽ですから、そういう点でも、青木選手はやりやすいはずです。

アメリカンリーグ 西地区

西地区は、終盤に抜け出してくるアスレチックスがやはりリーグをリードしていく存在です。昨年活躍したコロンが移籍しましたが、投打を含め、常にバランスのいいチームを作ってきます。レンジャースは、投手はダルビッシュ、ホランド、ハリソン、ペレスと2ケタを期待される選手がいます。

今シーズン、ダルビッシュは、サイヤング候補に挙げられる存在だと思いますが、ローテーション1番手となり、常に相手の1、2番手のエースクラスとの対戦になりますから、タイガースだったら、バーランダーかシャーザーとぶつかるわけです。1-0であったり、2-1というような接戦も多くなります。バーランダーやシャーザーのような投手は、例え初回に3点や5点取られても、7回、8回まで投げてきますから、その間にタイガース打線が逆転ということもあります。ダルビッシュはワンサイドのゲームでもしっかり抑えて勝ちを取ることが重要ですが、意外とそういうときに限って自分の調子が狂う場合もありますから。フィルダーの加入したレンジャース打線の援護も勝ち星を増やす上で、重要になってきます。

岩隈投手も、黒田投手同様、ストライクゾーンの上で勝負できるクレバーな投手です。チーム力次第ですが、岩隈投手自身は今年もかなり勝ち星を稼げると思います。

ドジャース、ナショナルズの投手力に注目!

ナショナルリーグ 東地区

ナショナルリーグの東地区、優勝候補に挙げられるのは、まずナショナルズです。選手も若いですし、州も力入れていますから、本気でワールドシリーズを狙っていますよ。その中でもストラスバーグのピッチングは楽しみです。ブレーブスは去年もいいところまでいきましたが、逆によくあそこまで行ったという感じもします。クローザーのキンブレルはいますが、一年間どこまでケガをせずに活躍できるかがカギでしょう。メッツはちょっと優勝をするには、現時点での戦力は足りない気がします。

ナショナルリーグ 中地区

中地区は、昨年ワールドシリーズまで進んだカージナルスが本命です。もう1チーム、レッズも本気でワールドシリーズを狙ってくるチームです。逆に、パイレーツのようなチームは、昨年たまたまいいところまで行きましたが、今年も同じというわけにはいかないと思います。マイナーのシステムが良くないと言われていますし、お金を出していない球団は、正直5割でもいいんじゃないというチーム作りをする場合もあります。そこへ行くと、カージナルス、レッズ当たりは優勝を狙っていかなければいけないチームですから。カブスはデーゲームが多い分、不利なところはありますね。

注目は、キャッチャーのヤディアー・モリーナでです。カージナルスでのヤディアーの存在は大きい。打つ方も守る方もずっと調子がいいですから。モリーナ兄弟3人ともしぶといですし、切り替えも早い。例え打つ方が調子悪くても、リードの方が安定している。キャッチャーによっては、打撃が悪いと気分が乗ってこなくてリードもあまりよくなくなるタイプがいるんですが、ピッチャーとしては投げにくいんです。モリーナはそういうタイプではないと思います。

キャッチャーは、自分の打てない球を投手に要求するタイプがいて、中南米の選手は変化球を多投させる場合が多い。逆にアメリカ人の場合はスカウティングリポートを大事にします。プエルトリコ出身のモリーナ兄弟は英語もしゃべれますし、ピッチャーに合わせてくれるリードができるタイプ。そういうタイプのキャッチャーは、ピッチャーとしは投げやすいんです。だからダルビッシュも、ピアジンスキーよりはソトの方が合うと思うんですね。

ナショナルリーグ 西地区

最後に西地区。ここも力のあるチームが揃っていますから、その中でもドジャースが総合力で勝っていますね。特に先発陣。カーショウ、柳賢振、グリンキー、ハーレン、ベケットと、勝ち星を計算できる選手が5人揃っています。その中でもやはりカーショウでしょうね。昨シーズンあれだけやれた選手ですから、今年もかなりやれると思います。ダイヤモンドバックスも侮れない存在ですし、ジャイアンツはいつも通りリリーフがしっかり機能すればドジャースの対抗馬になっていくと思います。

マック鈴木 PROFILE
1975年生まれ 日本の高校中退後、1992年に渡米。球団職員兼練習生として1Aでスタート。1996年にメジャー昇格。日本人としては3人目の快挙だった。その後、シアトル・マリナーズを経て、1999年NYメッツからカンザスシティ・ロイヤルズに移籍。ロッキーズ、ブリュワーズを経て、20002年には日本のオリックスへ移籍。その後、メジャーに戻り、メキシコリーグ、台湾リーグ、インディペンデントリーグなどを経験。現役引退後は、関西独立リーグ監督も務めた。現在は、J SPORTSの解説者も務める。また、他の日本人メジャーリーガーとはまったく違う経歴を書き綴った自伝「漂流者」(三交社)1600円 も大好評発売中。

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J SPORTS 編集部

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