記者会見にのぞんだ新加入の大野忍(右)と近賀ゆかり。普段はアーセン・ベンゲル監督が記者会見を行う同じ場所で行われた

イングランド女子スーパーリーグ(WSL)のアーセナル・レディースへ移籍した、なでしこジャパン(日本女子代表)のFW大野忍(30)とDF近賀ゆかり(29)が27日、移籍会見を行った。ASエルフェン埼玉(旧狭山)から移籍した大野は「(昨年序盤プレーした)リヨンでは悔しい思いをした。アーセナルのために力になりたい」と意気込んだ。一方、近賀は「日本人がいるとチームが助かるな、という印象をつけたい」と抱負を語った。

大野と近賀はともに1年プラス1年のオプションがつくプロ契約。背番号はまだ決まっていない。2人にとっての当面の目標は、公式戦デビューになる、3月24日の欧州女子チャンピオンズリーグ準々決勝の敵地でのバーミンガム戦に向け、レギュラーの座を確保することだ。

18日にロンドンに到着してから、まだ1週間強だが、すでに大野は練習ゲーム2試合にトップ下のMFとして出場した。近賀は1試合。それも得意とする右サイドバックではなく、センターバックとしてプレーしたのだ。

人生で初めてセンターバックでプレーしたという近賀は「自分の想像を超える、ありえないことが起こった。これが海外移籍なのかな。インパクトの強いデビュー戦になりました(笑)」と振り返った。その様子を大野は「ファンタスティックでした。監督がそう連発していましたから」と笑いながらも称えた。またシェリー・ケール監督は「近賀は非常に能力が高い。バックラインならどこでもできる」と太鼓判を押す。今後も近賀がセンターバックとしてプレーする機会はありそうだ。

この記者会見は北ロンドンの近郊にあるアーセナル・トレーニングセンターで行われた。ここは普段、アーセナル男子のファーストチームが練習をする場所で、レディースも週に3度はここで練習をする。この会見場も普段、アーセン・ベンゲル監督が試合の前日会見を行う場所だ。この数日前、写真撮影のとき、宮市亮とも初対面した。「3人で頑張りましょうって話しました」(大野)という。

海外でプロ契約の男女の日本人選手が、3人も同じクラブに所属するのは史上初めてだ。かつてアーセナルでは稲本潤一(現川崎フロンターレ)でプレー。レディースでは留学という形のアマチュア契約だが、過去に小川恵、中池桃子、さらに現在ロックシンガーとして活躍中の石田ミホコの3人がプレーした。今回、偶然に宮市、大野、近賀が同じクラブでプレーすることになったわけではなく、こうした歴史が背景にあるからこそ、実現したのである。

今季ファーストチームでの出番が、まだ5戦に留まる宮市にとっては、世界の頂点に立った経験を持つ、大野と近賀の加入は、結構な刺激になるはずだ。たまには一緒に食事をしながら、サッカー談義に花を咲かせ、トレーニングやコンディショニング法を語らい、たまには愚痴のひとつやふたつ、言い合うものいいだろう。3人がどう絡み、前進していくか。いまから楽しみである。

photo

原田 公樹
1966(昭和41)年8月27日横須賀生まれ、呉育ち。国学院大学文学部中退。週刊誌記者を経てフリーのスポーツライターとして独立し、99年に英国へ移住。ウェンブリースタジアムを望む、北ロンドンの12階のアパートメントに住んでいる。東京中日スポーツやサッカーマガジンに寄稿し、ロンドン・ジャパニーズの不動の左サイドバックでもある。 »Twitterアカウント »メールを送る

お知らせ

◆プレミアリーグの激戦が、PC、スマホ、タブレットでいつでもどこでも見られる!
J SPORTS LIVE+ オンデマンドでは、放送と合わせてプレミアリーグ全380試合視聴可能!
J SPORTS Football by LIVESPORT.TVでは、プレミアリーグ全試合視聴可能!
詳細はオンデマンドページでご確認ください。

スカパー!×J SPORTS J SPORTS オンラインショップ