2月1日からプロ野球キャンプが一斉に始まる。中日ドラゴンズのキャンプ地は沖縄県中頭郡北谷町(なかがみぐん ちゃたんちょう)。1996年から北谷がキャンプ地となり今年で18年目だ。キャンプ地となる北谷公園野球場はもともとはハンビー飛行場跡地であり、周辺は1997年から『美浜タウンリゾート・アメリカンビレッジ』として再開発され、2004年に完成。沖縄で最も成功した再開発タウンとして注目されている地域でもある。

沖縄には10球団が春季キャンプに来るが、北谷が立地的には一番のおしゃれスポットでのキャンプ地。那覇市内より沖縄の若者たちが一同に集まるアメリカンビレッジだけに、沖縄県内では中日ドラゴンズのキャンプが必然的に高い注目となるのだ。そんな北谷での1軍春季キャンプメンバー入りは、開幕ベンチ入りに向けての第一関門ともいえる。首脳陣に大きくアピールするためには、まずは1軍キャンプメンバー入りすることが必須である。

今回、注目すべきところでは、プロ2年目の濱田達郎投手と若松駿太投手が1軍キャンプメンバーに抜擢された。濱田投手といえば、愛知私学四強の一角である愛工大名電高校で1年春からベンチ入り。大型左腕として注目され、3年春のセンバツでベスト8。藤浪(阪神)、大谷(日本ハム)と並んで『BIG3』と呼ばれた逸材。ただ、春のセンバツ、夏の甲子園ともに調整不足のため球威がなく、特別目立った成績は挙げられていない。

高校時代、濱田が一番素晴らしい投球をしたのは、高校2年の秋の神宮大会。左から繰り出すクロスファイヤーの唸るような球がビシビシキャッチャーミットに飛び込む。ほれぼれするほどの投球内容がスカウト陣の垂涎の的となる。しかし、高校3年になるとフォームが崩れ、おまけに左肩に不安を抱えていた状態。にもかかわらず中日は潜在能力の高さを買い、ドラフト2位で指名した。

一昔前の中日と違って、平成に入ってからの中日の育生方法は、きちんとプログラムに基づき、段階式にステップアップしデビューさせている。吉見、伊藤準、小熊、大野とアマチュア時代に肩、肘に不安があった逸材を見事に復活させ、投手の再生力は12球団でも一、二を争うほどの定評がある。濱田も去年1年間、フォーム改造等があったものの、肩の不安はすっかり払拭され、肘が下がり気味だったのが、高い位置から肘を押し出すような形で思い切り腕が振れるようになった。

先日の自主トレでも「昨年はフォームがバラけてた。意識しているポイントは1点、小笠原コーチからいつも言われているが、頭がぶれないこと」と語っている。フォームに関しても、「オーバーハンドから、スリークォータ気味に落ち着いたのは自然に。これまではまっすぐの威力を高めたい、高めたい、の意識ばかりで、それが逆効果に働いていた」と成長を実感しているようだ。

昨秋、派遣された台湾ウインターリーグでは新フォームで制球難を克服し、4試合で1勝1敗、防御率1・80と首脳陣を満足させる結果を残した。「ウインターリーグは自信になった。今季は1軍に少しでも長くいたいし、どんな形でもいいから、初勝利を挙げたい」とコメントしている。身体の回転軸をうまく使い、力みのないフォームから繰り出さる伸びのあるストレートとキレの良い変化球のコンビネーションで打者を圧倒するスタイルが戻れば、次代のローテーションピッチャーとして十二分に活躍できるだけの素地はある。

ここ近年入ってくる投手を見てみても左のエース候補が少なかっただけに、濱田投手は間違いなく最右翼。昨年、1年間でしっかり土台作りができただけに、エース育生計画2年目の今年は、1軍のマウンドに立ち、いろいろな打者と対戦して経験値を増やすことである。若干、ふてぶてしさが見える態度は、エースに必要な風格を漂わせる。

かつては大谷、藤浪と並ぶ『BIG3』と言われていたが、2人には大きく差を付けられたが、「焦りとかは全くない。それよりは、同期の高卒左腕の森、大塚(楽天)の方が気になる。1軍で投げて『オレが濱田だ』というところを見せたい」。昨年は遅れを取ったが、巻き返すにはまだまだ十分。今シーズンの濱田からは目が離せない。

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山本 常三郎
沖縄在住の40代半ばのノンフィクションライター。学生の頃、ライトで9番だったためアダナは「ライク」。ライトで8番じゃなかったことが唯一の救いと思っている。父親が生粋のドラゴンズ党だったため、幼き頃から名捕手木俣達彦のマサカリ打法を叩き込まれ、見事にバッティングを狂わす結果となった。

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「野球好きキャンプ祭り 〜広島 中日デイリー情報〜」
キャンプ初日は、2月1日(土)午後2:00〜午後3:00 J SPORTS 2で生中継

2013シーズン大躍進の広島東洋カープ、2014シーズンV奪回を狙う中日ドラゴンズ、両チームデイリーキャンプ情報番組。中日のオープン戦スタートまでのキャンプの模様を北谷、日南からの二元中継で20日間連日生中継でお届けします。
シート打撃やブルペンの模様は勿論、広島のスーパールーキー大瀬良大地投手や選手兼任で注目を集める中日の谷繁元信新監督など注目のインタビューもお届け予定。 落合博満GM新体制となってドラゴンズ地獄のキャンプが復活するのか?カープ新戦力の仕上がり具合は? 両チームのキャンプ情報を余すことなく、徹底的にお伝えします。

★今後の放送予定(2月1〜20日、毎日放送)

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