昨年より新設された関東大学春季大会や春の招待試合、オープン戦が大詰めを迎え、今シーズンの各大学の力関係が徐々に明らかになってきた。もちろん各校ともチーム作りはまだまだ途上の段階であり、代表活動やケガ等で主軸が不在のケースも多く、この成績がそのままチーム力を反映しているわけではない。ただここまでの戦いが、今季の戦力を把握する上でひとつの指標となるのは確かだ。ここでは関東春季大会を中心にそれぞれの春ゲームの戦いぶりから、2013〜2014シーズンの覇権争いを賑わわせそうな関東、関西の有力校の現状と、今季の展望をリポートする。

同志社大学
[関西大学Aリーグ/2012年度関西大学Aリーグ6位]

<春の主な戦績>
5月5日 対 近畿大 ○52−36
5月12日 対 立命館大 ●14−54
5月19日 対 早稲田大 ●13−29
5月26日 対 帝京大 ●26−53
6月2日 対 筑波大 ●31−33
6月16日 対 立教大 ○90−12
6月23日 対 慶應大 ●24−50

<春の戦いぶり>
今春の学生相手の戦績は2勝5敗。その数字だけを見れば厳しいチーム状況が思い浮かぶが、事実は異なる。5敗中4試合は関東の強豪校との対戦で、うち3試合は帝京大、筑波大、早稲田大という昨季の大学選手権で4強を締めたトップチームが相手だった。しかも早稲田大戦は16点差、筑波大戦はわずか2点差で、帝京大には完敗を喫したものの、関東の実力校すら大差で蹴散らす学生王者に、後半20分までは勝ち負けを意識できる戦いを演じている。

過去2年チームを率いた宮本勝文氏から、トップリーグのクボタスピアーズの元監督でこの2季はヘッドコーチとして指導を行ってきた山神孝志氏が監督を引き継いだ今季は、2月中旬に早々と新チームのスタートを切った。戦術面は基本的に宮本監督時代のスタイルを踏襲するが、学生の意識改革や体作り、チーム作りのアプローチに関しては、ヘッドコーチ時代の経験をふまえて改善に着手。「こういう風にしたらきっとよくなる、と手を打ってきたことが、少しずつ実を結んできた。そういう意味で手応えは感じています」と山神監督はいう。

その言葉通り、春シーズンの試合では関東の強豪相手にもひるむことなくチャレンジし、弾き返されながらもしつこく食らいつくシーンが目を引いた。テンポよくボールを動かし続ける中で縦攻撃を織り交ぜ、接点への素早いサポートから立ってつなぐアタックは、どの相手にもチャンスを作り出すことができた。

もちろんまだ道は半ば。善戦しているとはいえ勝ちきれない試合が続いている状況で、復活を宣言するのは早計だろう。それでも、少しずつ殻を破りつつあるのは確かだ。少なくともそう断言できるだけの試合はできるようになってきた。

<戦力分析>
昨季のレギュラーから5人が卒業したが、新戦力の台頭に加え能力の高い1年生が大量に入部し、戦力ダウンは感じさせない。

FWで充実ぶりが目立つのはフロントローだ。ジュニア・ジャパンの海外遠征で高い評価を受け、日本代表の合宿にも練習生として参加したPR北川賢吾を軸に、HO秋山哲平主将、PR才田智の東福岡トリオで組むスクラムは圧巻の推進力を誇る。慶應大戦でも強烈なドライブで圧倒しており、ここは今季のチームの大きな武器となりそうだ。バックローではNO8田淵慎理が持ち前のコンタクト力とスピードを生かし、ペネトレーターとして欠かせぬ存在となっている。

BKでカギを握るのはSH岩村昂太、SO渡邉夏燦の2年生HB陣だ。どちらかといえばキックを有効に使ったゲームメイクを得意とする2人だが、周囲を生かす能力も高い。WTB宮島裕之、CTB林真太郎などアウトサイドに突破力のあるランナーがいるだけに、効果的にボールを配してトライを導くことが求められる。

1年生は間違いなく近年で最高といえるほど多くの逸材が揃った。2年連続高校日本代表のWTB松井千士、LO山田有樹はすでにAチームに定着しており、同じ昨季の花園優勝校である常翔学園から入学したPR海士広大も能力は高い。他にも高校ジャパンのFL末永健雄、U20日本代表のSH大越元気、U17日本代表のNO8秦啓祐、CTB永富健太郎、CTB中尾湧馬など各世代代表経験者がひしめく。彼らの成長次第でさらにチーム力は大きく伸びそうだ。

<今後の展望>
「全体的にあとちょっとのところまでは来ている」と山神監督が語るように、着実にステップを上がってきたのは間違いない。今後はこの手応えを確信に変えるべく、春のいい流れを夏以降も継続できるかが大きなテーマとなる。

戦い方の面では、ボールを動かす力は関東の強豪校にも引けをとらなかった。それだけにボール争奪局面でどこまで体を張って対抗できるかが、勝敗のカギとなるだろう。守備では今季より思い切って前に出て仕掛けるアップディフェンスに取り組んでいる。それを高い精度で実現すべく、今後はフィットネス強化にもさらに注力する予定だ。

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直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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