昨年より新設された関東大学春季大会や春の招待試合、オープン戦が大詰めを迎え、今シーズンの各大学の力関係が徐々に明らかになってきた。もちろん各校ともチーム作りはまだまだ途上の段階であり、代表活動やケガ等で主軸が不在のケースも多く、この成績がそのままチーム力を反映しているわけではない。ただここまでの戦いが、今季の戦力を把握する上でひとつの指標となるのは確かだ。ここでは関東春季大会を中心にそれぞれの春ゲームの戦いぶりから、2013〜2014シーズンの覇権争いを賑わわせそうな関東、関西の有力校の現状と、今季の展望をリポートする。

関西学院大学
[関西大学Aリーグ/2012年度大学選手権セカンドステージグループ4位]

<春の主な戦績>
4月13日 対 摂南大 ○45-12
4月21日 対 関西大 ○29-20
4月28日 対 慶應大 ○29-22
5月5日 対 天理大 ○24-12
5月12日 対 大阪体育大 ○40-26
5月18日 対 青山学院大 △19-19
5月26日 対 近畿大 ●33-35
6月9日 対 京都産業大 ○24-21
6月16日 対 関東学院大 ○43-12
6月23日 対 立命館大 ○26-24

<春の戦いぶり>
‘09年度を最後に過去3シーズン関西王者の座から遠ざかっている関西学院大だが、昨年はアンドリュー・マコーミック氏をヘッドコーチ(HC)に迎え、関西大学リーグで優勝した天理大に15-17と肉薄、リーグ3位に浮上するなど復活の兆しを感じさせた。4年ぶりのリーグ制覇と大学選手権ファイナルステージ進出を期す今季は、新たにOBの野中孝介氏が監督に就任。マコーミックHC、萩井好次アシスタントコーチという新体制のもと、春から東西の実力校と精力的にゲームをこなした。

初戦の摂南大戦はミスも目立つ内容ながら後半に突き放して勝利すると、4月21日の大阪ラグビーカーニバルでは今季よりAリーグ復帰する関西大に29-20で競り勝った。翌週は花園で慶應大と対戦、一進一退の展開が続く中、残り10分を切ったところから2トライをたたみかけ、逆転勝利を収める。天理大と激突した4戦目は、3トライ中2本をモールで挙げるなどFW戦で優位に立ち、常に先行する理想的な試合運びで快勝。関西リーグ3連覇中の王者を下し、自信を深めた。

5月26日の近畿大戦は後半に逆転を許して1ゴール差で苦杯を喫したが、元日本代表の元木由記雄氏がコーチに就任したことで注目を集める京産大との一戦は24-21で勝利。さらに続く立命館大戦では、同志社大に大勝するなどこの春好調が伝えられる相手を粘り強い戦いで破った。ここまではビッグスコアで大勝するゲームはないが、タイトな接戦を数多く経験する中でしぶとく勝利をものにしており、着実にステップを重ねていることがうかがえる。

<戦力分析>
近年は全国の強豪高校から世代代表クラスの逸材が続々と入部するようになり、関西では屈指の選手層を有する。ケガなくベストメンバーで試合経験を重ねることができれば、関東の強豪に対抗できるチームに成長することも十分可能だろう。

フロントローはHO浅井佑輝、PR井之上亮を軸に、堅固なスクラムを誇る。昨年のU20日本代表のPR金寛泰がケガから復帰すれば、さらに安定感は増すはずだ。バックファイブもジュニア・ジャパンの万能FW徳永祥尭を筆頭に、LO/FL竹村俊太、FL丸山充、FL/NO8中村圭佑と能力の高い選手がひしめく。さらにこの春は2年生のLO/NO8石松伸崇が成長したことで、競争が激化。どの組み合わせでそれぞれの持ち味を引き出すか、チームにとってはうれしい悩みだろう。

BKにもWTB畑中啓吾主将やU20代表のSH徳田健太、FB高陽日など、軸となれる選手が揃っている。注目は185cm、90kgの大型ランナーで1年時から公式戦を経験してきた金尚浩だ。昨年まではWTBで出場してきたが、今季はその突破力を最大限生かすべく、アウトサイドCTBでの起用が濃厚。SO鳥飼誠、CTB水野俊輝と人を使えるパサーが内側にいるだけに、コンバートがはまればBKラインの破壊力は飛躍的に高まる。

すでに数人がAチームデビューを果たすなど、ルーキーも楽しみな逸材が多い。なかでもPR野宇倖輔、SH金大地、SO清水晶大らは、秋のレギュラー争いに絡んできそうだ。

<今後の展望>
昨季の大学選手権セカンドステージでは慶應大に17-29、法政大には29-34と食い下がったが、筑波大には0-54と完敗を喫した。「コンタクトのレベルがそれまでの相手とはまったく違った」とマコーミックHC。その経験をふまえ、この春は例年以上にウエートトレーニングに力をいれ、グラウンドでもハードに体を当てる練習を積んできた。

そんな状況でもあえて試合に向けたコンディショニングは行わなかったが、タフな連戦で着実に勝利を重ねられたのは、地力がついてきた証だろう。勤勉にプレーできる選手が揃い、コーチングの浸透度も高いチームだけに、フィジカル強化が進めばチーム力が大幅にアップすることは確実。関西の主役になる資格は十分ある。

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直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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