みなさんこんにちは。ナショナルチームコーチの舛田圭太です。今月2回目の代表だよりはみなさんからの質問に答えるコーナーです。今月も2問の質問にお答えしたいと思います。

まずはこの質問から
「ガットについての質問なのですが。代表選手って2本張りと1本張りでどっちの方が多いですか?」

代表選手のラケットは基本的には2本張りです。
所属チームなどで自分が張る場合は1本張りで張る選手もいるようですが、ナショナルチームのストリングを張りに来てくれる方々はすべて2本張りです。

私の印象では1本張りはあまりおすすめできませんね。
ラケットの片側から引っ張る事でラケットへの負担や破損の恐れ、横糸を先に通す事で摩擦力が発生し適正ポンドで張れない事も多く、ガットへの負担もありガットが切れやすくなるなどデメリットが多いと思います。
よく、1本張りの方が早く張れるからと聞きますが、実際、機械に設置してからは多少早いですが、先にガットを通している時間を考えるとあまり早いとは思いません。
もともと1本張りはガット張り機を共同で使う大学やチームで張ってる時間を短縮するために流行り出した張り方だと思います。
先に時間のある時にガットを通して、機械が空いたら一気張るのにはもってこいの方法ですからね。

しかし、メーカーやバドミントンショップによっては1本張りをしていた場合のラケット破損は保証の対象にしないなど、1本張りを進めていない会社もあります。
ラケットを大切に使うなら2本張りの方がいいと思います。実際、私も1本張りに挑戦した事があります。2本張りでは機械に設置してから張り終わるまで遅くても20分で平均16〜18分程で1本張り上げます。
しかし、1本張りではまずガットに通すのに10分以上、機械に設置して張り上げるまで10分とトータルで考えると1本張りの方が時間がかかるのと、ラケット・ガットへの負担を考えればメリットは全くありませんでした。
参考にしてみてください。

続いての質問は
「舛田コーチが対戦した選手のなかで一番印象に残った人は誰ですか?」

私が対戦した選手ですから、かなり昔の話になってしまいますね・・・
今の活躍する選手ではリィ・チョン・ウェイ選手がまだ予選に出ていた頃に予選から勝ち上がり対戦した頃はまだ粗削りでしたがいい選手になるだろうなと思っていた印象があります。結局、その試合は私が競って負けましたが(笑)私が対戦した中で1番印象に残っているシングルスとダブルスで1人を挙げるとするなら、シングルスではインドネシアのタフィック選手とダブルスでは韓国の金東文選手ですかね。

タフィック選手はみなさんもご存じだと思いますが、私が初めて対戦したのが高校3年生のドイツジュニア大会の決勝でした。その時、タフィック選手はまだ15歳くらいだったと思います。その頃からハイバックやラケットワークがよく、素早い動きで体しっかり入れてからのラケットワークだったので本当にどこに来るのかわからないショットでした。正直、驚かされました。
前週のオランダジュニア大会ではタフィク選手が準決勝でデンマーク選手に敗れ、その選手に私が決勝で勝って優勝しましたが、ドイツではタフィック選手に翻弄されて2位でした。
その年にタフィク選手はインドネシアオープンでベスト8入りして、その後世界のトップで活躍していますから凄い選手ですね。
タフィック選手はラケットワークが華やかに見えますが、そのラケットワークまで行くまでの体のもって行き方が非常にうまいのであのラケットワークが余裕をもってできるんだと思います。

ダブルスの金東文選手はアテネオリンピックの金メダリストで現在はカナダでコーチをしています。
その金選手は華やかなショットはないのですが、とにかく配球やスマッシュやドライブのコースが実に的確で非常にミスが少ない選手でした。
そして、相手の力強いショットを利用して相手にさらに速い返球で返すのがうまく、私も思いっきり打ったスマッシュをそれより速いドライブで返球された事があります。
やばい来たと思ってラケットを準備した時にはすでに遅しで、気づいたらおでこにシャトルが直撃していました(笑)

私は現役時代に直接対戦はしていませんが、見ていて衝撃を受けたのは現在、日本チームヘッドコーチの朴さんでした。
私が初めて見たのが、高校2年生でナショナルチーム入りして初めて遠征したトマス杯アジア予選でした。その頃、朴さんはアトランタオリンピック前の12月に34歳の時にミックスダブルスでカムバックし、予選から参加にも関わらずほとんどのオープン大会で優勝し、5カ月で予選からオリンピックの出場権を獲得してオリンピックでも銀メダルを獲得しました。
その頃のパートナーが11月まで女子シングルスで世界ランク9位までいっていたミックスとは無縁の選手でしたから驚きですよね!
前置きが長すぎましたが、その朴ヘッドコーチが団体戦では男子ダブルスとして先程の金東文選手と組んでマレーシア戦に出場。
のちにオリンピックで4位となったダブルスとの対戦でしたが、朴ヘッドがサービスをした後の3球目を自分のラケットが届く範囲ではすべて取り、相手が仕方なく上げるしかなくなると金選手の強打の後は朴さんの前衛でポイントを次々に奪いました。レシーブも完璧でその試合は15−4、15−4で勝利していました。
5月の本大会では私は見れませんでしたが、オリンピック銅メダルダブルスになんと15−0、15−4で勝利しました。
このゲームは今でもYouTubeでも見れますよ(笑)

来月もご質問お待ちしております。

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舛田 圭太
1979年2月生まれ、石川県出身。インターハイ男子シングルス2連覇。全日本総合シングルス5回・ダブルス5回・ミックスダブルス4回。全種目通算14回の優勝は歴代最多記録。バドミントン日本代表初オリンピック3大会連続出場(シドニー・アテネ・北京)。昨年の日本リーグを最後に現役引退。2009年から日本代表コーチに就任し、現在は男子シングルスをメインで指導にあたる。

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