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mas o menos

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本日、12月30日に開幕を迎える
第97回全国高校サッカー選手権大会の公開組み合わせ抽選会が
東京・汐留の日本テレビタワーにて行われました。
以下、2つの高校に関するコメント集をお届けします。


【東京A代表・国士舘高校】
初戦は12月31日の1回戦。
相手は鳥取県代表の米子北高校です。


(上野晃慈監督)
Q:この抽選会という舞台の印象はいかがですか?


A:初めてなのでまったくわからなかったですけど、やっぱりすごく良い大会というか、本当に高校生の一番メインの大会だなというのは感じます。


Q:先に抽選を終えていて、開幕戦の可能性もある中で駒澤さんの抽選を待っていましたね。


A:初めて全国に出た時も、開幕戦で東福岡と国立でやっているので、駒沢で開幕戦がもしできたら、それはそれで平成最後ということもあって「開幕戦だったらいいな」とはちょっと思いましたけど、本当にウチは苦しんできたことを乗り越えて代表を獲れたので、ここからはみんな思い切ってのびのびと、1試合1試合勝つということが目標ですし、相手がどこでもどんな環境でも変わらないと思います。


Q:対戦相手に決まった米子北の印象はありますか?


A:やっぱり経験とか場数という意味で、向こうはプレミアでウチはTリーグの1部なので、そういうリーグ戦の部分とか、鳥取では敵なしということも含めて、ウチは15年ぶりなので物おじしないようにしたいですし、プレミアの厳しい戦いを経験しているチームが相手なので、そういう部分では本当にチャレンジャーの気持ちで臨みたいと思っています。


Q:実際に全国出場を勝ち獲って、何か変わった部分はありますか?


A:やっぱり周りの反応というか、本当に皆さんに喜んでいただいきました。でも、逆に意外と冷静に1つ1つしっかりやっていかなきゃなという感じはありますし、リーグ戦もまだ残っていて、今日の朝のミーティングも「選手権は良かった。でも、今週の土曜日に帝京、次は久我山。そこに切り替えてやっていこう」という感じで、意外と子供たちもキャプテンの長谷川も含めて、凄く冷静にいろいろなことを捉えているなと。そういう意味では特に僕自身も凄く昂っていることはないかなと思います。今日の監督会議も、普段遠征とか大会で、この2,3年はここに出てくるチームに胸を貸していただける機会もあって、そういう部分で今まではテレビでしか見たことのなかった先生たちが「おお、若いのが来た」ということでいろいろな話をして下さったりとか、星稜の河崎先生や流経の本田先生にもお世話になっていますし、そういう部分で思ったより緊張しなかったかなと思います(笑)


Q:改めて全国大会はどういう大会にしたいですか?


A:やっぱり15年間空いてしまったので、実際自分たちがどのレベルにいるのかということをちゃんと測れる良い機会だと思うんですね。東京だけではなくて、全国という舞台で、自分たちの立ち位置がしっかり見られるような、そういう大会になったらいいかなと。もちろん出るからには一番を獲りたいですけど、あまり欲をかかずに1試合1試合戦って、これが次に繋がる大会にしたいと思っています。


(長谷川翔キャプテン)
Q:このステージに立った感想はどうですか?


A:いやあ、もうメチャメチャ緊張しました(笑)


Q:実際に抽選のクジを引いた時はどうでしたか?


A:どこが来ても良いという感じでした。自分は結構開幕戦をやりたかったんですけど、大勢の観客の前でプレーを見せたかったので、ちょっと残念ですね。


Q:チームメイトからいろいろ言われて来たんじゃないですか?


A:ああ、チームメイトは「絶対開幕戦にするな」と言っていて。それより「入場行進したい」って言ってました。


Q:対戦相手は米子北ですが、印象はありますか?


A:いやあ、あまり身近なチームじゃないのでわからないですけど、研究して1回戦に臨みたいと思います。


Q:実際にこういう所に来ると「全国に出たんだな」と感じますか?


A:そうですね。これだけ大勢の人がいて、テレビがあって、日本代表に選ばれている選手もいて、その実感は凄く湧きました。思ったより全然人が多くて、ずっと心臓がバクバクでした(笑)


Q:ここを経験すると全国への気持ちがより引き締まるんじゃないですか?


A:そうですね。いろいろなキャプテンがいる中で、みんなからの言葉もあって気持ちも高まりましたし、1勝はしたいなと思っています。


Q:ちょっと話すのにも慣れてきたんじゃないですか?(笑)


A:ああ、そうですね(笑) ちょっと決勝のインタビューとか本当にヒドくて(笑)、「一戦一戦」を「1勝1勝」って言っちゃって、本当にヤバかったですけど、ちょっと慣れました。


Q:全国の勝利インタビューで決めてください。


A:はい!そこは緊張なしでやりたいと思います(笑)


Q:改めて全国大会はどういう大会にしたいですか?


A:国士舘高校は3回全国に出ているんですけど、まだ1勝もしていないので、まず1勝して、国士舘の歴史を塗り替えて、仲間と全国の舞台を楽しみたいと思います。


【東京B代表・駒澤大学高校】
初戦は12月30日の開幕戦。
相手は沖縄県代表の那覇西高校です。


(大野祥司監督)
Q:改めてこの舞台に戻ってきた感想はいかがですか?


A:この雰囲気はいいですよね。監督さん方の顔ぶれを見ても雰囲気がありますし、こういう場は楽しいですね。


Q:ここに来ると「全国に来たんだな」という気持ちになりますか?


A:そうですね。インターハイとはまた全然違いますからね。もう100回近いということで、重みを感じますよね。僕、川畑アナウンサーの話で初めて知ったんですけど、今回が平成最後じゃないですか。それを聞いていて「ああ、武南で始まって、指導者として開幕戦を戦えるんだ」という幸せって何なんだろうって(笑)
※大野監督は平成元年度の高校選手権で武南高校のエースとして全国準優勝を経験。


Q:あそこから大野先生の話に繋がるのかと思っていました(笑)


A:いえいえ。でも、私も「そうなんだ」みたいな(笑) あの時は準優勝だったので、そんなうまくは行かないと思いますけど、あの悔しさを指導者として晴らせればなんて思いますけどね。でも、謙虚に1試合1試合戦いたいと思います。


Q:開幕戦を戦うことに関してはいかがですか?


A:この間の東京の決勝でも1万2千人くらい入っていたみたいなんですけど、その倍以上の観客がいる中でやらせてもらえるというのは、やっぱり嬉しいというか、ありがたいですね。逆に変な試合はできないと思うんですけど。那覇西さんも2年前まではよく試合をやっていて、凄く良いチームなので、沖縄独特の身体能力もあるでしょうし。まあウチにも沖縄出身の池間くん(池間敦也。宮古島平良中学出身)がいるので、ちょっと池間から情報をもらおうかと思っています(笑)


Q:3年前も駒沢で開幕戦を戦っていると思いますが、スタッフとしてはその経験を生かせるのではないでしょうか?


A:そうですね。国立でもやらせてもらっていますし、12月30日でちょっと他と違うリズムだと思うんですけど、経験値はあるので、それは生かしていきたいと思いますね。


Q:今年のチームは予選であれだけの成長を遂げているので、全国の舞台でもさらに成長する可能性もあるのではないでしょうか?


A:この間も決勝戦をそういう形で終わりたかったんですけど、いろいろありまして... 5歩ぐらい進んで、3歩ぐらい戻る感じで。でも、1試合1試合成長していけないと、今年は勝っていけないかなとは思いますね。


Q:全国大会は楽しみですよね?


A:そうですね。楽しみたいと思います。


(齋藤我空キャプテン)
Q:この会場の雰囲気はどうでした?


A:いやあ、今まで味わったことのない感じで、東京予選も抽選に行ったんですけど、それよりももっと雰囲気があるというか、1人1人の選手からもオーラを感じましたし、「全国に出たんだな」という実感が今になって湧いてきました。


Q:思ったより人が多かったでしょ?


A:はい。もうちょっと大丈夫かなと思っていたんですけど、結構緊張しました(笑)


Q:どういうことを考えながらくじを引きましたか?


A:チームのことを考えれば、シードを引いた方が良かったと思うんですけど、開幕戦をやれるということで、あんな大勢のお客さんに見てもらうことはめったにない機会ですし、それも含めて楽しんでやりたいと思います。


Q:開幕戦が決まった時はどうでしたか?


A:正直「シードを取りたかったな」って思っちゃったんですけど(笑)、それでも開幕戦でやってみたい気持ちも少なからずあったので、それもプラスに変えてやっていきたいと思います。


Q:3年前に駒澤が開幕戦を戦った時の試合は見ていましたか?


A:はい。スタンドで見ていました。中3の時は「本当にうらやましいな」という感じで見ていましたね。大勢のお客さんが見ている中で、本当にふがいないプレーはできないですし、東京都B代表として覚悟と自覚をもって戦っていきたいと思います。


Q:改めて全国大会はどういう大会にしたいですか?


A:今年は本当に地力がなくて、今までも結果は出てこなかったんですけど、最後にやっと掴んだチャンスなので、全員でまとまって、自分たちの持ち味である堅守やセットプレーを見せていきたいと思います。


以上です。


土屋

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1117komazawa2.JPGこの10年のファイナルでは3度目の対戦となるビッグマッチ。9年ぶりの全国を目指す帝京と、2年ぶりの東京制覇を狙う駒澤大学高の対峙は引き続き駒沢陸上競技場です。
最後に全国制覇を達成した第70回大会のチームを、主将として牽引した日比威監督が就任したのは4年前。以降は2度の決勝進出を含め、常に西が丘以上の結果こそ出しているものの、頂点には届いていない帝京。今シーズンは「1年生から出させてもらっているので、自分が引っ張っていかなくてはいけない」と話す三浦颯太(3年・FC東京U-15むさし)を筆頭に、1年時からゲームに出てきた選手を多数擁する中で、迎えた選手権予選は準々決勝で堀越相手に苦しみながらも、2-1で競り勝つと、先週の準決勝では東京朝鮮に2点を先制されましたが、三浦が高校入学後は初となるハットトリックを達成し、4-2で逆転勝ちを収めてファイナルまで。「本当に3度目の正直ですよね」と日比監督も話す決戦に、大きな覚悟を携えて挑みます。
東京勢としては久々に2年連続で冬の全国ベスト8まで勝ち上がり、高校サッカー界でも一躍その名を知られる所となった駒澤大学高。ところが、昨年度は都大会初戦で敗れる悔しさを経験し、今シーズンは新たな決意の1年をスタートさせましたが、「Tリーグでも結果が出ていなくて、関東、インハイでも全然手応えがなかった」とキャプテンの齋藤我空(3年・Forza'02)も口にした通り、苦しい時期が続いていた中で、今大会はクォーターファイナルで夏の全国16強の國學院久我山に2-1で勝ち切ると、セミファイナルでは駿台学園相手に粘り強くPK戦を制して、2年ぶりに決勝の舞台へ。「自分たちに矢印を向けて、良い準備をしてやっていきたいと思います」と話したのはセンターバックの稲井宏樹(3年・FC駒沢)。勝負の80分間へ明らかな上り調子で向かいます。スタンドに詰め掛けた大観衆は、なんと11,644人。正真正銘のラストゲームは帝京のキックオフで幕が上がりました。


いきなりの主役は「予選も1点も取れなくて、フォワードなのに全然仕事をしていないので、決勝ぐらいは点を取って終わりたいなと思っていた」というナンバーナイン。6分に右サイドから山田英夫(3年・三菱養和調布JY)が、自ら「ちょっとビックリするくらい」の飛距離でロングスローを投げ込み、ニアで羽鳥陽祐(3年・フレンドリー)が逸らすと、江藤惇裕(3年・坂戸ディプロマッツ)のボレーは左ポストを叩き、リバウンドに突っ込んだ涌井蓮(3年・国立第一中)のヘディングもクロスバーに跳ね返りましたが、そこにも詰めていた羽鳥のヘディングは必死に反応した帝京のGK冨田篤弘(2年・FC多摩)を破り、ゴールネットへ飛び込みます。「あれはみんなで押し込んだみたいな感じで、もう気持ちで押し込みました」と羽鳥も語ったように、何とも駒澤らしい執念の先制弾。早くもスコアが動きました。
「駒澤の勢いと気持ちの強さであそこはねじ込まれたね」と日比監督も話した帝京は、1点を追い掛ける展開に。11分には右サイドバックの久保莞太(3年・横浜F・マリノスJY)を起点に、中村怜央(3年・FC東京U-15深川)が繋ぎ、三浦が放ったミドルは枠を越えるも、1つフィニッシュを取ったものの、細川竜征(3年・Forza'02)と涌井のドイスボランチを中心に、速いプレッシャーを掛ける駒澤の圧力に中盤でのパスワークも分断されるケースが多く、前進し切れません。
21分は駒澤。ミドルレンジから涌井が狙ったシュートはゴール左へ。23分は帝京。中村のパスを塩入颯斗(3年・横河武蔵野FC JY)が残し、佐々木大貴(3年・FC東京U-15むさし)が左足で打ったシュートは枠の左へ。25分も帝京。右サイドで奪ったFKを、レフティの石井隼太(2年・FC東京U-15むさし)が蹴り込むと、体を投げ出した三浦のダイビングヘッドはゴール左へ。ようやく帝京にも攻撃の手数が。
しかし、次に得点を記録したのも赤黒軍団。28分に右から江藤がFKを蹴り入れると、こぼれに反応した涌井は左足でシュート。この軌道を「涌井のボールが速くて、自分の方向に飛んできたので当てるだけでした」と振り返る齋藤が右足でプッシュ。ボールはゴールネットへ転がり込みます。「準決勝は自分がPKを外してしまって、その中でも礒部が止めてくれて、PK戦で勝つことができて、みんなが自分を決勝戦に連れていってくれた感じで、次は本当に自分の番だという気持ちでやっていた」というキャプテンが攻撃面でも大仕事。駒澤のリードは2点に変わりました。
「駒澤さんのサッカーにお付き合いしちゃって、なかなか自分たちのペースにできなかった」(三浦)帝京は、30分に1人目の交替を決断。塩入を下げて、スピードスターの中島涼太(3年・練馬石神井中)を右サイドへ送り込むと、32分に細川のラストパスに羽鳥が抜け出すも、懸命に梅木遼(3年・ミラグロッソ海南)がシュートブロックし駒澤のチャンスを経て、33分にも2人目の交替として、入澤大(3年・FC東京U-15深川)と石川航大(2年・鹿島アントラーズつくばJY)をスイッチしつつ、三浦を2列目に上げて配し、準決勝で逆転まで持って行った「ウチにとってはかなりのリスクもあったし、賭けにも近い形」(日比監督)を選択します。
35分には帝京も、佐々木のパスを三浦が左へ振り分け、石井のグラウンダークロスへ赤井裕貴(3年・FC東京U-15むさし)が走り込むも、副審のフラッグが上がり、オフサイドの判定。39分は駒澤も、左からサイドバックの島田竜汰(3年・FC川崎チャンプ)がロングスローを投げ入れるも、シュートには至らず。最初の40分間は帝京が2点のアドバンテージを手にして、ハーフタイムに入りました。


後半のファーストチャンスは帝京。45分に佐々木のパスを受けた三浦がスルーパスを通すも、走った赤井にはわずかに合わず。46分は駒澤。10番を背負った原田大渡(2年・FC東京U-15深川)の右クロスから奪ったCK。江藤のキックはニアに潜った齋藤の頭に合いましたが、ボールは枠の右へ。50分も駒澤。島田のロングスローがCKに繋がると、左から江藤が蹴ったキックは混戦からゴールキックに。52分も駒澤。「この選手権に懸ける想いは一番強かったと思います」という齋藤が最終ラインから突如としてドリブルを開始し、ぐんぐん右サイドを運んでクロス。ボールはファーに流れたものの、キャプテンが滲ませる勝利への強い意欲。
54分に帝京は3人目の交替。前線で奮闘した赤井を下げて、入学当初はGKだった萩原颯都(3年・FC東京U-15むさし)を左サイドハーフに投入し、前線に三浦と佐々木を並べるスクランブル態勢で、狙う追撃の狼煙。58分には三浦が左へ振り分け、石井のクロスは中島の元へ届くと、佐々木とのワンツーで右サイドを抜け出し、そのまま打ち切ったシュートは、駒澤のGK宮崎雅崇(3年・Wings U-15)がビッグセーブで弾き出し、こぼれを収めた中村のシュートも宮崎がキャッチ。決定的なチャンスを生かせません。
それでも押し込み切ったカナリア軍団。61分に萩原が粘って相手ボールを奪い返すと、三浦はワンタッチで後方へ。いいったんロストし掛けた佐々木が、懸命にボールを残してエリア外から放ったシュートは、完璧な軌道を描いてゴール右スミへ吸い込まれます。途中出場の萩原が見せた執念と、この3年間の帝京を支えてきた三浦と佐々木で手にした1点。たちまち両者の点差は1点に縮まりました。
「帝京には今年のTリーグで2点差を追い付かれた苦い想いがあって、1点取られた後に『また追い付かれちゃうかな』と思った」と齋藤も素直に口にした通り、帝京は必死の圧力を。駒澤も63分には江藤のパスから、涌井がクロスバーを越える左足ミドルを放ちましたが、65分は帝京にセットプレーのチャンス。左から石井が蹴ったボールは駒澤の左サイドハーフに入った小林蒼太(2年・Forza'02)がクリアしたものの、右サイドで拾った三浦は丁寧にクロス。ファーに突っ込んだ久保はわずかに届きませんでしたが、あわやというシーンにボルテージを上げた黄色のスタンド。「今まで追い付いてきているので、流れはあった」と三浦が話せば、「2点ビハインドでも、今の帝京なら跳ね返せると思っていた」と日比監督。鷲田優斗(3年・FC町田ゼルビアJY)と梅木のセンターバックコンビも、後半は取り戻した高い安定感。いよいよファイナルも10分間とアディショナルタイムを残すのみ。
74分は帝京。石井の左クロスから手にしたCK。佐々木が蹴ったボールは、ファーに走り込んだ久保に合うも、ヘディングは宮崎が丁寧にキャッチ。75分は帝京に4人目の交替。中盤で走り続けた中村に替えて、ルーキーの高木翔青(1年・鹿島アントラーズつくばJY)を送り込んで最後の勝負に。77分も帝京。左サイドで萩原が粘り、佐々木が強引に突っ掛けると、ルーズボールを叩いた萩原のシュートは左のサイドネット外側へ。アディショナルタイムの掲示は3分。齋藤と稲井で組むセンターバックを中心に築く駒澤の堅陣。180秒間で奪い合う、全国への扉を開けるために必要な"勝利の鍵"。
80+4分は帝京に訪れたCKのラストチャンス。左から佐々木が慎重にボールを蹴り込み、ファーに飛び込んだ久保が飛び込むも、シュートには至らず、ボールがエリアを出ると、程なくして吹き鳴らされた試合終了のホイッスル。「とにかく優勝できるかできないかはコイツら次第だなと思って、最後は信じ切りました」と大野監督が笑い、「1点取られて『ヤバいかな』と思ったんですけど、我空を中心に守れて本当に良かったです。今年は『去年の3年生のためにも戦おう』というのが自分の中にあって、それで自分の限界を超えてできたのかなと思います」と山田も胸を張った赤黒軍団の大逆襲が結実。駒澤が2年ぶりの全国切符を力強く手にする結果となりました。


今回のファイナルも頂点にはあと一歩で手が届かなかった帝京。日比監督も「やろうとしているサッカーの完成度は、ここ最近のチームで一番高かった。でも、サッカーは良くても結果が伴わなかったことは、彼らに申し訳ないなと思います。どうにか勝てたんじゃないかなと思うんですけどね」と悔しさを滲ませつつ、「やるだけのことはコイツらもやりましたけど、それはどこの高校のチームも一緒だと思うんですよね、駒澤とやって負けてきた所も、ウチとやって負けてきた所も。でも、駒澤高校さんも帝京もたくさんの応援の人が来てくれて、ああいう良い環境でできたのはこの子たちにとっては良かったことですよね」ときっぱり。「全国に行く力はたぶんあったと思うんですよね。やっぱり1人1人の、この大舞台でもちょっとしたちっちゃくならない精神力とか、たぶん普段の練習の積み重ねがちょっと足りなかったのかなと、終わってから思います。でも、自分としてはいろいろな能力を伸ばしてもらって、良いチームメイトにも囲まれて、3年間充実していました」とは三浦。素晴らしいサッカーを構築し、この舞台で堂々と披露したカナリア軍団にも大きな拍手を送りたいと思います。
「ちょっと"でき過ぎ"かなとは思うんですけど、今年の3年生はいろいろな先生からダメ出しされていて、このまま卒業したら肯定感を全然感じないで卒業してしまうと。それだけは教育者として彼らに申し訳ない気がして、もちろん優しくはしないんですけど、そこだけは思っていて、『何とかコイツらに自信を付けさせるにはやっぱり勝たなきゃダメだな』と。『オマエらで優勝して、それを認めてもらえ。それが最大の恩返しだ』と。それで、彼らもその気になって、少なからず学年とか学校にも影響を与えられるようになって、今日は相乗効果で応援していただいけたので、それを見てもらえて良かったと思います」と大野監督。「今年は正直『全国に行くのは無理なんじゃないかな』って思っていた時期もあった」と齋藤も話した過去を振り切るかのごとく、この大会で見せた駒澤の選手たちの成長は、ある意味で彼ら自身の想像を超えていたのかなと。
その背景には、「私は今年一生懸命になればなるほど、采配が外れてうまく行かないんですよ。2年前はやればやるほど当たっちゃうみたいなのがあったんですけど。だから、今年は黙ってようと思って(笑) あまり言わないようにして。だから、準決勝のPKも今まで全部私が決めていたんですけど、自分たちで順番を考えさせたんですよ。アクティブラーニングじゃないですけど、生徒たちが主体的に考えて、考えてやるとサッカーも楽しくなると思うんですよね」という大野監督自身の変化もあったのではないでしょうか。チームでただ一人だけ、2年前の全国ベスト8をピッチで経験している齋藤は「駒澤の歴史としてベスト4以上には行けていないですし、2年前の苦い経験もあるので、その歴史は絶対塗り替えてやろうという想いはあります」と確かな意気込みを。ピッチでも、スタンドでも、その圧力は破壊的。スタジアムを赤い波で覆い尽くす駒澤が、冬の全国へ帰ってきます。      土屋

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1117komazawaA.JPG初出場か。それとも15年ぶりか。東京高校サッカー界もいよいよ大詰め。全国切符を巡る大成と国士舘のファイナルは、駒沢陸上競技場です。
近年は都内の各種大会でも上位に顔を出すことが多く、確実にその存在感を高めてきている大成。とりわけ今シーズンは新年度最初の公式戦となった関東大会予選で、その後のインターハイで全国16強を経験する國學院久我山を、2-0で下してベスト8へ進出するなど、その実力は早い段階で証明済み。迎えた今大会も初戦で暁星に1-0で競り勝つと、明大明治戦を1点差で、東京実業戦をPK戦で粘り強く勝ち上がり、初めて立った西が丘のピッチでは、強豪の成立学園を1-0で撃破して、この決勝戦へ。ただ、「決勝に勝たないとここまで来た意味がないので、決勝も頑張って行きたいです」とキャプテンの柴田憲伸(3年・府ロクJY)が話せば、「『西が丘に来るのが目標だったら、もうこれでおしまいでお祭りでいいよ』という話は準決勝の前にしています」とは豊島裕介監督。決勝進出で満足するつもりは毛頭ありません。
最後に全国切符を獲得したのは15年前。以降は5度に渡って西が丘までは進出しているものの、"あと一歩"の壁に阻まれ続けてきた国士舘。やはり西が丘での終止符を経て、立ち上がった今年度のチームは、夏前までなかなか思うような結果が付いてきませんでしたが、8月からの登場となった今大会は、1次予選を3試合19得点という圧倒的な力で勝ち上がると、2次予選は初戦で東工大附属に苦しめられるも、守護神の小松直登(3年・東京久留米FC U-15)が2本をストップしてPK戦で何とか勝利。以降は多摩大目黒に2-0、かえつ有明に延長で2-1と手堅く勝ち進め、先週のセミファイナルも都立国分寺を2-0で下して10年ぶりの決勝戦へ。「去年負けた西が丘を越えたので、次の決勝も去年の先輩たちの分まで頑張って勝ちたいと思います」とはサイドアタッカーの唐澤大地(3年・FC町田ゼルビアJY)。様々な想いを背負って、最後の1試合に挑みます。駒沢のスタンドには6,495人の大観衆が集結。楽しみなファイナルは大成のキックオフでスタートしました。


先にシュートを放ったのは大成。3分にルーズボールへ反応したボランチの宮脇茂夫(2年・練馬三原台中)が、得意の左足でミドル。軌道はクロスバーを越えたものの、ファイナルへの強い意欲を前面に。6分は国士舘。佐藤慶哉(3年・AZ'86東京青梅)のドリブルから獲得したFK。右からレフティの柳陽哉(3年・GA FC)が蹴ったボールは、大成のGK柴田にキャッチされましたが、まずはお互いに1つずつチャンスを創り合います。
以降はやや膠着した時間が続きつつ、「相手に結構持たれていましたね」と国士舘のキャプテンを託されている長谷川翔(3年・FCトレーロス)も話したように、宮脇と内田康平(2年・FC多摩)のドイスボランチを中心に、大成がボールを動かす展開の中で、チャンスは双方セットプレーから。13分は国士舘。サイドバックの村崎海斗(3年・世田谷砧中)も絡んで得たFKを右から菊地駿斗(3年・三鷹F.A.)が蹴り入れるも、きっちりDFがクリア。16分は大成。山梨雄也(3年・Forza'02)を起点に奪った左FKを今西奏真(2年・府ロクJY)が蹴り込み、突っ込んだセンターバックの佐藤イライジャ(2年・FC.GRORIA)はオフェンスファウルを取られましたが、あわやというシーンを。18分は国士舘。菊地の左FKは柴田がキャッチ。どちらもフィニッシュには至りません。
ただ、「圧は感じていたので、出るに出れなかった」と国士舘の上野晃慈監督も話したように、徐々に左サイドの推進力を生かしながら、ゲームリズムは大成に。20分には前線でスタメン起用された風岡信哉(3年・和光ユナイテッド川崎FC)がきっちり収めて左へ流し、大石勇冴(2年・FC多摩)のシュートは枠を越えるも好トライ。24分にもルーズボールを拾った内田は、果敢にミドルへチャレンジ。初の全国を渇望する大成が一段階踏み込んだアクセル。
ワンチャンスをモノにしたのは「普段も"ヒールキック"を使うと怒られるんで」と笑ったボランチの"禁断の一蹴り"。37分に柳が右から蹴ったCKはシュートへ持ち込めなかったものの、今度は左サイドからのCK。菊地がニアへ正確なボールを蹴り入れると、走り込んだ濱部響乃介(3年・FCトリプレッタJY)は「良いボールが来たので」"ヒールキック"でシュート。ニアサイドをすり抜けたボールは、ゴールネットへ滑り込みます。「一番鍵を握る部分だった」と指揮官も言及したセットプレーからの鮮やかな先制弾でしたが、濱部は「試合前も『オマエ、今日"ヒールキック"やったら即交替するからな』って言われていて(笑) でも、ゴールになったのでさすがに全然怒られなかったです」とニヤリ。国士舘がスコアを動かしました。
ビハインドを背負った大成にも、すぐさま決定的なチャンス。40分にここも風岡が正確なポストプレーで落とし、内田が右へ送ったボールを神谷琉(3年・FC府中)は丁寧にクロス。ファーへ飛び込んだ原田晃希(3年・Forza'02)が懸命に当てたヘディングは枠を捉えるも、左のポストを直撃する不運。「前半はとにかく0-0で御の字かなという所で、良い形でセットプレーで取れましたね」と上野監督も振り返った最初の40分間は、国士舘が1点のリードを携えてハーフタイムに入りました。


後半のファーストチャンスも大成。43分に神谷が短く付け、今西のクロスに飛び込んだ原田はオフサイドを取られたものの、悪くないサイドアタックを。44分には国士舘も唐澤が左へ流し、菊地の好クロスにファーで合わせた長谷川のヘディングはゴール左へ。52分にも国士舘に決定機。右サイドで得たFKを菊地が放り込むと、再び長谷川が打ったヘディングは柴田にビッグセーブで掻き出されましたが、国士舘が滲ませる追加点への気合。
56分は大成。佐藤が左へフィードを送り、大石がクロスを入れるも、3列目から飛び込んだ内田はシュートを打ち切れず。57分は大成に1人目の交替。基点創りに奮闘した風岡を下げて、「自分たちは弱者の戦い方で勝っていくしかないので、自分がキーマンになれるようにやろうと思っている」と言い切る児島進之介(3年・府ロクJY)をピッチへ送り込み、前線のパワーと推進力アップに着手します。
57分は大成。左から今西が蹴ったCKは、ストーンの濱部にきっちりクリアされましたが、60分には2人目の交替。右サイドハーフの神谷に替えて、阪口駿(2年・あきる野東中)をそのままの位置に投入し、攻守にサイドへテコ入れを。直後には宮脇のFKを内田が粘り強く残し、佐藤が枠へ収めたシュートは小松にキャッチされたものの、ジワジワと押し込み始める大成の圧力。
実った前への執念。61分に大成は入ったばかりの阪口がエリア内へパスを送ると、走った原田はマーカーともつれて転倒。ホイッスルを吹いた主審は、ペナルティスポットを指し示します。キッカーは原田自ら。ゆっくりとした助走から左へ蹴ったキックは、しかしGKの小松がファインセーブで弾き出し、リバウンドに反応した原田のシュートも、素早く間合いを詰めた小松がきっちりセーブ。「本当に嬉しくて。でも、セカンドをゴール前にこぼしちゃったので。本当にボールだけ見て突っ込みました。止めた時よりはプレーが切れた時に『ああ、良かったな』って思いました」と語る守護神のビッグプレー。同点とは行きません。
両ベンチが切り合うカード。64分は国士舘。サイドで上下動し続けた佐藤慶哉と莊原聡(3年・川崎白鳥中)を入れ替えると、65分にも柳とジョーカーの福田竜之介(3年・FCトッカーノ)をスイッチ。67分は大成。原田に替えて、杉田健(2年・三菱養和調布JY)をピッチへ解き放つ勝負の一手を。68分はまたも国士舘。前線で攻守に効いていた丸山龍基(3年・AZ'86東京青梅)が下がり、田中壮太(3年・VERDY S.S.AJUNT)が最前線へ。長島佑仁(3年・FCトリプレッタJY)と永吉風太(3年・FC多摩)で組むセンターバックコンビも抜群の安定感。いよいよファイナルも残り時間は10分間とアディショナルタイムのみ。
73分は国士舘。莊原の左FKは、大成のセンターバック金井渉(2年・FC多摩)がクリアしたものの、拾った唐澤のミドルは枠の上へ。75分は大成に決定機。今西がフィードを蹴り込み、エリア内へこぼれたボールを内田がシュートに変えるも、軌道はわずかにゴール左へ。77分は国士舘に4人目の交替。先制弾の濱部に替えて、井上優太(3年・インテリオールFC)をクローザー投入。79分は国士舘に絶好の追加点機。福田がクイック気味に蹴った左FKは、ファーでフリーの長谷川に届くも、ボレーの行く先は右のポスト。スコアは最小得点差のまま、正真正銘の最終盤へ
80分は大成に4人目の交替。今西と海老沢光(3年・JACPA東京FC)を入れ替え、3年生に託す最後の攻撃。アディショナルタイムの掲示は3分。覇権を懸けた180秒のラストバトル。80+3分は大成。左から宮脇が蹴ったFKは、DFが大きくクリア。80+4分も大成。左から阪口が投げ入れたロングスローも跳ね返されると、駒沢の青空へ吸い込まれたタイムアップのホイッスル。「自分たちは地区予選からやっているので、本当に最初の頃は全然全国なんて思ってなくて。でも、毎回一戦一戦勝とうというのはチームの中にあったので、その結果がこうなったのかなと思います」と濱部も口にした国士舘が、15年ぶりに全国の出場権を掴み取る結果となりました。


ゲームの流れを大きく左右したのは間違いなく62分のPKシーン。小松には勝算があったそうです。曰く「YouTubeに大成対東京実業の試合のPK戦があって、それを見たら全員自分の止めた方に蹴っていたので、蹴った人は違ったんですけど、そっちかなと思って飛びました。たまたまYouTubeを見てたらあったので、ちょうど良かったです」とのこと。小松は前述したように初戦の東工大附属とのPK戦で3本中2本をストップし、かえつ有明戦とファイナルで試合中のPKを止めているため、今大会のPKは驚異の阻止率80パーセント。「あまり得意という意識はないです」とは本人ですが、「ちょっと不安だったんですけど、なんか止めそうだなっていう感じはありました。練習でも昨日も結構止めていたので、何となく雰囲気はあったかなと思います」とは上野監督。おそらくチームメイトにも予感があったのではないでしょうか。
実は殊勲の小松ですが、2回戦の多摩大目黒戦は負傷で出ていませんでした。そのゲームで活躍したのが、同じ3年生GKの山田大晴。拮抗した展開の中で何度もファインセーブを繰り出し、完封勝利に貢献すると、スタンドで見守っていた小松は「大晴が全部止めて、周りで見ている人も『オマエもういらないんじゃね?』って言われましたし、自分でもそう思ったので、『アイツ、ちょっとやり過ぎかな』と思いました」と。そして「小松も山田も本当に甲乙付けがたい部分があって、2人ともチームのために活躍してくれる選手です。ただ、リーグを通して小松の方が経験値としてちょっと高いので、多摩大目黒以降は小松で行きました」という指揮官の決断を受けて、「危機感があったので、朝練習も毎日行って、練習もいつも以上に全力でやりました」と小松がこの大舞台でチームを救う大仕事を成し遂げてしまうあたりに、今の国士舘を取り巻く雰囲気が窺えます。
夢にまで見た冬の全国へ向かうに当たり、「国士舘は全国で勝っていないので、まずは1試合目を勝って、また新しい歴史を刻めたらなと思います」(濱部)「国士舘はまだ1回も全国大会で勝っていないので、そこは歴史を塗り替えるというか、今までにないことをやりたいですし、1回戦は必ず勝って、良い年越しができればと思います」(小松)と2人は声を揃えて"全国初勝利"への意気込みを。「凄くラテン的で明るい子たちなので、乗ればいいんですけど、乗らないともう。良いか悪いかしかないような子たちが、8試合を取りこぼさずに何とか引っ張り上げてきたというのは、相当な精神力がなければできませんでしたし、凄くチームとして春先よりは一体感は感じました」と上野監督。国士舘が全国という大海原へ力強く、堂々と、赤と青で彩られた希望の船を漕ぎ出します。         土屋


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1111nishigaoka2.JPG3年ぶりに聖地で実現した因縁の"十条ダービー"。初の東京制覇へ機は熟した東京朝鮮と、9年ぶりの全国出場を目指す帝京のセミファイナルは、引き続き味の素フィールド西が丘です。
3年連続の西が丘となった昨年度の準決勝では、関東第一に2点をリードされる展開の中で、ラスト5分で追い付く劇的な展開に。最後は延長戦で敗れたものの、素晴らしいゲームを披露した東京朝鮮。ただ、「もう駒沢競技場に目を向けないと、いつまで経っても西が丘止まりだと思うので、西が丘よりもっと先の目標を見つめることにしました」とキャプテンのムン・ヒョンジョン(3年・埼玉朝鮮中)も話した通り、決意を新たに挑んだ今大会では関東大会予選4強の都立狛江を3‐1で下し、修徳にも2‐1で競り勝って、4年連続での西が丘まで。"4度目の正直"とその先を真剣に狙います。
こちらも3年連続で西が丘まで勝ち上がりながら、準優勝、準優勝、3位となかなか久々の全国切符を掴み取るまでには至っていない帝京。迎えた今シーズンも、関東大会予選では成立学園に、インターハイ予選では東京朝鮮に揃って1点差で敗れるなど、悔しい結果を突き付けられた2つのコンペティションを経て、今大会は初戦で都立高島を5‐0で、準々決勝では粘る堀越を2‐1で振り切り、今年も聖地へ登場。2年ぶりのファイナルへ王手を懸けるべく、目の前の80分間へ向かいます。注目の"ダービー"ということもあって、スタンドには5,426人の大観衆が。避けては通れない大一番は、帝京のキックオフでスタートしました。


お互いにやや慎重な立ち上がりを経て、ファーストチャンスは東京朝鮮。13分に左サイドで1トップのキム・チャンミョン(3年・埼玉朝鮮中)が粘り、リ・チャンギ(3年・東京朝鮮中)が放ったシュートは、「自分にできるのは体を張ってチームのためにゴールを守ること」と言い切る、この夏からセンターバックにコンバートされたばかりの梅木遼(3年・ミラグロッソ海南)が体でブロック。直後にホン・リジン(3年・東京朝鮮第一中)が蹴った左CKは、帝京のGK冨田篤弘(2年・FC多摩)がパンチングで回避したものの、まずは東京朝鮮が帝京ゴールを窺います。
さて、少し耐える時間の続いた帝京も手数を。16分に左からレフティの石井隼太(2年・FC東京U-15むさし)が蹴り込んだFKはDFのクリアに遭うも、その流れから石井は縦に付け、佐々木大貴(3年・FC東京U-15むさし)がドリブルから放ったシュートは、ムン・ヒョンジョンが体でブロック。直後に入澤大(3年・FC東京U-15深川)が左から蹴ったCKはゴールラインを割ったものの、ようやくカナリア軍団にも出てきた反撃の萌芽。
ところが、先制ゴールは唐突に。20分の東京朝鮮は左サイドへの展開から、サイドバックのパク・チュンボム(3年・東京朝鮮中)が丁寧なグラウンダークロスを送ると、エリア内でDFがクリアし損ね、ファーで待っていたキム・チャンミョンのシュートはゴールネットを鮮やかに揺らします。この夏からフォワードにチャレンジしていたストライカーが、この大舞台で一仕事。東京朝鮮が1点のリードを手にしました。
「魔物がここにはいるんだよね」と日比威監督が表現したように、ややアンラッキーな形でビハインドを追い掛ける形となった帝京。33分には左サイドから入澤がドリブルで仕掛け、右へはたいたボールを塩入颯斗(3年・横河武蔵野FC JY)が左足で打ったシュートはゴール左へ。34分にも佐々木が粘り強いドリブルから右へ振り分け、塩入の折り返しを三浦颯太(3年・FC東京U-15むさし)が狙ったミドルは枠の左へ。35分にも三浦のパスを受け、右サイドからカットインしながら左足で打った佐々木のシュートはゴール右へ。「仲間で声を掛け合って、どうにかミスした子のモチベーションを上げようとしてやっていました」とは中村怜央(3年・FC東京U-15深川)ですが、同点とは行きません。
36分は東京朝鮮。左サイドで獲得したFKをセンターバックのチョン・ユギョン(3年・東京朝鮮第一中)が蹴り入れ、キム・チャンミョンが高い打点で合わせたヘディングは冨田がキャッチ。39分も東京朝鮮。中盤で前を向いたユン・チス(3年・東京朝鮮中)が枠へ飛ばしたミドルは冨田が丁寧にキャッチ。「前半も1点は取ったんですけど、勝負はやっぱり後半だと思っていました」とは姜宗鎭監督。最初の40分間は東京朝鮮が1点のリードを手にして、ハーフタイムに入りました。


後半もファーストチャンスは東京朝鮮。42分にホン・リジンがヘディングで残し、ユン・チスがボレーで狙ったミドルはクロスバーを越えましたが、44分には決定機。キム・チャンミョンが粘り強くキープし、右からリ・チャンギが枠へ収めたシュートは冨田がファインセーブで回避したものの、追加点への意欲を前面に押し出すと、たまらず帝京も1人目の交替。塩入を下げて、ジョーカー的な役割を任されている中島涼太(3年・練馬石神井中)を送り込み、流れを押し戻すべくサイドの推進力アップに着手します。
47分に飛び出したゴラッソ。高い位置でプ・リョンス(3年・東京朝鮮第五中)がボールを奪うと、リ・チャンギはエリア外から思い切りよく左足一閃。右スミを襲った軌道はポストを叩いて、ゴールネットへ転がり込みます。9番を背負ったアタッカーが、この大一番で見せたスーパーな一撃。東京朝鮮のリードは2点に広がりました。
49分にもホン・リジンがルーズボールを拾い、プ・リョンスのリターンを打ち切ったミドルが枠を越えると、帝京は2人目の交替を決断。日比監督は入澤と石川航大(2年・鹿島アントラーズつくばJY)をスイッチし、ボランチに中村と石川を並べ、三浦を2列目に配する勝負の采配を振るいますが、51分に左サイドから中村が右足で入れたアーリークロスに、「夏にチームに迷惑を掛けたので、今日はやらなきゃという気持ちは強く持っていました」と話す右サイドバックの久保莞太(3年・横浜F・マリノスJY)がボレーで合わせるも、ここは東京朝鮮のGKカン・ブラマ(3年・東京朝鮮第一中)がビッグセーブで応酬。追撃の一手を打ち込めません。
執念を見せたのは「たぶんあのポジションに送られたってことは、点を決めろという指示なので、全力でプレーするだけでした」と話す絶対的な司令塔。54分に久保のパスを受けた石川は、右サイドからアーリークロス。ファーへ潜った三浦はトラップでうまく収めながら、利き足とは逆の右足でボールをゴールネットへ流し込みます。今大会は常に気合を全身から発している三浦の反撃弾。両者の点差は1点に縮まりました。
55分にもショートカウンターから中島が右へ流し、久保の折り返しは三浦に届くも、懸命に戻った東京朝鮮の右サイドバックを務めるチェ・テソン(3年・埼玉朝鮮中)が間一髪でクリアしましたが、56分には東京朝鮮も2枚替え。ユン・チスとプ・リョンスを下げて、「このまま終わらないという気持ちはあったので、切り札として」(姜監督)キム・ヒョンジュン(3年・東京朝鮮第一中)とパク・スンテ(3年・東京朝鮮中)を投入して、全体の運動量の底上げを。59分も帝京。久保、佐々木、三浦とボールが回り、石井のミドルは枠を越えたものの、完全にゲームリズムは帝京へ。
60分の主役もカナリア軍団のナンバーエイト。左サイドでボールを持った石川は、中央を確認しながら右足でアーリークロス。ここに走り込んだ三浦が「目が合って、あそこにピッタリ来たので」ヘディングで合わせたボールは、ゴール右スミへゆっくりと吸い込まれます。「石川が入って全然変わったかな」と指揮官も称賛した石川の連続アシストから、三浦もこれでドッピエッタ。スコアは振り出しに引き戻されました。
「2点目が入って、そこから5分か10分をどうやれるかという所だったんですけど、逆に点数が入り過ぎちゃったんですかね」と姜監督が話し、「2点目が入った時に、チーム全体がいつも通りにやっておけば良かったものの、もっともっととイケイケになっちゃって...」とムン・ヒョンジョンも言及した東京朝鮮。63分にはキム・チャンミョンのポストプレーから、チェ・テソンのクロスにホン・リジンが飛び込むも、シュートには至らず。67分は帝京。カウンターから佐々木とワンツーを交わした三浦が右へ流すも、キャプテンの赤井裕貴(3年・FC東京U-15むさし)はフィニッシュまで持ち込めずにオフェンスファウル。70分は東京朝鮮。パク・チュンボムの左クロスへ、果敢にニアへ突っ込んだハ・ジュノン(3年・東京朝鮮第一中)のヘディングはヒットせず。時間を追うにつれて、集中力の増す梅木と鷲田優斗(3年・FC町田ゼルビアJY)の帝京センターバックコンビ。2-2のまま、ゲームは残り10分間とアディショナルタイムへ。
西が丘に刻まれた新たな伝説。74分に赤井が懸命に頭で残すと、「自分は点を取ることしか考えていなくて、『行こうかな』と思ったんですけど、凄い颯太が呼んできて、相手も自分の所に寄ってきたので」佐々木は丁寧にラストパス。完全に一人旅となった三浦は、飛び出したGKを左へかわし、無人のゴールへボールを送り届けます。「ずっと一緒にやっているので、『大貴が良い所に出してくれるかな』って信じて走りました」という三浦は、この重要な舞台で驚異のハットトリック達成。2-3。とうとう帝京が逆転に成功しました。
このゲームで初めて追い掛ける展開を強いられた東京朝鮮は、74分にアン・ジュノ(2年・東京朝鮮中)を、76分にリャン・ユンデ(2年・東京朝鮮第一中)を相次いでピッチへ解き放ち、昨年のこの舞台でハットトリックを決めているチョン・ユギョンを最前線に上げて最後の勝負へ。77分に右からホン・リジンが蹴り込んだFKは、そのままゴールキックに。78分に左サイドからリ・チャンギがクロスを上げ切るも、チョン・ユギョンのヘディングは枠の上へ。80分に帝京は石井に替えて、山本乾太(2年・FC東京U-15むさし)を投入し、取り掛かるゲームクローズ。アディショナルタイムは5分。最終盤。最後の声を振り絞る両チームの応援席。
80+1分は東京朝鮮。キム・ヒョンジュンが右からロングスローを投げ込み、キム・チャンミョンのヘディングからリ・チャンギが枠内シュートを放つも、冨田が丁寧にキャッチすると、試合を決めたのは「去年はここで負けを経験しているので、今回は自分が決めたいなと思って、ちよっと空回りしていましたね」と笑った10番。80+3分に赤井が粘って左へ付けたボールを、石川はそのまま中央へ。「『スルー』って言おうとしたんだけど、『ス...』しか言えなくて、でも、『ス...』って言ったら颯太がスルーしてくれて、自分も『えっ?』てビックリしちゃって、『来た!』みたいな感じでした」という佐々木は、冷静に右スミのゴールネットへボールを蹴り込みます。ファイナルスコアは2-4。「本当に嬉しかったですけど、自分はこんなに大事なゴールを決めたのは初めてだし、ハットトリックも高校に入って初めてです! 」と笑った三浦の大車輪と言っていい活躍で、帝京が9年ぶりの全国を懸けたファイナルへと勝ち上がる結果となりました。


初めてファイナルへ進んだのは第76回大会。以降で数えると、7度目の西が丘セミファイナルもあと一歩で勝利には届かず、21年ぶりのファイナル進出とはならなかった東京朝鮮。「勝たせてあげたかったなと思いますけど、相手の方が上だったということですね。それは素直に認めないといけないです」と話した姜監督は準々決勝終了後に、「日比さんと僕は同級生なんですけど、日比さんが国立競技場で優勝した時に僕は観客席で見ていましたし、高校サッカーと言えば帝京高校で、僕も子供の頃に憧れていたので、やっぱり絶好の相手だなと思います」と明かしてくれましたが、日比監督も「ウチはインターハイで負けてますから、東京朝鮮も凄く良いチームだし、お互い良い刺激を与えられるのは良かったと思います。こういうゲームができるのは相手あってのことなので、感謝したいですね」と相手へのリスペクトを口に。"十条ダービー"は最後までフェアな好ゲームであったことは記しておきたい所です。
これで日比監督就任後は、3度目のファイナルを戦うことになった帝京。「この5年で3回も決勝まで行っているので、本当に3度目の正直ですよね。ここでダメになると学校自体もサッカー部自体もテンション下がるので、もう一気に行くしかないですよね。勢いに任せて」と口にした指揮官も、間違いなく今年のチームには成長の跡を感じているようです。「最後の最後に決められたから良かったですけど、ちょっと悔しいですね。主役を颯太に持ってかれちゃったので(笑)」と笑った佐々木が、「全国に帝京が出ないと面白くないと思うので、自分たちが出て盛り上げたいと思います」と続ければ、久保も「本当に強く全国に行きたいと思っている人たちが揃っているので、メンバーに入れなかった人の分も、メンバーに入っている人たちが強い気持ちを持って、みんなで全国に行きたいと思っています」と確かな決意を。駒澤大学高とのファイナル決戦は11日。13時15分に駒沢陸上競技場でその幕が上がります。       土屋


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1111nishigaoka1.JPG初のファイナルを目指す都内きっての"お調子者集団"と、2年ぶりの覇権奪還に燃える赤黒軍団の対峙。駿台学園と駒澤大学高の準決勝は、東京高校サッカー界の聖地・西が丘です。
ここ数年は少し苦しい時期が続いていたものの、今シーズンはいきなり関東大会予選で修徳、国士舘、大森学園、帝京と難敵を相次いで下し、準優勝を経験。本大会でも習志野と佐野日大に競り勝ち、最後は桐生第一にPK戦で敗れるも、グループ準優勝に輝くなど、都を超えたレベルで実力を発揮してきた駿台学園。真剣に頂点を狙う今大会も都立福生に4-0、創価に4-1と、持ち前の攻撃力を存分に披露してこのセミファイナルまで。「目標としていた西が丘」(猪田光哉・3年・田口FA)でも、明るく楽しく戦う気概を忘れるつもりはありません。
昨年度の選手権予選はまさかの初戦敗退を突き付けられ、3年連続での全国出場という野望が露と消えた駒澤大学高。リベンジを誓ってスタートした今シーズンも、関東大会予選、インターハイ予選と思ったような結果は得られらませんでしたが、今大会は都立南葛飾に6-0、高輪に4-1と快勝を収めると、クォーターファイナルでは夏の全国ベスト16に入った國學院久我山を2-1で撃破して、西が丘のステージへ。「ここで終わりじゃないので、しっかりと次も勝って、駒陸でも勝って、全国に行きたいと思います」と言い切ったのはキャプテンの齋藤我空(3年・Forza'02)。2年ぶりのファイナルへ向けて、一体感も確実に高まっています。聖地のスタンドは駿台の赤と駒澤の赤が混じり合い、より強烈な彩りに。楽しみなビッグマッチは駒澤のキックオフで幕が上がりました。


「自分たちもこういう大舞台は初めてで、最初は少し心が動いちゃって、テンパっちゃたりした」と駒澤のセンターバックを務める稲井宏樹(3年・FC駒沢)が話し、「意外に緊張しているヤツもいましたね(笑)」と駿台の猪田も笑ったように、ややお互いに硬さの見られた立ち上がりを経て、ファーストチャンスは7分の駒澤。相手DFのクリアミスを拾った池間敦也(3年・宮古島平良中)が左サイドからシュートを放ち、ボールは枠を越えたものの、まずはフィニッシュを取り切ると、駿台も9分には左CKを獲得。布施谷翔(3年・ジェファFC)のキックはニアへ飛び、シュートには至らなかったものの、1つずつチャンスを創り合います。
11分の決定機は駿台。ショートカウンターから右サイドハーフの高根沢翔(3年・田口FA)のパスを、布施谷は絶妙のダイレクトスルーパス。完全にフリーで抜け出した笹本周(3年・S-P FUTE U-15)が迎えた1対1は、うまく飛び出した駒澤のGK宮崎雅崇(3年・Wings U-15)がファインセーブで凌ぎましたが、駿台の11番を背負う鬼才が1本のパスで魅せた煌めき。15分には鮫島貴士朗(3年・足立第十一中)の長いFKに三澤崚太(2年・駿台学園中)が競り勝ち、高根沢のシュートはDFにブロックされたものの、「競り合いとか球際の所では負けないという自信を持っていた」と大森一仁監督も口にした、相手のストロングでも上回った駿台が引き寄せるゲームリズム。
さて、「緊張していたのか一人一人が好き勝手やり出しちゃって」と大野祥司監督も渋い顔を見せた駒澤は、なかなかチャンスを生み出せず。20分に江藤惇裕(3年・坂戸ディプロマッツ)が左から蹴ったFKに、飛び付いた池間のヘディングはゴール左へ。22分に右サイドから山田英生(3年・三菱養和調布JY)が投げ入れたロングスローも、シュートには持ち込めず。逆に24分には駿台も、布施谷が蹴った左CKのこぼれを、高根沢が叩いたボレーは宮崎が何とかキャッチ。直後にもカウンターから布施谷のパスを笹本が運び、右に出したボールは上原飛翔(3年・駿台学園中)がロストしたものの、迫力のあるアタックに意気上がる駿台応援席。
流れに抗う一撃は宮古島出身のナンバー10が。29分に羽鳥陽祐(3年・フレンドリー)が粘って残したボールを、池間は思い切りよくシュート。枠を捉えたボールは左ポストに跳ね返り、詰めた涌井蓮(3年・国立第一中)が右スミへ飛ばした決定的なヘディングは、猪田が驚異的な反応で弾き出しましたが、この一連でノった応援も後ろ楯に、流れは少しずつ赤黒へ。
34分は駒澤。右から江藤が入れたCKに齋藤が競り勝ち、シュートは打てなかったものの、悪くないトライを。36分も駒澤。今度は左から島田竜汰(3年・FC川崎チャンプ)がロングスローを放り込み、こぼれを狙った涌井のミドルはゴール左へ。40分も駒澤。相手陣内で弾んだボールを池間は収めると、少し出ていたGKを見極めつつ、浮かせたシュートはクロスバーを越えましたが、30分前後からボールが収まり始めた池間を基点に、駒澤が押し込み始めた前半は、スコアレスでハーフタイムに入りました。


後半のファーストチャンスは42分の駒澤。島田のドリブルで奪った左CKを江藤が蹴ると、ここは駿台のボランチを務める吉澤翔吾(3年・FCトレーロス)がクリアしたものの、残された40分間への意欲を前面に。43分は駿台に1人目の交替。右サイドバックの三澤に替えて、高橋竜太郎(3年・FC ESFORCO)をボランチに送り込み、田中亮汰(3年・田口FA)が右サイドバックにスライドして、中央とサイドの強度アップへ同時に着手。50分は駒澤も1人目の交替。奮闘した池間を下げて、久我山戦で決勝ゴールを叩き出した原田大渡(2年・FC東京U-15深川)を投入し、一気に押し切る態勢を整えます。
53分は駒澤に絶好の先制機。山田と原田の連携で獲得した右CK。キッカーの江藤は完璧なボールをファーへ届け、齋藤は完璧な折り返しを中へ流し込みましたが、フリーになった小林蒼太(2年・Forza'02)のヘディングは枠の右へ。ピッチもベンチも頭を抱えたものの、「後半は自分たちで立て直せた」(稲井)駒澤が漂わせるゴールの予感。
57分は駿台。左サイドバックの中村海知(2年・駿台学園中)の縦パスから、巧みに反転した布施谷が右足で入れた左クロスに、高根沢が合わせたヘディングは宮崎がキャッチ。58分は駒澤。江藤の左CKから齋藤が頭で打ち下ろすも、鮫島が決死のブロック。60分も駒澤。島田の左ロングスローから、ルーズボールを自ら拾った島田のシュートは猪田がファインセーブ。直後に右から江藤が入れたCKを、ここも齋藤が合わせたヘディングは枠の左へ外れるも、「自分たちはフィジカル面で上回ってるなという自信があった」とボランチの細川竜征(3年・Forza'02)も胸を張る駒澤の続く攻勢。
62分も駒澤。左サイドで粘って中に潜った小林の右足シュートは枠の上へ。「競り合いとか球際の所で駒澤さんの方に若干行かれてるなという状況に持っていかれた」(大森監督)駿台は63分に2人目の交替として、高根沢と鶴岡泰嘉(3年・FC渋谷)を入れ替えましたが、直後も駒澤の決定機。山田の左ロングスローはエリア内にこぼれ、小林が枠へ収めたシュートは、「結構なんか止めていたので、『ああ、当たってんな』みたいな感じでした」と笑う猪田がビッグセーブで回避したものの、駿台にとっては苦しい時間の連続を強いられます。
ただ、布施谷が常に纏う一発の脅威。69分には左サイドで前を向くとアーリークロスを放り込み、上原のヘディングは宮崎がキャッチしましたが、久々のシュートシーンを演出すると、70分に羽鳥がボレーを枠の右へ外した駒澤のチャンスを経て、74分にもセットプレーから決定的なシーンを。左サイドから蹴り込まれた布施谷の正確なFKへ、突っ込んだセンターバックの荻優太(3年・青山SC)は力強くヘディングを枠内へ打ち込んだものの、今度は宮崎が超ビッグセーブで仁王立ち。スコアは動きません。
76分は駿台に3人目の交替。笹本と平田倫太朗(3年・川口幸並中)と前線同士を入れ替え、取り戻したい勢い。77分は駒澤に2人目の交替。羽鳥に替えて、高いキック精度を誇る時田悠人(2年・Y.S.C.C.U-15)をピッチへ解き放ち、セットプレーのさらなる強化を。79分は駒澤。原田のスーパーなトラップから、江藤がストレートボールで右クロスを送るも、小林はわずかに届かず。アディショナルタイムは3分。果たして均衡を破るのは。
80+1分は駒澤。江藤の右クロスから、粘って持ち込んだ小林のシュートはニアを襲うも、猪田が懸命にキャッチ。80+2分は駿台。中盤でボールをカットした田中が右へ振り分け、鶴岡が上げ切ったクロスに上原が飛び込むも、駒澤ディフェンスの前にシュートは打てず。しばらくして西が丘に鳴り響く後半終了のホイッスル。「ホントによく耐えたかなとは思います」と大森監督。0-0。勝敗の行方は、前後半10分ずつの延長戦へ委ねられます。


延長のファーストシュートは駿台。81分に布施谷のパスから、うまくターンした平田の強烈なシュートは枠を襲い、宮崎はファンブルしながらも必死にキャッチ。86分は駒澤。右から時田がFKを蹴り入れましたが、中央でオフサイドの判定。87分も駒澤。時田の左CKはオフェンスファウルで駿台ボールに。89分に小林と山田航(2年・横浜栄FC)を入れ替えると、90分も駒澤。時田の右CKに齋藤が競り勝つも、DFが何とかクリア。90+1分も駒澤。右から山田がロングスローを抜群の飛距離で投げ込むも、DFが懸命にクリア。延長前半を終了してもスコアレス。残された時間はわずかに10分のみ。
94分は駿台。布施谷が右から蹴ったFKは、DFがきっちりクリア。98分は駒澤。左から時田が入れたFKも、掻き出した駿台ディフェンス。98分は駿台に4人目の交替。精力を使い果たした鮫島が下がり、山崎亮(3年・駿台学園中)がこの最終盤にセンターバックのポジションへ。100分に駒澤が切った4枚目のカードは「もう勝つしかなかったギャンブル」(大野監督)。キーパーを宮崎から、「昨日と一昨日の練習で一番PKを止めていた」という礒部幸輝(2年・クラブ世与野)にスイッチする勝負の采配を。100+1分のラストチャンスは駿台。布施谷の左FKは駒澤ディフェンスに弾かれ、100分間でスコアは動かず。ファイナルへの切符はPK戦で争うことになります。


駿台1人目はGKの猪田。都立福生戦では試合中のPKも決めている"駿台のチラベルト"は、完璧なキックを右スミへ成功。駒澤1人目の右スミを狙ったキックは、読み切った猪田が完璧なセーブで弾き出し、早くも両者に点差が付いてしまいます。
駿台2人目の布施谷は、GKを飛ばして中央左へ冷静にグサリ。プレッシャーの掛かる駒澤2人目の江藤は左を選択し、猪田も方向は合っていたものの、揺れたゴールネット。すると、駿台3人目が左へ蹴ったキックは、読みの当たった磯部がビッグセーブ。駒澤3人目の稲井も江藤同様に左スミを狙い、ここも猪田は読んでいましたが、わずかにボールスピードが勝り、ゴールネットへ。3人目が終わって2-2。まったくのイーブンに。
迎えた駿台4人目。少しずつ重圧の増していくタイミングで、蹴られたキックはクロスバーの上へ。駒澤4人目は時田。2年生アタッカーは、この日初めて猪田の逆を突いて成功。外せば終わりの駿台5人目。途中出場の鶴岡は氷の冷静さでGKの逆を突いて左へ成功。そして、駒澤5人目は細川。「2年の時は練習でもいっぱいPKを外していたんですけど、3年になって気持ち的に楽になって、練習でも1回も外したことはないと思う」と言い切った"駒澤のカンテ"は、中央左に思い切り打ち込み、ボールはゴールネットへ突き刺さります。「緊張したんですけど、かなり落ち着いては蹴れたかなと思います」という細川のキックで熱戦に終止符。記憶に残る激闘はPK戦の末、赤黒軍団に揚がった凱歌。執念の駒澤が2年ぶりにファイナルへと勝ち上がる結果となりました。


「ゲームトータルのプランで詰めの甘さが出たかなと思いますね。向こうは徹底しているし、やっぱり凄いなと。PKの所までしっかり準備されていたと思うし、ウチの甘さが出たかなと思いますけど、よく頑張ったと思います」と選手を称えた駿台の大森監督。最後はPK戦での敗退となりましたが、「こればっかりはしょうがないし、外したのは僕が担任の子なので(笑)」と笑顔を見せながら、「まだまだこれから積み上げていかないといけないと思いますし、またここに帰ってきたいと思います。『スマイル・アゲイン』で(笑)」といつも通りの明るさで語ってくれました。
その明るさはキャプテンの猪田も同様。西が丘の雰囲気を問われ、「いやあ、最高っすね。アウェイな感じもそうですけど、全部含めて今までやってきたグラウンドとは違うので、やっぱりいいですね。楽しかったです」と満面の笑顔。「1,2年の頃は全然ダメで、やっと何かいろいろなことが現実的になってきたので、もっとやりたかったというのはありますけど、本当にここまで来れたのもみんなのおかげですし、目標としていた西が丘に立てて、みんなでサッカーができたので、そこは良かったですね」と続けた言葉には充実感が漂っていました。
試合前の集合写真では、メディアの撮影後に全員が思い思いのポーズで"2枚目"を撮ってもらい、円陣時には応援席の歌に合わせて踊ったり、西が丘の舞台でも"お調子者集団"は面目躍如。そのことに関しては「自分たちらしくやるというのは最初から決めていましたけど、少なからず"緊張を隠す"みたいな所もあったと思います。それでも『何でもいいから、やれることを全部やって』というのがウチなので、それも含めて良かったです」と猪田。PK戦が終わった直後。チームで唯一キックを失敗した駒澤の選手が、1人でセンターサークルに突っ伏して泣いていた姿を見て、駿台の選手たちは笑顔でその選手に近寄り、肩を抱いて健闘を称え合っていた光景が、何とも駿台らしくて印象的でした。
もともと今年の3年生は指揮官曰く「どこかで心折れてウチに来た子ばかり」。さらに「技術的には入った時から"最弱学年"って言われていて、1年生の夏ぐらいまでも負けまくっていたので、正直そこでも心は折れているんです」と。そんなチームだったはずの彼らが、ここまで成長して、ここまで辿り着いたことは、大いに評価されて欲しいと個人的には思っています。「本当にみんなとサッカーするのがメチャクチャ好きだったので、もうあんまり一緒にできないというのがちょっと悲しいですけど、全員でやりきったというか、全員で戦えたので良かったです」と最後まで笑顔で言葉を紡いでくれた猪田を筆頭に、2018年の東京高校サッカー界を個性溢れるカラフルな色合いで彩ってくれた、"お調子者集団"に最大限の拍手を。         土屋

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