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デイリーサッカーニュース Foot!

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Jリーグ記事一覧

写真.JPG
昨シーズン第24節のダービー(浦和1-1大宮)から現在J1タイ記録の17戦無敗。
記録更新をかけて臨む3位大宮。
一方、前節の湘南戦でやっと興梠が移籍後初ゴールを奪い、
チームに勢いがついた感のある2位浦和。
気温9°と寒く小雨が降る中行われたさいたまダービーは、
過去最高となる(2012.4/21vs浦和12,708人を抜き)13,016人がNACK5に詰めかけた。

「ダービーでは、毎回ゲームの入り方が悪い」とゲーム後ミシャが嘆いていたが
序盤からゲームの主導権を握ったのは、ホームの大宮だった。
開始3分、高橋の欠場によりDFラインのセンターに入った片岡がFKのこぼれ球からシュートするも
ボールはバーを直撃する。
8分には、渡邉大剛のクロスから最後は青木がシュート。
青木のシュートは、ポスト左へと外れるが、大宮は2トップのズラタンかノヴァコヴィッチに
一度ボールを当ててからサイド攻撃というシンプルな形で浦和ゴールに迫っていく。
逆に浦和は、大宮のコンパクトな守備に苦戦。ミスパスなども目立った。
そんな中、21分にDFラインの裏へと抜けた原口がGK北野と接触し、(脇腹あたり?を)負傷。
その後、一度ピッチに戻るも27分。マルシオと交代を余儀なくされる。
浦和の攻撃があまり上手くいっていなかったとは言え、原口のスピードが使えなくなったのはかなり痛かった。
高いDFラインを敷く大宮にとっては、裏へのケアは興梠1人だけで良くなった。
金澤が「浦和の1トップと2シャドーを抑えることが出来た」と言うように
浦和は攻撃の形を作れず、前半シュートはわずか3本だった。
前半は大宮ペースとは言え、公式戦3試合連続ゴール中のズラタンのファーストシュートは、36分。
FKの流れからシュートを放つと、その4分後にもFKから頭で合わせ、ポストをヒットする。
徐々にエースがゴールの匂いを漂わせると、アディショナルタイム。
浦和はDF那須がズラタンとの接触で出血し、止血をするためピッチの外へ。
大宮が1人多い状況の中、47分。右サイドの渡邉が左サイドへと流れ、下平とのワンツーから
ライン深くまで抉り中へと折り返す。これをゴール前でズラタンが難なく合わせ大宮が先制する。
アシストした渡邉も良かったが、その前の下平の浮かしたパス!
下平のパスに「あっぱれ!」(張本風に)

前半最後の最後で大宮がゴールを奪い、1点リードで折り返すと、後半、浦和は3バックの両サイド
槙野と森脇を高い位置へと上げ、リスクを負った攻撃に・・・
49分 啓太のパスから興梠がシュート。その2分後には、前半あまり目立たなかった梅崎が右サイド
ドリブルで仕掛けゴール近くまでいくなどいつもの浦和らしさが見え始める。
75分には中盤で浦和がボールをカットし、ショートカウンター。柏木がドリブルで仕掛け
興梠にスルーパス。これは、興梠がオフサイドを取られるも、この試合初めて大宮DFの裏を
上手く破ったシーンだった。
一方でリードしているだけに後半無理はせず、しっかりと守れていた大宮。
渡邉は浦和の攻撃、特に槙野の攻め上がりについて「サイドが行くのかセンターが行くのか
しっかりと連携が取れていた」と言うように、決して慌てていない印象を受けた。
79分のセットプレイでもゴール前の混戦から槙野がシュートするもDFが体を張ってブロック。
大宮の集中の糸は最後まで切れなかった。

結局、1対0でさいたまダービーを制し、J1新記録となる18戦負け無しとなった大宮。
ゲーム後ベルデニックは、こんなことを言っていた。
「(17戦無敗記録の)鹿島はJリーグの歴史の中で優勝を何度もし、大きな結果を残している。
この記録が、我々が鹿島のように大きなクラブになる一つのきっかけになるのではないかと思う」

「マジで鹿島みたいなクラブになりそうだなこりゃ」と週末1人で感じたFoot中島より

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201108010128000[1]hiratsuka.jpg前々節は昇格圏内をキープし続ける千葉を2-0と撃破し、7試合ぶりの勝利を挙げたものの、前節は中位に付ける大分に1-3で敗れるなど、なかなか調子が上がってこない湘南。そろそろリーグも折り返し地点に差し掛かることを考えれば、1つ負けが先行している数字を、五分へ戻しておきたいゲームです。一方、先週の国立ではFC東京相手に5-0と大敗を喫した熊本。前半で退場者を出したとはいえ、試合後選手たちが口を揃えたのは「レベルが違った」というフレーズ。今日のゲームはメンタルのリカバリーが問われる一戦です。
7月最後の日にしては23.6度と相当涼しい中で始まったゲームは、まず熊本にチャンス。2分、「アジリティを期待して」(高木琢也監督)7試合ぶりにスタメン起用された松橋章太が右サイドで縦へ転がし、武富孝介の外を回った市村篤司がクロス。ボールは長沢駿にキッチリ合い、ボレーは当たらなかったものの、敵将の反町康治監督も「相手のストロング」と評した右サイドから形を創ります。
湘南も同じく2分には臼井幸平が右サイドからカットインミドルを枠へ飛ばし、熊本GK南雄太がセーブ。5分も湘南。永木亮太のパスを受けた高山薫が、左から切れ込んで枠の左へ外れるシュート。10分も湘南。菊池大介が思い切りよく放った30mミドルは、南が確実にセーブ。手数を繰り出すホームチーム。ただ、展開自体は「あそこまで下がってくるとは思わなかった」と高木監督が話した湘南が長いボールを多用したのに対して、繋ぐ意識の高い熊本はポゼッションで上回り、わずかに攻勢。
11分には湘南がボールロストを連発した流れから、西森正明が左足でクロスバーを越えるフィニッシュ。13分、武富のミドルは湘南CB大井健太郎の頭に当たり、高く上がるとクロスバーの上にヒット。14分、吉井孝輔のミドルは枠の右へ。ポゼッションの割にはミドルばかりが目立ったにせよ、熊本がある程度主導権を握っていたと思います。とはいえ、皮肉にもポゼッションが災いしてか、長沢と松橋の2トップにボールが入る場面は少なく、逆にシンプルな攻撃を繰り返す湘南に少しずつ流れが移行。
21分、臼井、永木、佐々木竜太と回り、坂本絋司のシュートは熊本のCBを務める福王忠世が体でブロック。25分には熊本に訪れたFKのチャンスを原田が外すと、ホームチームに決定機。29分、福王のパスを受けた西森が緩慢なターンでボールをさらすと、かっさらった永木の前には南とゴールだけ。シュートは枠の左へわずかに逸れ、スタンドからは溜め息も漏れますが、31分にも再び決定機。中盤でのガチャガチャした混線から、坂本が触ったボールを持ち出した永木は独走。今度は慎重に南もかわし、無人のゴールへ流し込んだはずのボールは、諦めずに全力で戻った35歳のエジミウソンが超スーパーブロック。「今までの我々にはあまりない、奪ってからのスピードアップ」(反町監督)で連続した絶好の先制機を生かせません。
さらに45分、菊池の左CKをニアに走り込んだ高山が頭に当てたボールは、ほとんどゴールに入りかけていましたが、ライン上にいた南が驚異的な反応を見せ、足でクリア。湘南からすれば、15分以降は狙いがハマりながらも、ゴールだけが生まれなかった展開。前半はスコアレスで終了しました。
後半はまず熊本にチャンス。49分、長沢の落としから、武富が右クロス。こぼれ球に反応した原田のミドルは、DFに当たってわずかに枠の右へ外れます。すると、ここを凌いだ湘南が歓喜の時を迎えたのは51分。菊池が左へ展開すると、佐々木はカットインしながら強烈なミドルを枠内へ。南も懸命に弾きましたが、ここに詰めていたのは高山。前半からプレーというよりも判断にキレがなく、なかなかゲームに入れていなかった“パイナップルARMY”が大仕事。ようやく湘南がリードを奪いました。
さて、「0対0だったら僕は引かせたと思う」と語った高木監督でしたが、ビハインドを負ったからには前へのパワーが求められる中、61分には松橋と西森を下げて、宇留野純と片山奨典を同時投入。さらに68分には最後のカードとして、吉井とファビオをスイッチすると、武富と長沢を2トップに据えて、その下はファビオ、右に宇留野で左に片山、アンカーにエジミウソンという配置で勝負に出ます。
73分にはエジミウソンを起点に右サイドで市村を経由し、ファビオのクロスに長沢が頭を伸ばしたものの、シュートには持ち込めず。75分前後からはエジミウソンをCBの間に落とし、原田と武富にボランチを組ませ、前線は右から宇留野、長沢、ファビオを並べた3-4-3に切り替え、何とか1点をという姿勢を打ち出しますが、「リードされたことで長いボールを頼りにしてきてくれた」とは反町監督。今日は石神直哉の出場停止を受けて、左SBにはCBもできる山口貴弘が入っていたため、前半から長沢は167センチとDFラインで最も背の低い臼井サイドへ流れていましたが、「自分たちの判断で幸平と健太郎が替わって対応していた」(反町監督)ことでカバー。加えて、176センチのCB遠藤航も10センチ以上高い長沢に堂々と競り勝つシーンも。チャンスを創らせません。
むしろ終盤は湘南に追加点のチャンスが連続。76分には熊本のミスパスから、永木、菊池、佐々木と繋がり、菊池のシュートはゴール左へ。77分、高山のラストパスから佐々木のシュートはゴール左へ。83分、菊池と永木でお膳立てしたハン・グギョンのミドルはバーの上へ。86分、菊池が右サイドから上げたクロスに、佐々木が頭で合わせたシュートは南がファインセーブ。最後までゴールへの意欲は衰えません。
90+2分、熊本のラストチャンス。矢野大輔のフィードをファビオがワントラップボレーを放つも、ボールはクロスバーの上を通過。「非常に気持ちの入ったゲームになった」と反町監督も評価した湘南が、難敵熊本から勝ち点3を奪取する結果となりました。
熊本はあらゆる手を尽くした感はありましたが、ゴールが遠いゲームになってしまいました。「負けるには惜しいなあというゲーム」と高木監督も振り返ったように、チーム力の差はほとんどなかったと思いますが、実はリーグワースト2位の15得点という数字を考えれば、「フィニッシュも含めて、アタッキングゾーンのクロスやクロスの入り方」(高木監督)には向上の余地がありそうです。
勝った湘南は、点が取れそうで取れなかった前半に集中を切らさず、守備陣が破綻をきたさなかったことが「どちらに転んでもおかしくないゲーム」(反町監督)をモノにした要因ではないでしょうか。ようやく底は脱した感があり、「ほとんど横一線」(反町監督)の昇格戦線に再び殴り込む準備は整いつつあるような印象を受けました。    元・AD土屋

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201107310548000[1]todoroki.jpg2005年3月12日。J1再昇格を果たした川崎が等々力に浦和を迎え、一時は2点をリードしながら終了間際に闘莉王の同点弾を食らい、勝ち点1を分け合った激闘から早6年。両者が対峙するゲームは常にスペクタクルな展開になる印象が、私にはあります。順位こそ5位と12位の対戦ですが、浦和は現在公式戦8試合負けなしと好調をキープ。好バウトの予感が漂う一戦は、キックオフ直前から雨足が増してきた等々力です。
立ち上がりから綺麗な攻撃を繰り出したのは川崎。3分、小宮山のクサビを小林はダイレクトで落とし、左に開いてジュニーニョのリターンを受けると中へ。DFのクリアを登里がシュートに変えたボールは枠を外れますが、しっかり崩してチャンスを創出します。5分には菊地が左へ正確なフィードを送り、ジュニーニョのクロスはファーへ走り込んだ田坂にピタリ。ボレーはヒットしなかったものの、加速する川崎の勢い。
ところが先制ゴールは唐突に。10分、山田直輝が左へ振ると、柏木は絶妙の浮き球スルーパス。菊地と小宮山の間から一歩前へ出たマルシオ・リシャルデスがシュート体勢に入り、小宮山が懸命に足を伸ばすと、ボールはゴール左スミへ吸い込まれてしまいます。ただ、確かに結果はオウンゴールでしたが、「ゴールに絡むプレーがしたいと思っていた」と話した柏木のパスで勝負あり。浦和が“個”の閃きで1点のリードを奪いました。
さて、エアポケットを突かれる形で失点を許した川崎は、ビハインドにもかかわらずラッシュ継続。11分には小林が繋ぎ、ジュニーニョのラストパスに登里が抜け出すも、飛び出した浦和GK加藤がキャッチ。12分にもジュニーニョとルーキーながらドイスボランチの一角を担う大島僚太のパス交換から、最後にジュニーニョが放ったシュートはスピラノビッチが体でブロック。浦和ゴールへ襲い掛かります。とりわけ、川崎で活性化していたのは左サイド。「(浦和から見た)右サイドは注意しろと言われていた」とは、右SHに入ったマルシオ・リシャルデスですが、その言葉通りに小宮山の果敢なオーバーラップに浦和が手を焼くシーンもしばしば。ゲームはかなり動きのある展開となりました。
ただ、15分を過ぎると浦和がボールを保持する時間が長くなり、同時にゲームは膠着。この理由としては、「コンディションがよくなく、動き切れていなかった」とペトロヴィッチ監督も評した1トップのデスポトビッチにボールが入らず、その下に位置する山田直輝も“受けて捌いて”にはさすがの才を発揮しますが、ゴールへ向かうプレーにまでは至らず。キープしている側にシュートまでの道筋が見つからず、自然とゲーム全体の動きが少なくなっていった印象です。
それでも30分には止まらない小宮山が、左サイドをスルスルと持ち上がって2人をかわし、枠内ミドル。44分にも小宮山のパスから、登里が同じロンドン世代の高橋をぶち抜いて上げたクロスに、走り込んだ山瀬のヘディングはバーの上へ。45+2分には浦和も小宮山のボールロストを起点に、デスポトビッチとのワンツーからマルシオが強烈な枠内シュートを放ちますが、川崎GK相澤に阻まれて追加点とはいかず。45+3分には再び左サイドの川崎。ジュニーニョのクロスに、再びチャレンジした山瀬のヘディングはバーの上へ。スコア上はアウェイチームが上回りましたが、内容はホームチームが一方的に攻め立てるような形で、前半は終了しました。
後半は開始からカードを切った相馬直樹監督。大島に替えて、病み上がりの中村を強行投入。さらに縦へのパワーを強めに掛かります。対する浦和は「プレスを掛けるラインを高めにして、真ん中が数的不利になる前に潰しきろうという形」(ペトロヴィッチ監督)をハーフタイムに指示されますが、さほどうまくいかず、やはり川崎が攻勢。
52分にはジュニーニョのドリブルがこぼれた所を、登里が枠外もシュートチャレンジ。同じく52分、中村のパスをジュニーニョがヒールで繋ぎ、右へ流れながら放った山瀬のシュートは加藤がファインセーブ。53分、中村の左CKは小林が頭にしっかりヒットさせるも、加藤が正面でキャッチ。惜しいシーンを連続して創ります。
54分には浦和に決定機。カウンターからマルシオが右へ展開し、原口のクロスはファーで待っていた山田直輝へ。ワントラップから冷静に繰り出したループは、詰めていたデスポトビッチがオフサイドを取られたため、「2-0にできるチャンス」(ペトロヴィッチ監督)は生かせませんでしたが、1つカウンターの脅威は突き付けます。
川崎も58分、田坂が相手のハンドを誘発させて奪ったFK。自ら直接狙ったボールはクロスバーにヒットし、スタンドをどよめかせるも、63分には浦和がこの日一番のスムーズな連携からチャンス。山田直輝が左へボールを送ると、柏木のパスをマルシオはダイレクトで捌き、デスポトビッチの左クロスはDFに当たり、飛び込んだマルシオの頭にも当たって、最後は相澤がキャッチしましたが、サイドをうまく攻略してみせます。
しかし、65分に山田直輝が田中と交替で下がると、直後の柏木が蹴ったFKから、こぼれを入ったばかりの田中がわずかにクロスバーの上へ外すシュートを放ちはしましたが、リンクマンを失ったことで、浦和の攻撃は停滞。逆に川崎は68分に山瀬とのスイッチでピッチへ登場した楠神が、持ち前の技術とスピードで攻撃の加速スイッチに。
79分には相手のCKから一転カウンター。ボールを持った楠神は長い距離を持ち上がりながら、最高のスルーパスを右へ。抜け出した田中裕介のシュートは、しかしここも加藤がファインセーブ。さらに83分、中村の右CKからこぼれたボール。拾った小宮山の豪快なミドルは、再度加藤がファインセーブ。トップ昇格9年目にしてリーグデビューを果たし、定位置まで掴んだ26歳が好守連発。まさに最後の砦として、「ボールを動かしながら、ゲームの主導権を握ることができた」(相馬監督)川崎の前に立ちはだかります。
90+6分のラストチャンス。福森晃斗の右CKは小林まで届きましたが、少し高さが合わなかったヘディングはヒットせず。「内容は川崎の方がよかった」と指揮官も認めながら、加藤とスピラノビッチを中心に守備の集中が切れなかった浦和が、冒頭に紹介したゲーム以来続いていた等々力でのリーグ戦無敗記録を7に伸ばして、勝ち点3を奪取する結果となりました。
勝った浦和は総シュート5本、枠内シュート2本で勝ち切る効率のよさ。「守らざるをえない形」(ペトロヴィッチ監督)の中で、加藤のファインセーブ連発も光りましたが、同様にスピラノビッチの体を張ったパフォーマンスも出色でした。「チームの中で迷いがなくなってきている」とは柏木。結果が内容を向上させるか。今後の浦和に注目です。
敗れた川崎は決定機も創り出し、「十分なボリュームを持ったゲームができた」(相馬監督)のは確か。正直、今日のゲームはツキに見放された印象で「サッカーとはこういうスポーツ」という指揮官の言葉に頷かざるを得ない気がしました。    元・AD土屋

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201107251631000[1]kokuritsu.jpg日本の夏、国立の夏。学生のフットボールファミリーにとっては、夏休みに入って最初の開催となる今節のJリーグ。首位と5位の上位対決。舞台は聖地・国立競技場です。「若い力の加速がチームの勢いを生んだ」と大熊清監督が語るFC東京。今や不動のスタメンを確保している高橋秀人と田邉草民らの台頭を受けて、「メンバーが固定できてきた」(大熊監督)最近は、前節も岐阜を4-0で一蹴するなど、ようやく“らしい”凄味が出てきました。
対する熊本も、16試合で2敗という数字は、東京、栃木と並んでリーグ最少。高木琢也監督政権も2年目を迎え、着実に昇格争いへ加わるチームにステップアップ。J2の巨大戦力にどう立ち向かうかは、知将にとって腕の見せ所でしょう。
ゲームが始まると、まず先にチャンスを創ったのは熊本。2分、原田拓の左クロスから、ルーズボールがエアポケットに。フリーになった武富孝介のシュートはDFがブロックし、拾ったエジミウソンのボレーはクロスバーを越えましたが、このゲームへ向けられた高い意欲を披露します。しかし、前半の熊本に訪れたチャンスはこれが最後。3分に田邉がミドルレンジからボレーを枠内へ飛ばし、南雄太にファインセーブを強いると、以降は「正直、向こうのレベルがすごく高かった」と原田も認めた、東京の圧倒的な攻勢が続く展開となっていきます。
7分、大きなサイドチェンジを左で受けたロベルト・セザーのカットインシュートは、何とか南がキャッチ。10分、田邉とのパス交換から完全にフリーで抜け出したロベルト・セザー対南は、コースを狭めてシュートを枠の左へ外させた南の勝利。14分、谷澤達也の左FKから森重真人のヘディングはバーの上へ。16分、谷澤の右FKからこぼれを田邉が枠内ボレーも、福王忠世が体でブロック。決定的なシーンが続きます。
東京はあらゆる面が素晴らしかったのですが、特に目立っていたのは「ボールを奪って高い位置で攻撃の起点を創ること」(大熊監督)。まず、「確かにかなり前から来てましたね」と熊本のボランチに入った根占真伍も話したように、1トップに入るロベルト・セザーがプレスを厭わず、その後ろに並ぶ田邉、羽生直剛、谷澤も“横のカーテン”的にラインを創るような守備を敢行。これで熊本はほとんど後ろからビルドアップできず、大きく蹴ってロストの繰り返しになってしまいます。
さらに、東京の繋ぐ意識はサイドアタックに直結。梶山陽平と高橋のドイスボランチを中心に、中央でのパス交換からサイドへ展開という形が多く、片方で詰まったらボランチを経由して、また逆サイドへ展開という流れもスムーズ。加えて20分にはカウンターからロベルト・セザーがしっかり繋いで、羽生のドリブルシュートは南がファインセーブで凌ぎましたが、「向こうはカウンターも最後のシュートまで行っていた」(原田)とあっては、熊本も為す術がありません。
25分、谷澤の左CKから森重真人のヘディングはGKがキャッチ。37分もカウンターから田邉がよく粘ってドリブルから左へ振ると、ロベルト・セザーのフィニッシュは南がファインセーブ。39分、エリア内で羽生が2人に前を塞がれながらも振り切ったシュートは、DFに当たってクロスバー直撃。41分、ゴールまで約30mの距離から中村北斗が無回転で枠へ飛ばしたFKも、南が何とかブロック。この時点までで、東京はシュート12本にCKが10本。一方的な展開ながら、前半は0-0で切り抜けられれば御の字という状況の熊本でしたが、43分に待ち受けていたのは最悪の事態でした。
徳永悠平が右へ振ったボールを、羽生が鋭いクロス。ニアでロベルト・セザーが潰れると、「中がスカスカだったので」全力で戻った根占は、飛び込んできた谷澤に横からチャージ。記者席から見た限りは微妙なプレーで、「僕はレフェリー次第でPKもないかと思う」とは原田ですが、審判交流プログラムで来日しているロバート・マッドレー主審はPKのみならず、根占にレッドカードを提示。これをロベルト・セザーが確実に沈め、熊本にしてみれば先制点を献上した上に、数的不利まで被る格好で前半終了のホイッスルを聞くこととなりました。
迎えた後半も続く熊本の受難。48分、梶山の何気ないクリアに、羽生と谷澤はオフサイドポジション。しかしボールに関与する意志はなく、プレーは流れましたが、福王のヘディングは左方向へ。これを戻った谷澤が拾うと、副審は1つ前のプレーを意識したのか、オフサイドフラッグを上げてしまいます。そちらがボールサイドだったこともあって、フラッグが目に入り、一瞬足が止まった熊本。一方、主審の笛が鳴らないのを見ると、一旦プレーを止めた谷澤はすぐさまボールに反応して右サイドを独走。折り返しを田邉が拾い、ロベルト・セザーからパスを受けた今野泰幸のクロスに、ニアへ潜った羽生は左足インサイドボレーをキッチリとゴール左スミへコントロール成功。あまりにも大きな2点目が東京に入りました。
高木監督も55分にはチョ・ソンジンと武富を下げて、矢野大輔と松橋章太を送り込み、システムも3-4-2にシフトして抵抗を試みますが、「11人でもやっとなのに、1人少ない状況では…」と言及したように、熊本に打つ手はなく、東京が聖地でのびのびと躍動。67分には、エジミウソンに倒されてPKを獲得した谷澤が「♪ヤザー、決めてくれ」と柏時代のチャントを受けて、自ら蹴り込み3点目。73分には田邉がクイックで右へ蹴ったFKを、呼び込んだ徳永がエリア外から豪快にネットを揺らして4点目。
そして、このゲーム最大の歓喜は87分。梶山からのミドルパスを、「一緒にプレーしていたので、私たちは連携が取れている」と信じて裏へ走ったルーカスは「ワールドクラスのトラップ」(大熊監督)で左に持ち出し、丁寧にゴールへ流し込みます。1年でのJ1復帰という、最低にして最大の目標へ向けたラストピースの復帰弾まで飛び出した東京が、「力の差は語り尽くせないぐらいある」と高木監督も脱帽した熊本を粉砕して、堂々首位を堅持する結果となりました。
敗れた熊本が監督、選手と一様に口をそろえたのは、前述していますが「レベルが違った」ということ。対戦する時期の妙もあり、最悪のタイミングで最強の相手と激突した感は否めず、スコアはショッキングかもしれませんが、選手の表情を見てもサバサバした様子。尾を引くような負けではないように感じました。
勝った東京は、「ようやくか」と一言付け加えたくはなりますが、ここに来て突出したクオリティが結果へ結び付くようになってきました。攻守両面ですべてが機能している今のスタイルこそ、おそらくサポーターが待ち望んでいた形。こうなると東京にストップを掛けるのは、至難の業になってくるでしょう。それくらい圧倒的な強さが際立つゲームでした。    元・AD土屋

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201107140023000[1]mitsuzawa.jpg破竹とも言うべき4連勝で、順位も2位まで上がってきた横浜。リーグ2番目となる失点の少なさも目立ちますが、ここに来て3戦連発と調子を上げてきた渡邉の活躍も見逃せません。一方、4試合白星から見放されている山形は、3試合続けてのノーゴールが象徴するように、ここまでわずかに10得点と深刻なゴール欠乏症。降格圏脱出に向けて、得意の三ツ沢から勝ち点を持って帰りたい所です。
公式記録の27.2度という数字よりは涼しさを感じる中でキックオフを迎えたゲームは、電光石火の先制劇。中澤のクリアを大黒が頭で落とし、谷口がスルーパスを送ると、DFの間を擦り抜けた渡邉は独走。GKとの1対1も確実に右スミへ制し、スコアボードに“1”が躍ったのはわずか開始17秒。覚醒したストライカーの4戦連発弾。両チームの今をあまりにもハッキリと映し出すような衝撃。あっという間に点差が付きました。
さて、いきなり嫌な形でリードを許してしまった山形でしたが、10分には秋葉のパスから今シーズン初スタメンとなった宮崎が左足ミドルでチーム1本目のシュートを放つと、直後にも下村が粘って左へ回したボールを太田が繋ぎ、宮沢がGKにキャッチされたもののシュート気味の鋭いクロス。13分には石川の右FKから、こぼれを左へ展開すると、宮崎のクロスに合わせた太田のボレーは横浜の小林に体でブロックされるも枠内へ飛ぶなど、チャンスを連発。ゲームの入りは最悪でしたが、全体のラインもコンパクトに保ち、ボールアプローチでも上回った山形にペースは傾きます。
この流れに関しては、確かに山形もよかったのですが、「先制でちょっと緩んだのか、特にパスミスが多かった」と木村和司監督が苦虫を噛み潰したように、横浜の低調なパフォーマンスに因る所も大。「自分たちの攻撃でミスがあって、そこからカウンターを食らってた」とは中盤ダイヤモンドの底に入った小椋。とりわけ右サイドに位置する中村は、普段のクオリティから考えれば信じられないようなイージーミスの連続。途中からは完全に山形のボール奪取のターゲットになってしまい、34分にはその中村のパスミスをかっさらった宮崎が右サイドからドリブルで切り込み、フリーの太田はシュートを大きくふかしてしまったものの、決定機にまで結び付けられてしまいます。
さらに37分には、エリア外でルーズボールを収めた秋葉がハードヒットさせた左足ボレーは、クロスバーにもハードヒット。そもそも石川が戦列復帰したことで、山形は「左サイドからの攻撃はうまくできていた」(宮崎)上に、横浜はそのサイドでのボールロストが多い状況に、木村監督もたまらず2トップ下の谷口と中村を入れ替える処置。リードは横浜でしたが、ゲームの主導権は山形が握って、最初の45分間は終了しました。
後半はスタートから膠着した展開ながら、リズムは変わらずやや山形。55分には、右サイドから上がった園田の高精度アーリークロスに、飛び込んだ太田はわずかに届きませんでしたが、右サイドも活性化。「相手の思惑通りに進んでいないのは感じてた」と下村も振り返ります。
すると、57分にはやはり左サイドからチャンスメイク。秋葉が溜めて溜めて縦へ送ると、宮沢はDFとGKの間にグラウンダーのクロス。流れたボールを拾った宮崎が思い切り良く右足を振り切ると、軌道は枠を外れていましたが、ボールスピードが速かったために中澤へ当たり、そのままゴールへ吸い込まれます。「とりあえず蹴ったら、当たって入っちゃったみたいな。ラッキーでした」と本人も語った通り、確かに運も味方しましたが、流れを見れば必然とも言うべきゴール。スコアはタイに引き戻されました。
先に動いたのは木村監督。63分に中村と大黒を下げて、小野とキム・クナンを同時投入。なかなか上がってこない全体の機動力へてこ入れを図ります。70分には横浜に決定的なチャンス。小野がドリブルから左へ振ると、そこにはフリーのキム・クナン。ところがフィニッシュは、飛び込んだ山形DFが懸命のブロック。絶好の得点機も生かせません。
こうなると、「足が相当止まっていた」(下村)横浜に対して、山形がラッシュ。73分、石川のピンポイント左クロスに太田が合わせたヘディングは、今日2回目のクロスバー直撃。76分、秋葉の巧みなヒールパスから、追い越した石川のクロスはわずかに中央と合わず。78分、反応の鈍い2人の相手を尻目に、右サイドの深い位置でルーズボールを奪った大久保は中へ。フリーで走り込んだ下村のシュートはバーを越えましたが、勢いはアウェイチームにありました。
そんな中、山形は78分に「彼のクロスを考えると1枚前で使いたかったが、首が痛いということで」(小林監督)石川と小林亮をスイッチ。同時に園田と宮本も入れ替え、「守備的にできる選手」(同)を両SBへ配置することで、指揮官は少なくとも勝ち点1は確実に手に入れたい采配を奮います。
お互いに悠、アーリアジャスールと“長谷川”を3枚目のカードとして切り合い、迎えた4分の追加タイムも着々と経過。三ツ沢をドロー決着の雰囲気が支配する中、94分30秒を回った、まさにラストプレー。カウンターから獲得した右CK。兵藤が蹴ったボール。競った2人のDFより高く高く舞ったキム・クナン。頭にヒットした球体は左のポストへぶつかり、転がり込んだ行方はトリコロールの咆哮。昨年在籍したものの、真価を発揮したとは言い難かった古巣を、絶望に突き落とす痛烈な一撃。勝ち越しゴールと同時にタイムアップ。「最初の15秒と最後の15秒だけのゲーム。こういう勝ち方もあるんだな」とは木村監督。苦しみながらも、何とも好調のチームらしい勝負強さを発揮した横浜が、着実に勝ち点3を積み上げる結果となりました。
「中身は何もない。結果オーライにしちゃいけん」と指揮官も吐き捨てた横浜は、確かに見るべき部分の少ない90分プラスアルファに。「途中から4-4-2のドイスボランチにして、自分たちもブロックを作った方が、こういう相手にはバランスが良くなっていたかもしれない」と小椋。その見方は一理あるように感じました。
敗れた山形は、率直に言って「もったいない試合」(小林監督)の一言。2度のクロスバー直撃など、ツキに見放された面もありました。ただ、最後の失点の伏線になったのは、少し雑な攻撃から食らったカウンター。「バランスをもう少し考えていれば勝ち点1は取れたはず」(小林監督)なのも確かであり、ディテールではあるものの、だからこそ“3”なのか“1”なのかを突き詰めないと、結局“1”を獲得するのも難しいという厳しい現実を、改めて痛感させられるゲームになってしまいました。   元・AD土屋

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201107101715000[1]nisikyo.jpgJ1からの降格チームであり、新監督に日本代表のコーチを務め、甲府を昇格に導いた経験を持つ大木武氏を招聘したことで、今シーズンの有力な昇格候補と目されていた京都が苦しんでいます。現在は直近の連敗含む3戦勝ちなし。トータルでも3勝3分け8敗の17位と、まさかの下位に低迷。何とか浮上のキッカケを掴みたい所でしょう。一方、8勝4分け2敗の2位と昇格圏内をキープし続けている栃木は、ここ7試合負けなしと、もはや上位の貫禄すら付いてきた印象。対照的な両チームの激突は、18時キックオフでも暑さの残る西京極です。
立ち上がりから、なかなかお互いに攻撃の手数を出し切れない中、7分には京都に決定機。渡部博文の「安易に出したパス」(松田浩監督)をかっさらった京都は、高い位置からカウンター。伊藤優汰のラストパスに、内藤洋平がコースを狙ったシュートは右ポストを直撃。中山博貴がこぼれに詰めるも、カバーに入った栃木DFが何とかクリアで逃れましたが、栃木からすれば嫌なゲームの入り方になってしまいます。
ただ、それでもチャンスを創り出すのは勢いの為せる業か。10分には角度のない所から、チェ・クンシクがシュートを枠へ飛ばすと、2度目のチャンスは確実に。15分、右サイドから杉本真が入れたアーリークロスを、うまい体の使い方で収めたチェ・クンシクは、コースを狭めるべく飛び出したGK水谷雄一の股間を射抜く、冷静な一撃。アウェイチームが、先にゴールを記録しました。
さて、決してリズムは悪くないにもかかわらず、先制を許してしまった京都ですが、失点以降もいい形は創ります。20分、エリア内で収めたドゥトラのシュートは、わずかに枠の左へ。22分、中盤ダイヤモンドの右に入った駒井善成が右へ流し、3トップの右を務める伊藤を追い越した、3バックの右を務める酒井隆介のクロスはDFがクリア。23分、駒井が右へ振ると、伊藤はピンポイントで折り返し、力んだドゥトラのシュートはヒットしませんでしたが、完全に栃木を崩してチャンスを量産します。
京都が攻撃的に出ていけた理由は主に2つ。1つは「こぼれをドゥトラに拾われて、ターンされることが多かった。彼をフリーにし過ぎた」と栃木の松田浩監督が話したように、チームトップスコアラーの久保裕也が期末テストのために試合を欠席する中で、3トップのセンターに入っていたドゥトラが時には中盤まで降りてボールを引き出したりと、広範囲に渡って基点創りに奔走。「CB2人がドゥトラへチェックに行かず、見ているシーンは問題だった」と松田監督も話した部分については、当のCB大和田真史も「ドゥトラ1人にラインを下げられることが多かった」と振り返るなど、ドゥトラへの対応で後手を踏んだ感は否めません。
もう1つは、「ドゥトラはCB2人が見て、3トップのサイドはSBに任せた」(大和田)栃木に対し、特に3トップの右に入った伊藤が自由を謳歌。伊藤はかなりワイドに張り出していましたが、「駒井や内藤さんがドゥトラとの間に入って、受けたボールを僕にくれたのでやりやすかった」とは本人。大和田も「伊藤にボールが収まっているイメージはあった」と認めています。
結果としてスコアは0-1で栃木がリードしていたものの、「あまりにも前半からミスが多かった」(松田監督)栃木に、「今まで出たゲームの中で、前半は一番楽しかった」と伊藤が話した京都。結果と内容が相反する形で、45分間は終了しました。
後半は負傷の影響と、「3バックの外側をうまく使ってくれれば」という指揮官の思惑で、栃木はスタートからチェ・クンシクと廣瀬浩二をスイッチしましたが、流れは変わらず。57分には、またも右サイドを崩して獲得した右CK。チョン・ウヨンのボールはDFがクリアしましたが、拾った中山の鋭いクロスを秋本倫孝が折り返し、ドゥトラのヘディングはGKキャッチ。61分には中山、内藤、駒井と繋いで、伊藤の狙いすましたシュートはバーの上へ。やや膠着状態ではありましたが、ペースは京都が握っていました。
ところが伊藤に対して「だんだんボールがもらえず、仕掛ける位置が低くなってきた」と判断した大木監督が、62分にその伊藤を下げて中村太亮を送り出すと、「向こうの選手交替で流れがこっちに来たかなと思った」と松田監督も言及したように、流れが一変。64分にリカルド・ロボがエリア内でさすがの切れ味から枠内シュートを飛ばすと、杉本に替えて松田監督が2枚目に切った水沼宏太というカードも加速装置に。67分には、その水沼が右サイドで素晴らしい縦パス。走った廣瀬のクロスにロボが合わせるも、ボールはゴール左へ。74分、鋭い出足でボールカットした本橋卓巳がそのままボレー。栃木が攻勢を強めます。
大木監督も74分には安藤淳に替えて中村充孝を投入。75分には水沼の左クロスから高木和正が、76分には高木のCKから大和田が、それぞれチャンスを外し、以降は京都も持ち直しますが、思いの外に失われた“12分間”の影響は大きく、決定的なチャンスは創れません。
そして終了間際に迎えた京都のラストチャンス。90+2分、自ら倒されて獲得したFKのスポットに立ったのはドゥトラ。目的地までは約25m。静まり返る西京極。走り出す9番。すると、ボールは左に弧を描いて描いて、目的地へ見事到達。爆発するピッチ、ベンチ、スタンド。「最後までよく戦ったと思う」と大木監督も語った京都が劇的な同点弾で、勝ち点1を強奪する結果となりました。
栃木は「全体としては低調な出来」と松田監督が渋い表情を浮かべたように、普段はあまり見られないようなイージーミスが多く、自ら流れを手放してしまったような印象です。ただ、それでもアウェイで勝ち点1を積み重ねたのは、内容を考えれば十分な成果。上位チーム特有のしぶとさを感じました。
京都は「悪くないゲームだった」と大木監督が話した通り、大半の時間で主導権を握ってゲームを進めており、最初の決定機をモノにしていれば、あるいは大勝の可能性もあったはず。それでも最終盤に追い付いてのドローは、今後への“キッカケ”として十分な要素でしょう。駒井、伊藤、酒井とルーキーも確実に計算できる戦力へと成長しているだけに、一度波に乗り切ればまだまだ上位への道は閉ざされていないと思います。   元・AD土屋

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201107040233000[1]NACK.jpg今シーズンのJリーグ七不思議に入って来そうなトピックスは“ホーム未勝利の大宮”。4勝6分け3敗の10位と、数字だけ見れば決して引っ掛かることのない成績にもかかわらず、ホームに限ってみれば3分け3敗という現状。サポーターのためにも、そろそろ勝ち点3という歓喜をNACK5にもたらしたい所です。
対する広島は、前節のG大阪戦で打ち合った末に5-3で敗北。今日の一戦を「美しさではなく、どうしても3ポイントを取りに行くゲーム」(広島・ペトロヴィッチ監督)と位置付け、リアリスティックに勝ち点を拾う意識を、ある程度選手に徹底させた様子。そしてゲームは、そんな広島の意図が色濃く反映された展開になっていきます。
4分、石原が置いたボールをイ・チョンスがミドル。7分、東、石原と繋いでイ・チョンスがミドル。9分、石原が粘って残し、上田がミドル。12分、ラファエルが右へ展開すると、受けた東の左足アーリークロスに、ラファエルが頭から飛び込むも西川キャッチ。13分、村上の左クロスを森崎和幸がクリアし損ねたボールは、あわやオウンゴール。15分、上田の右CKはエリア外で待つ村上に渡り、ワントラップからのシュートはDFがブロック。17分、右サイドから上田が上げたクロスに、ラファエルが合わせたヘディングは枠外。ラファエルのパートナーには石原を起用し、イ・チョンスを左SHに回す「攻撃的なチームには攻撃で上回らなくてはいけない」という指揮官の言葉通りに、大宮が圧倒的に攻め立てます。特にここまで名前がよく出てきていることからもわかるように、今シーズン2試合目のスタメンとなった石原が積極的にボールを引き出し、チームにいいリズムを生み出していました。
一方の広島は20分、森崎和幸の鋭いタックルから李が左へ回し、ムジリが無理矢理打ったミドルがファーストシュート。「前の3枚が攻撃の所で早くボールを失うシーンが多かった」というペトロヴィッチ監督の言葉も確かにその通りですが、そもそもチームとして勝負させていたポイントは基本的にミキッチの右サイドくらい。3バックの中央を務める森崎和幸も「サイドでボールを持たれても、最後の所は体を張ろうと思っていた」と話しています。
こうなるとボールを保持している時間は長いものの、相対的な意味で“持たされている”ような大宮は「前半はミドルシュートが多いので、決定的な所まで行けていない」と鈴木淳監督も話したように、広島のブロックを切り崩すような仕掛けに乏しく、かなりゲームは膠着状態に。35分にはイ・チョンスが巧みなステップで左サイドをえぐり、折り返したボールをラファエルがフィニッシュへ持ち込むも、枠を捉えられなかったシーン以外は、ほとんどチャンスらしいチャンスも創れないまま、前半終了のホイッスルを聞くことに。「前半で点を取られたら負けると思っていた」(森崎和幸)広島からすれば、納得のスコアレスで45分間を終わらせることになりました。
ハーフタイムを挟み、迎えた後半のファーストチャンスを結果へ結び付けたのは広島。49分、3対3のカウンターに対して、やや淡泊な大宮ディフェンスの対応から得たCK。森崎浩司の蹴ったボールに、マーカーを完全に外して頭を振ったのは盛田。元ストライカーのJ1通算3ゴール目は、チームのプランを考えてもかなり大きく、かなり重要な一撃。チーム3本目のシュートで、広島がスコアを動かしました。
さて、最初の被決定機で先制を許してしまった大宮。失点直後は少し押し込まれたものの、56分にカウンターから東、シュートを打ち切れなかったイ・チョンス、村上と繋がり、最後は石原がバーの上へ外したとはいえ、惜しいシーンを創出すると、再び攻勢に。57分にも石原とラファエルで回すと、DFが触ったボールを東が枠へ飛ばし、西川のセーブに阻まれますが、スタジアムを沸かせます。
すると61分、キム・ヨングォンに当たったような形のボールは、前線にいたラファエルの元へ。スルーパスに石原が抜け出すと、飛び出した西川と接触して転倒。西村雄一主審はPKを指示します。絶好の同点機に、キッカーはラファエル。ゆっくりとした助走から左へ蹴られたボールは、しかし完璧に読み切った西川が完璧なセーブ。「みんなに迷惑かけたくない気持ちが強かった」という守護神のビッグプレーが飛び出し、ゴールを許しません。
以降も構図は変わらず、「DF3人とGKも含めて、後ろだけでも我慢しようと話していた」(森崎和幸)広島は、最後の局面一歩手前でしっかりチャンスの芽を潰す意志統一を見せ、危ないシーンもそれほどありません。71分には広島の最終ラインで信じられないパスミスが発生しましたが、石原はシュートを打つまでにもたついてしまい、枠へ飛ばせず。
79分には青木に替わって藤本、84分にはイ・チョンスに替わって渡邉と、選手も入れ替えながら、なんとか1点を返そうと大宮が前掛かりになる中、「守備でしっかり全員が集中して戦った」(ペトロヴィッチ監督)広島の堅陣は揺るがず。90分に追加された4分も潰し切ったアウェイチームが、「我々は決して相手よりベターではなかった」と指揮官も認める中、粘り強く勝ち点3を持ち帰る結果となりました。
敗れた大宮からすれば、「選手がよく頑張ってくれて、非常に良いゲームができた」という鈴木監督の言葉にも頷けるような内容だったと思います。ただ、シュート数も17対5と圧倒し、ボールも長く保持しながら、手元に残った勝ち点はゼロ。振り返ればラファエルのPK失敗よりも、前半にあった決定機逸が最後まで響きました。
勝った広島は、「決して良い勝ちであるとは思っていない」とペトロヴィッチ監督は話しましたが、おそらく今日のプランから考えれば、パーフェクトに近い勝ち点3奪取。完封の立役者と言っていい森崎和幸は「この時期は運動量も上がらないが、こういう勝ち方もしていければ、涼しくなった時にパスサッカーもできると思う」と長いスパンで考えた際に、この勝利が持つ意味の捉え方を披露。夏の戦い方という面では、単にいい悪いということではなく、非常に興味深い内容と結果のゲームだったと思います。  元・AD土屋

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201107030203000[1]hira.jpg4試合続けて無得点での4連敗を喫し、ズルズルと順位が下がってきてしまった湘南。4試合ぶりに帰ってきたホーム平塚でなんとか負のスパイラルを脱出したい所です。対する東京Vは5点、4点、3点と3試合で12ゴールを奪う好調をキープ。特に前節は水戸に前半で2点を先制されながら、終わってみれば3点を奪い返しての大逆転勝利。順位も9位まで浮上するなど、現時点ではJ2屈指の勢いを有しています。実は5勝3分5敗で勝点18同士の対戦。現状の混戦模様を考えれば、勝った方が上位に食い付いていく可能性の高いゲームは平塚です。
湿気の高いコンディションもあってか、お互いに攻撃の手数も少なく、少しフワッとした雰囲気で立ち上がったゲームは、唐突に動いたスコア。10分、マラニョンがラインの裏へうまく抜け出し、戻ったマーカーも何とかクリアしたものの、ルーズボールにいち早く反応したのは飯尾一慶。左足で右スミを確実に射抜き、アウェイの東京Vがチームの好調そのままに先手を取りました。
さて、またもビハインドを背負ってしまった湘南。前線の顔触れも試行錯誤が続く中、今日は「機動力を生かすことが大事かなと感じて」と反町監督が説明した佐々木竜太と高山薫の2トップでスタートしましたが、ここと周囲のコンビネーションがなかなか合いません。「相手の2トップがポストタイプではないので、前へ行き過ぎないようには考えていた」と話したのは東京Vの高橋祥平。その高橋と土屋征夫で組むCBは2人とも前へ強いタイプですが、どちらかと言えば独力での突破に特徴を持つ相手2トップをうまく封殺。16分には菊池大介が放った枠のわずか左へ外れるミドルと、20分には中盤で囲まれた小林祐希のロストから、高山にドリブルシュートを許した2つのシーン以外は、チャンスを創らせません。
すると30分、「タクマくんの所でボールが収まるのでやりやすい」と左SBの和田拓也も称賛する阿部拓馬が、ラインブレイクの才も発揮。小林がDFラインの裏へ最高のミドルパスを落とすと、並走していたマーカーを置き去り、飛び出したGKの頭上をフワリと破るループで、ゴールを陥れます。全体的にボールを持つ時間が長かったのは湘南だった印象ですが、スコアは東京Vの2点リードという形になりました。
嫌な流れを断ち切れないホームチーム。ただ、アジエルだけは右サイドから中央辺りをうまく漂い、可能性を感じるプレーを披露します。これには川勝良一監督も「マラニョンの守備が遅れてて、アジエルに(和田)拓也の前を使われた」と言及。当の和田は「アジエルに付きっきりになってしまった」と状況を振り返ります。
するとおそらく反町監督が2トップに期待したであろう“個”の発露は35分で、やはり右サイドから。鎌田翔雅が裏へ入れたボールを、ややルーズな対応になった和田と体を入れ替えた高山が中へ送ると、ニアで潰れた味方を尻目に、ファーで待っていた佐々木が素早くプッシュ。2トップの持ち味がよく出た一発。スタジアムがようやく揺れます。さらに43分にはトリッキーなFKから、アジエルが左へ振ったボールを高山が折り返すと、大井健太郎が放ったボレーは東京Vの人垣がブロック。流れをわずかに引き寄せます。
ところが、これを持続させられないのが苦しい現状か。45+2分、飯尾のリターンを受けた阿部がエリア内へ侵入すると、湘南CB遠藤航と接触して転倒。かなり微妙なシーンではありましたが、福島孝一郎主審が指し示したのはペナルティスポット。「自分が取った時は自分で蹴ろうと思っていた」阿部がGKの逆を付いて確実に加点。1-3でアウェイチームが小さくないアドバンテージを得て、前半は終了しました。
「相手が前半で3点取れたということは、我々も取れるということだ。強い気持ちを持って戦え」と指揮官から檄を飛ばされた湘南。後半スタート早々の46分には、右サイドから鎌田が入れたグラウンダーのアーリークロスを、高山がダイレクトでシュート。ボールはクロスバーを越えたものの、まずは気持ちを見せて残りの45分間へ入ります。それでも50分には和田が左サイドからカットインミドルを枠内へ飛ばすと、54分にも菊岡拓朗の左CKを土屋が高い打点でヘディング。4点目には至りませんが、東京Vもペースを簡単に渡しません。
58分に反町監督が1枚目の交替策。苦しいゲームとなった高山を下げて、今シーズン2試合目の登場となる中村祐也をピッチへ送り出します。これで少し前線にリズムが生まれ、64分には左サイドでその中村が直接FKを狙うシーンを迎えるなど、2点目への期待がスタジアムへ確実に高まる中、71分にカウンターから菊岡のスルーパスへマラニョンが反応。1対1は西部洋平に軍配が上がったものの、「スピードや判断をできるだけスピーディーにして、相手の背中で勝負する」(川勝監督)東京Vにチラつかされるナイフも脅威となったか、湘南はいい流れの時間帯が続きません。
79分には石神直哉とアジエルに替えて、田原豊とルーカスを投入し、3-4-3にシフトした湘南は直後の80分、佐々木の強引な突破から、菊池が枠の右へわずかに逸れる決定機を迎えましたが、以降は「苦しかったけど、気持ちで負けたら終わりだと思ってたんで」と笑った高橋の奮闘も含む、東京V守備陣の集中は切れず。「連戦の最後、ここで連勝を止めたくない」という監督の想いに応えた東京Vが怒濤の4連勝を飾る結果となりました。
勝った東京Vで目立っていたのは飯尾のバランス感覚。「マラニョンとチビ(飯尾)はお互いが入れ替わるということで、固定ではない」と話す川勝監督も「チビが気を利かせている」と認めたように、後半は少しアジエルのケアも含めてか、飯尾が左サイドをケアする時間が長く、これが奏功した形で、前半は突かれていたサイドにうまく蓋。アジエルも決定的な仕事はできず、79分に交替を余儀なくされてしまいました。先制弾も含めて、飯尾の貢献度は非常に高かったと思います。
さて、これで5連敗となった湘南は、「こういう流れのよくない時に、簡単にゴールまで運ばれてしまう」(反町監督)ことも目に付きますが、まずチームから覇気が感じられません。七夕仕様のユニフォームも流れを変えることはできず、サポーターも短冊に願いとして書き込みたいことだらけであろう現状を、どう打破するかは歴戦の将・反町康治にとって腕の見せ所です。  元・AD土屋

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201106300018000[1]chiba.jpg前節、栃木との頂上決戦は激闘の末にドロー。首位奪取とはいかなかったものの、絶対的なターゲットであるオーロイを欠きながらも、代役の久保裕一が奮闘を見せ、一定以上の内容を保っていたことは、千葉にとって1つ今後に向けての指針となり得るゲームだったはずです。逆に、現在3連敗と下降傾向にある湘南。特にここ2試合は、無得点の上に連続4失点と安定していたはずの守備が崩壊。嫌な流れをせき止めるためにも、アウェイとはいえ負けは許されない一戦と言えるでしょう。
湘南がエンドを入れ替え、千葉のキックオフで始まったゲームはまず2分、伊藤大介の左FKをオーロイが頭で落とし、佐藤勇人がワントラップから左足ボレーをバーの上へ。9分、伊藤の今度は右CKから、ニアへ走り込んだオーロイのボレーは大きく枠の右へ。11分、オーロイのポストプレーから、伊藤を経由して深井正樹が放ったミドルは、湘南GK西部洋平がキャッチ。最初の15分はチャンスの数で言うと、千葉が上回ります。
ただ、千葉の攻撃は「最もやり方が徹底しているチーム」と湘南の反町康治監督も話したように、当然オーロイへのロングボールが基本的には最優先。「セットプレーの時は僕が競って、CBがセカンドを拾い、流れの中からはCBが競って、僕がセカンドを拾うという話はしてた。前半は割とよくできていたと思う」とは、4-1-4-1の中盤1枚アンカーを務めた松尾直人。確かに、攻撃の大半がオーロイに入れてからということを考えれば、2回のセットプレーを含む3回のピンチというのは決して多くない数字。湘南からすれば、「プランに向こうが合わせてくれた」(反町監督)という感覚が、確かにあったかもしれません。
そうなると、“よい攻撃はよい守備から”。13分に放った松尾のミドル、19分に田原豊が強引に打つも菊池大介に当たったミドル、さらに23分にも坂本が放ったミドルと、この3本すべてにラストパスを出していたアジエルが、うまくボールを引き出し始め、流れは湘南へ。加えて23分のシーンはアジエルの守備が起点になってのチャンスと、10番の精力的なプレーがチームへ推進力を与えます。
すると26分、臼井幸平のフィードにマーク・ミリガンと並走していた田原は、エリア内で体を入れ替えて一歩前へ。直後、ミリガンともつれて倒れるも佐藤隆治主審のホイッスルは鳴らず。激高する湘南ベンチ。反町監督も珍しくテクニカルエリアを出て抗議しますが、当然判定は覆りません。それでも34分には石神直哉、菊池、田原、アジエルと繋いで、最後に受けた田原はシュートまで至りませんでしたが、かなり綺麗な形も創出するなど、「ゲームプラン上は悪くない」(反町監督)湘南の方が、ゴールの匂いを漂わせていたと思います。
そんな中、ゴールが生まれるのは一瞬で。38分、湘南は自陣深い左サイドで千葉のプレスを受け、クリアを中途半端に中へ。「あそこは反応が遅れた」と松尾も振り返る場面でボールを収めたのは、そこまでほとんどゲームに入れていなかった米倉恒貴。至近距離からのシュートは、西部が抜群の反応で弾き出しましたが、こぼれを見逃さなかった深井がプッシュ。「半分は米倉のゴールだと思います」と照れた得点ランク単独トップの9番が一仕事。千葉が先制ゴールを挙げました。
さて、前半の最後に気になるシーンが。45+3分、湘南のCK。キッカーの永木はCBの大井健太郎が上がってくるのを待っていると、主審はそれを待たずにホイッスルを吹き、前半を終了させます。確かに追加タイムは2分と掲示されており、所定の時間を過ぎているので、その判断は問題ないと思いますが、実は直前に石神が長い時間倒れ込んでいました。湘南側はアピールしていましたが、主審は気付いてか気付かずか、ゲームを止めずに続行。そしてCKは認められずという経緯。おそらく一度ゲームが止まっていれば、CKを蹴ることができたであろうことを考えると、湘南にしてみれば何とも言えない一連になってしまいました。
さて、前半の45分間を「湘南の4-1-4-1の形でどこにスペースが生まれるかを見つけることが、あまりうまくいってなかった」と感じていた千葉のドワイト監督は、後半開始からの交替を決断。オーロイを下げて、前節はスタメン出場した久保を送り込みます。この采配が、結果的にペースを千葉にグッと引き寄せる要因となりました。
「大きくサッカーは変えてない」(深井)ものの、元々「(伊藤)大介はいっぱいボールに触ってリズムを創るタイプで、ヨネや勇人とポジションチェンジすると右サイドが生きて、逆サイドの自分も生きる」と深井が話したように、右にいる伊藤がいい意味で流動的に動き回ることが、千葉にアクセントを加えているのですが、オーロイより機動力に優れる久保が、自らの下に並ぶ3枚と有機的に絡むことで、長いボール以外の選択肢が一気に広がります。
すると57分、次のゴールは地上戦で千葉。深井のパスを受けた米倉が左サイドから折り返し、久保の前を通過したボールに飛び込んだ佐藤のシュートは、西部の脇をかいくぐる追加点に。キャプテンの今シーズン初ゴール。平日にも関わらず、9228人も詰め掛けた観衆の大半を占める黄色が沸騰。点差は2点に開きました。
まずは1点を返したい湘南も、64分に2枚替え。菊池と坂本絋司を下げて、ルーカスと平木良樹を投入。中盤もダイヤモンドにシフトして、2トップと、その下に置いたアジエルで反撃を試みたい所でしたが、「ボールを収める所で収められなかった」と指揮官も振り返ったように、前半から孤立しがちだった田原は、布陣変更を経てもチームの基点にはなりきれず、75分にピッチへ登場した高山薫も、カンフル剤とまではいきません。
一方の千葉は「大人のサッカーができたのではないかと思う」とドワイト監督も満足そうに語った通り、後半はある程度余裕を持ってゲームをコントロール。深井も「2-0になってからは、そこまで動かないでもサッカーできた」と手応えを掴んだ様子。ゲームは2点差が付いたままで、終了のホイッスル。「ホームでエンターテイメント性の高いゲームができた」とドワイト監督も納得の内容で、千葉が湘南に快勝を収めました。
敗れた湘南は泥沼の4連敗。オーロイはうまく消していたものの、「オーロイじゃない所からの失点だったので悔やまれる」と松尾が話したように、ペースを握っていた中での失点が最後まで響いた格好です。ただ、2点目は完全に崩された形。「後半になって地力に優る方がだんだん優位性を保ってしまった」と反町監督が話したように、現状では少し力の差があったのではないでしょうか。
勝った千葉は「自分たちが主導権を握れる時間が長くなってきた」という深井の言葉にもあるように、“オーロイ以外”が攻撃の形と替わりの選手両面で出てきている印象です。本来、選手層はJ2でもトップレベル。ハッキリした形のベースに彩りが加わってきた今の千葉は、パレットに出された様々な色が、調和の取れた1つの色にうまく混ざりつつある状況に似ているのかもしれません。  AD土屋

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201106270138000[1]jef.jpg7勝2分け2敗、勝ち点23で並ぶ2位と1位の直接対決。わかりやすい204センチのターゲットと、普通では考えられないロングスローワーを得て、J2の序盤戦を席巻した千葉。一方、松田浩監督らしいキッチリとした4-4-2スタイルはベースに持ちながら、ゲームの流れを見て選手たちがフレキシブルに修正を図れる領域まで確実に到達している栃木。共に黄色を基調とした、関東に本拠地を置くチーム同士の対峙。おそらくここまでのJ2全体を見ても、最大のビッグマッチでしょう。ゲーム前から両チームのサポーターもヒートアップ。栃木のCB渡部博文も「アップしている時から絶対に勝ちたいという、いいモチベーションになった」と話す最高の雰囲気に包まれた一戦は、栃木のキックオフで幕が開きました。
ゲームはいきなりフルスロットル。2分、大久保裕樹のロングスローをチェ・クンシクが頭でフリックすると、右足のアウトサイドで押し込んだのはリカルド・ロボ。千葉のお株を奪うかのような形から、最後はさすがの嗅覚を見せたブラジル人ストライカーの先制弾。いきなり栃木が先制します。これで勢いに乗った栃木は猛ラッシュ。4分、左サイドのタッチライン際で粘り強くマイボールに収めた水沼宏太のシュートは千葉GK岡本昌弘がファインセーブ。そのCKから、鈴木修人の蹴ったボールは、水沼が頭で合わせるも当たりが弱く、岡本がキャッチ。6分、パウリーニョの縦パスを高木和正がヒールで流すと、リカルド・ロボのボレーは枠の右へ。4本のシュートを序盤に集めます。
「立ち上がりはよくなかった」というドワイト監督の言葉を聞くまでもなく、苦しい展開を強いられた千葉。オーロイを出場停止で欠く中、「オーロイがいなかっただけで他は変わらない」(松田監督)「オーロイがいてもいなくても同じようなやり方」(水沼)と2人が口を揃えたように、スタイルは一緒。9分に伊藤大介の左CKは、二アの混戦からクロスバーにヒットしますが、この辺りから流れが一変します。
シュートこそなかったものの、ジワジワと千葉が押し込み始め、サポーターが創り出す「一種独特の雰囲気」(松田監督)もホームチームを後押し。すると25分、栃木のクリアを拾ったファン・ゲッセルが左へ振ると、「ファーストタッチが真ん中に入って、ファーに蹴るのが難しかったので、アウトにかけてニアを狙った」深井正樹のミドルは、イメージ通りの完璧な軌道を描いてゴールに突き刺さるゴラッソ。スコアは振り出しに戻されます。
止まらない千葉特急。34分、青木良太のスローインから、久保裕一が左サイドをドリブルで運んでクロス。DFに当たり、フワリと中央へ浮かんだボールを、走り込んだ米倉恒貴がボレーでプッシュ。「いいリカバーをすることができた」とドワイト監督も評価した逆転劇。スコアは引っ繰り返りました。
10分過ぎからかなりの劣勢に陥った栃木。「久保へのロングボールが多く、ポジション間が開いてしまって、セカンドを拾えなかった」とはCBの渡部。そのセカンド奪取で後手に回ったボランチの鈴木は「ウチの2トップを相手のボランチまで戻らせるのかどうかを、ハッキリさせればよかった」と詳細な補足。鈴木は攻撃面でも「もっと簡単に裏のスペースを使えれば」と、攻守両面でうまく回らなかったチームを振り返ってくれました。
ただ、そこで終わらないのが首位に立っているチームの証か。37分、チェ・クンシクのパスから鈴木が右クロスを送り、水沼がヘディングを枠へ飛ばすと、わずかに引き戻したゲームの波をしっかりキャッチ。40分、那須川将大の右FKはゴール前で混戦に。左へ流れたボールに反応したリカルド・ロボは、なくなった角度などものともせず、豪快に千葉ゴールをぶち抜く同点弾。様々なエッセンスが凝縮されたような前半は、スペクタクルという面でも申し分のない4ゴールが生まれる45分間。首位攻防にふさわしい展開で、ハーフタイムを迎えました。
後半はスタートから「まず1回落ち着こう」と声を掛けた松田監督が交替策。負傷を抱えるチェ・クンシクと廣瀬浩二を入れ替え、前の機動力を高めます。52分は栃木。高木の右FKはサインプレー。大外でフリーになっていた大久保は、ワントラップからシュートを放つも、揺れたのはサイドネットの外側。56分も栃木。カウンターから高木のクロスが中央でこぼれると、拾ったパウリーニョのミドルはわずかにバーの上へ。62分は千葉。カウンターから米倉が右へ送ると、佐藤勇人はすかさず逆サイドへ。フリーの久保はオフサイドになりましたが、チャンス創出。どちらもペースは取り切れない中でも、特に守から攻への切り替えはお互いに速く、カウンターが大事な要素となっていきます。
65分には千葉。伊藤、米倉、青木良太とボールが回り、久保のシュートは栃木GK武田博行が弾き出し、ゴールならず。69分は栃木。これもハーフカウンターから水沼のパスを鈴木が粘って前へ。上がっていたSB宇佐美宏和のクロスはファーへ流れてしまったものの、双方チャンスの芽は覗かせます。
71分、ドワイト監督が1枚目のカード。久保を外して青木孝太を送り込み、前線でターゲットとなる選手のタイプを変えてきました。75分は一瞬のエアポケット。狡猾なリカルド・ロボが突如放ったミドルは、何とか岡本がセーブするも、流れと関係なく訪れたリカルド・ロボの決定機。一瞬の怖さを植え付けます。83分は千葉。山口慶のフィードを、深井がドリブルから左へ送ると、米倉の決定的なシュートは武田が飛び付いて阻止。86分には栃木。途中出場の河原和寿が左へ展開し、リカルド・ロボのクロスを自ら受けましたが、シュートは打ち切れません。最後までお互いに攻める姿勢を見せ合った好ゲームは、それ以上スコア動かず。「J2の中でもトップレベルのゲームをすることができた」とドワイト監督も言及する内容で、お互いに勝ち点1を分け合う結果となりました。
トータルで見れば、「相手の時間帯が今までのゲームで一番多かった」(高木)「ある程度自分たちのリズムで進めることができた」(深井)と2人が話したように、千葉のペースで進む時間の長いゲームだったと思います。それでも、先制して一時は逆転されながら追い付く展開は、栃木にとって「最低限の結果」(水沼)であり、「できれば勝ちたかったのが正直な気持ち」(松田監督)とのこと。この言葉が今シーズンを明らかに昇格のチャンスと捉えているチームの意識を表していると思います。次に両者が相見えるのは、10月23日の第32節。その時もこのカードが首位攻防戦として注目を集めている可能性が十分にあることを予感させる、素晴らしいゲームでした。  AD土屋

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201106270018000[1]aji.jpg共に3勝3分け5敗同士で14位と15位。前節は富山に今シーズン最多となる5ゴールを奪って大勝。その流れを継続させて1つでも順位を上げていきたい東京V。一方、「前節は自分たちのよさを出せず、腑甲斐ない戦いをしてしまった」と影山雅永監督が振り返ったように、ホームで水戸に0-1で敗れた岡山。こちらもなかなかメンバー構成が安定せず、試行錯誤が続いている印象です。
さて、ゲームが始まるといきなり動いたスコア。6分、左サイドから菊岡拓朗がニアへ落としたCKを、岡山のチアゴがクリアしきれず、揺れてしまったゴールネット。記録上は菊岡のゴールとなりましたが、限りなくオウンゴールに近い形で東京Vが先手を取ります。さらに畳み掛ける緑。9分、小林祐希が右へ展開すると、森勇介はドリブルで縦へ運び、グラウンダーで最高のクロス。走り込んできた河野広貴は左足アウトで面を合わせるようなボレー。ボールはニアサイドを滑るように貫きます。高いイメージのシンクロと、それを具現化する高い技術。間違いなくJ1クラスのゴラッソで、点差が開きました。
早くも2点を奪われた岡山は、チアゴへボールを入れる意識は窺えますが、長いボールの精度も低く、前で収まりません。また、共にレフティの千明聖典とキム・ミンキュンで組んだドイスボランチも、捌くばかりで縦へのスイッチを入れられず。結果、18分の近藤徹志が入れたフィードをチアゴが強引に持ち込んだ可能性のない枠外シュートと、21分に右サイドから後藤圭太が上げたクロスに、臼井仁志が合わせたヘディングの2本が前半に記録されたすべてのシュート。かなりの劣勢を強いられる展開となりました。
ただ、「早い時間帯で点が入ったので、落ち着いてプレーできた」(川勝監督)東京Vもややイージーなミスも少なくなく、ゲーム自体のペースはかなりダウンしてしまいます。そんな中で次に生まれたゴールは岡山の致命的なミスから。34分、左から阿部拓馬が上げたクロスを、絞っていた小林優希は難しい高さのボールだったとはいえ、クリアしきれずに小さく落としてしまいます。狙っていた河野の素早いシュートは右ポストを直撃しましたが、こぼれ球を河野が自らプッシュ。3-0という大差が付いて、45分間は終了しました。
前半は「まったく自分たちのサッカーができなかった」(影山監督)岡山は、47分に右サイドで澤口雅彦が付けたボールを、Jリーグ初スタメンとなった清水ユース出身のルーキー石原崇兆がクロス。臼井は空振り、シュートシーンにはならなかったものの、ようやく初めて形らしい形を創出すると、51分にもチアゴ、千明と繋いで、最後は臼井が枠の右へ逸れるミドルにチャレンジ。ここに来て、攻撃の時間が出てきます。
ところが60分に次のゴールを決めたのも東京V。左サイドの高い位置で和田がドリブルからバックパス。河野のピンポイントクロスに、ファーサイドで合わせたのは、彼女が来日したばかりだというマラニョン(エルゴラ・田中直希記者情報)。プライベートも充実したブラジル人ストライカーの今シーズン初ゴール。実質、勝負は決しました。
東京Vは2点目が右から森のクロス、4点目が左から河野のクロスと、両サイドからゴールに繋がる形を創りました。これに関して「今まではサイドにボールが入った時にガス欠していたので、そこから早くボールを入れたいと話していた」と川勝監督。サイドから一発のクロスで決め切るパターンが出てくると、当然得意の中央突破も効果的になるはずで、そういう点ではイメージという意味でも非常に大きな2つのゴールだったのではないでしょうか。そして61分、ゴールを決めたマラニョンに替わって、ピッチへ登場したのは高木善朗。オランダ・エールディヴィジのユトレヒトへ移籍する18歳の国内ラストゲームに、スタンドからも温かい拍手が送られます。
“キビダンゴ”のチャントで選手を鼓舞するなど、東京まで駆け付けたサポーターのためにも、何とか一矢は報いたい岡山。65分には臼井に替えて、東大卒のルーキー久木田紳吾を投入。66分にはチアゴのショートコーナーから石原が切れ味鋭いドリブルを見せ、1人かわして上げたクロスは何とかDFがクリア。68分には小林のFKから、澤口のヘディングはわずかにバーの上へ。71分、小林の右CKはGKがキャッチ。ここに来て、セットプレーからチャンスを創り出します。
さらに71分には「イライラさせることができたと思う」と川勝監督も話したチアゴと岸田裕樹がスイッチ。75分、澤口の右クロスに岸田が下がりながらうまく当てたヘディングは枠の上へ。79分、澤口が右サイドで粘って折り返したボールを、キムはダイレクトでシュートに変えるも、わずかにゴール左へ。80分、小林のCKから、澤口のヘディングはバーの上へ。「俺たちはもう少しやれるという姿勢を見せられた」と影山監督も語ったように、この時間帯は岡山が反攻。特にほとんどのチャンスに顔を出していた澤口の奮闘ぶりは圧巻。このゲームでは彼が最も気持ちの入ったプレーをしていたと思います。
残り時間で言うと、85分に投入されたアポジがその俊足で場内をどよめかせ、89分には千明がミドルで東京VのGK柴崎貴広にセーブを強いると、ゲームの終了を告げるホイッスル。東京Vがホームのサポーターに大勝での勝ち点3をプレゼント。高木のメモリアルゲームに華を添える結果となりました。
勝った東京Vは、イージーミスからリズムを壊すシーンもあったものの、押し込まれた後半の時間帯は4点をリードしてから。「チームとして行く所と行かない所の統一感を持とう」(川勝監督)という課題は、今日のゲームでいうとある程度クリアしていた印象です。前述した2点目は軽くJ2レベルを凌駕した、驚異的なゴール。個の力は抜群なだけに、チームとして確実にステップアップしていけば、まだまだ上位を十分に狙えるチームという印象を持ちました。  AD土屋

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201106230603000[1]kashiwa.jpg今シーズン初めての完敗をホームで磐田に喫して迎えた前節の福岡戦は、苦しみながらも勝ち点3を獲得。再び訪れた水曜開催のホームゲームで、連勝を飾って首位固めといきたい柏。一方、ACL敗退以降はなかなか結果が付いてこないゲームが続き、2試合消化が少ないとはいえ、順位も8位と中位に甘んじる中で、9ゴールとチームのみならずリーグのトップスコアラーだったアドリアーノの中東移籍が決定。「少ないオプションでガンバらしさを構築していく」と西野朗監督は話しましたが、指揮官としては何とも頭の痛い所でしょう。
さて、開始29秒でレアンドロ・ドミンゲスがいきなり飛ばしたミドルが打ち合いの号砲。3分、縦パスをカットした加地がそのまま持ち込み、平井のシュートはゴールネットを揺らすもオフサイド。9分、村上の縦パスを茨田がクロスに変えたボールは、ニアへ入り込んだ北嶋がバックへッドで狙うも、DFがブロック。ハイテンションの攻防が続きます。
すると最初のゴールが生まれたのは、このCKから。10分、レアンドロが蹴ったボールは中央を抜けてファーサイドへ。フリーになっていた田中が、迷わずダイレクトで左足を振り切ったシュートはゴール右スミへ一直線。2試合ぶりのホーム勝利へ向けて、幸先良く柏がリードを奪いました。
「そう簡単には崩し切れない、バランスのいいレイソル」(西野監督)に先手を取られたG大阪でしたが、まったく怯まず。11分、遠藤の右FKから平井が一度は空振りしたものの、再びチャレンジしてチーム初シュートを枠に飛ばすと、すぐさま生まれた同点弾。14分、二川のパスを受けた宇佐美は、右サイドから左へ縦断しながらドリブルで運び、中に切り返すとパスを選択。遠藤は冷静に1人をかわすと、ゴール右スミへ丁寧なシュートを置きにかかり、見事成功。早くもお互いに1点ずつを奪い合う展開になりました。
以降も、16分と20分共にうまく合わせた北嶋のボレーや、22分にカウンターから遠藤が繋ぎ、最後は宇佐美がカットインから強烈な枠内シュートを放つなど、スピーディーな展開は変わりません。ただ、そんな落ち着かない展開を嫌ってか、4-2-3-1でスタートした布陣から、20分前後に中盤をダイヤモンド気味に組み替えて4-4-2にシフトした柏は、確かに守備こそ一定の安定感を取り戻したものの、25分にカウンターから茨田が放ったミドルが前半最後のシュート。G大阪の攻める時間が長くなっていきます。この要因は、やはり「遠藤をフリーにしてしまうシーンが多かった」(柏・ネルシーニョ監督)こと。3列目からスルスルと上がってくることの多かった遠藤に対して、柏は誰が掴みに行くのかが曖昧に。29分には加地とのパス交換から、飛び出してきた遠藤がわずかに枠の左へ外れたシュートをお見舞い。さらに「2トップの方がガンバのサッカーはできる」と話したイ・グノや二川、宇佐美もサイドでバイタルでとボールタッチが増加し、これで「ガンバに創らせてはいけないパスのリズム」(ネルシーニョ監督)が生まれ、攻勢になっていった印象です。共にスピーディーに攻め合う流れだったのは間違いありませんが、ペースはG大阪に傾いて、前半は終了しました。
後半は再びシステムを変えて、「相手のドイスボランチに茨田とレアンドロをマンツーマン気味に付けた」(大谷)柏。しかし、その効果がハッキリと判明する前にゴールを挙げたのはG大阪。51分、左サイドから下平の上げたクロスがファーに流れると、拾った遠藤は後ろへ。加地は自らカットインすると左足でシュート。DFに当たったこぼれをプッシュしたのは平井。なかなか攻撃のいい流れに乗れなかったものの、一発で起用に応えたストライカーの逆転弾。リードは入れ替わりました。
さて、逆転を許した柏でしたが、失点前から全体的に流れはよくなり、攻撃の手数も増えていました。失点後も58分にジョルジ・ワグネル、レアンドロ、大谷と回り、茨田のミドルはわずかにゴール右へ。60分にも、田中のラストパスを受けたレアンドロが、左へ持ち出しながら枠を捉えたシュートは、藤ヶ谷がファインセーブ。決定機も創出します。
ところが次にゴールが記録されたのもG大阪。62分、うまくマークを外した遠藤が右へラストパス。イ・グノは右への持ち出しが1つ多く、角度がなくなってしまいましたが、「思い切り打とうと思って」振り抜いたフィニッシュは、ニアサイドを豪快に看破。1-3。G大阪が2点にリードを広げました。
「中盤をニュートラルに持っていって、チャンスを創る」(ネルシーニョ監督)という狙いは体現されつつあった中で、一瞬の隙から突き放された柏は、66分に2枚替え。北嶋と大谷を下げて、工藤と兵働を投入。するといきなり直後に左サイドを崩し、田中の折り返しはフリーのレアンドロに渡ると、シュートは藤ヶ谷にキャッチされましたが、2度目は外さないのが10番のスナイパー。1分後の67分、茨田のパスを引き出したレアンドロは、躊躇なくミドルにチャレンジ。DFに当たってか、わずかにコースの変わった弾道は藤ヶ谷を通過し、ゴールネットへ。またも点差は1点に縮まります。
これで流れは完全に「選手を替えてチャンスも創り、攻撃もスピーディーになった」(ネルシーニョ監督)柏。69分には兵働のスルーパスから工藤が抜け出すも、シュートは藤ヶ谷の正面。74分には疲労の色濃いワグネルを橋本と入れ替え、攻守両面でバランスを整えつつ、勝負に出ます。この勢いに西野監督もたまらずイ・グノを下げて内田を中盤に投入。「レアンドロがカウンターを狙ったり、2トップに近い所にいたので、まずそこを掴ませる」(西野監督)と、トレスボランチの4-3-1-2にシフトしますが、効果薄。78分には武井の不用意なロストから、橋本を経由して、受けたレアンドロは中央をドリブルで運び、枠内へミドル。同点、そして再逆転をも期待する雰囲気が日立台に満ち溢れます。
そんな中、決着は突然に。80分、二川が右サイドで何気なく始めたFKが内田、山口と渡って左へ回ると、下平はギアを一段上げて縦へ運び、思い切りよく放ったミドルがゴール右スミを確実に捕獲。56試合目にしてJリーグ初ゴールとなった伏兵のダメ押し弾が飛び出し、「突き放せたことが今日の収穫だと思う」と西野監督も話したG大阪が、首位の柏を打ち合いの末に撃破する結果となりました。
スペクタクル度の高い好ゲームだったと思います。柏も前半に一度は手放した流れを、後半に入って完全に取り戻し、敵将も最後は「5-4-1にしてディフェンシブに戦わざるを得ない状況だった」と認めるなど、敗れたものの首位に立っている理由をある程度は証明したのではないでしょうか。ただ、やはりトータルではG大阪の方が一枚上手。「非常に厳しい試合だったが、今の状況下でやれることは100%出し切って戦えた」と西野監督が話したように、2点を奪われながら4点を取るスタイルは「ガンバと言えばガンバ」(西野監督)。現時点での実力差がそのままスコアに反映されたようなゲームという印象を受けました。  AD土屋

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201106210145000[1]kusatsu.jpgFC東京、千葉と昇格の本命候補に挙げられている強豪を相次いでホームで撃破。ここまで5位とJ2の“台風の目”的な存在として注目を集めている草津。一方、大木武新監督を招聘し、1年でのJ1復帰を目標に掲げながら、ここまでわずか2勝しか挙げられず、19位とあまりにも苦しいスタートとなった京都。今日は「凄く緊張していたけど、チームの力になれると思っていた」という33歳の鈴木慎吾と、「結果を残すことだけを考えていた」という18歳の伊藤優汰が揃って今シーズン初スタメン。前節の勝利で得た流れにうまく乗りたい所です。
さて、ゲームは4分に熊林親吾のクロスにアレックスが、13分にはまたも熊林の今度はCKから御厨貴文が、共にヘディングで枠を狙いましたが、ゴールとはいかず。ただ、手数は草津が出しますが、全体としては「前半の入り方が非常に悪い」(草津・副島博志監督)「試合の入り方としては非常によかった」(鈴木)と2人が口を揃えたように京都ペース。特に3トップの右に入った伊藤と、中盤の右サイドに入った加藤弘堅のコンビネーションがよく、草津の左サイドを崩しにかかります。
すると14分に生まれた先制ゴールも、やはりそちらのサイドから。加藤のパスを受けた伊藤は「スピード勝負だと思って行ったら、うまいタイミングで抜けた」とドリブルで切れ込み中へ。加藤のシュートは草津のGK北一真が弾きましたが、最後は中山博貴がプッシュ。流れをしっかり結果に繋げた京都がリードを奪いました。
その後も変わらず京都攻勢。押し込まれた草津はファウルやクリアで逃げるのが精一杯という場面が続き、鈴木と加藤が精度の高いプレースキックでゴール前を脅かします。草津も30分には櫻田和樹のパスを受けて、ここまで沈黙を余儀なくされていたラフィーニャが反転ミドルを枠へ飛ばしますが、京都のGK水谷雄一が何とか防ぐと、直後に追加点。31分、草津の最終ラインで生まれたイージーな連携ミスから、内藤洋平が左へ繋いだボールを、走り込んだ鈴木は「気持ちを籠めて」得意の左足で左スミへグサリ。ゴール後、一直線にベンチへ走り、大木監督に抱き付いたシーンについては「自然と走って行っちゃった。新人のような喜び方で恥ずかしいんですけど」と照れ笑い。チーム最年長のベテランが挙げた今シーズン初ゴール。アウェイチームが点差を広げました。
まったくと言っていい程に攻撃の手を繰り出せなかった草津。1つの停滞した要因は中盤での劣勢だったと思います。京都のシステムは3-4-3でしたが、中盤はダイヤモンドを採用していたものの、右の加藤と左の鈴木は中に絞る場面が多く、ボランチの櫻田も「僕とマツさん(松下)の周りに4人いるような感じ。どんどん選手が湧いて出てくるような感じだった」と述懐。アウトサイドは3バックと3トップのサイドプレーヤーがしっかりケアしていたため、中盤の4枚が広い範囲でのセカンド奪取に貢献したことで攻撃の厚みをもたらし、草津には「判断とサポートの遅れ」(副島監督)を誘発させてパスワークを分断。キーマンの熊林もほとんどボールに触れないとあれば、自然と草津の攻撃は鎮火。40分に松下が枠へ飛ばした30m近いFKも、水谷がファインセーブで阻止。京都からすれば100点満点に近いような内容で、前半は45分が経過しました。
ところが後半は一転、立ち上がりから草津が圧倒的にペースを握ってしまうのだから、サッカーはわかりません。46分、ラフィーニャからのパスを萬代宏樹はシンプルにはたくと、エリア外で受けた櫻田は「思い切り打っておこうと」果敢にミドルへチャレンジ。ボールはゴール左スミへ豪快に飛び込み、本人も「7年間で敷島では初めてのゴール」と語る記念弾は、すなわち追撃弾。たちまち点差は1点に縮まります。
前述したように、このゴールで流れは一気に草津へ。52分、ゴール右、約25mの位置からラフィーニャが狙ったFKはカベがブロック。56分、60分と続けて熊林が狙ったFKはシュートまで繋がらなかったものの、「相手の勢いに負けた訳じゃないけど、押し込まれてしまった」と鈴木が振り返ったように、京都は一気に苦しい展開を強いられます。
ペースが入れ替わった理由の1つには、「前の選手の球離れがよくなったので、攻撃がスピードアップした」(櫻田)ことが挙げられそうです。実際に46分のゴールも、萬代が簡単に落とした所から。ボールの回りが速くなったことで、京都も前半ほど的を絞り切れず、結果として選手間の距離が開いてしまったために、それが攻撃面での「ボールを貰いに来る選手がいない」(大木監督)という部分にも繋がり、攻守両面で機能性が低下してしまいました。
イケイケの草津。61分、萬代、熊林と回してラフィーニャのシュートは水谷がファインセーブ。そして62分、櫻田が左へ展開したボールを、熊林は細かいステップワークから中へ上げると、完全にフリーとなった萬代がヘディングでゴールへ流し込みます。千葉戦、東京V戦と連続ゴールをマークしていた萬代の3戦連発弾。到来したビッグウェーブを見事に乗りこなした草津が、あっという間にスコアを振り出しへ戻しました。
「逆転できそうな雰囲気」(松下)が充満したスタジアム。67分には萬代、ラフィーニャと繋いで、アレックスのシュートはわずかにゴール左へ。73分、熊林のロングスローから松下がボレーで狙うも、水谷がキャッチ。確かに3点目が入りそうな雰囲気は草津にありました。ところが再び流れを京都へ引き戻したのは、大木監督の采配。75分、鈴木に替えて、「ボールを受ける選手を置くために(中山)博貴を下げて、(中村)太亮で盛り返して行こうと。」(大木監督)送り出されたのは中村太亮。すると76分にはゴール前の混線から、その中村太亮が強烈な枠内シュート。ここは北に阻まれましたが、直後の77分にもチャンス。中村太亮からパスを受けた中山が左サイドを切り裂き、「マイナスに来るなと感じて」走り込んだ伊藤が左足を振り抜くと、揺れたネット。18歳のJリーグ初ゴールは大きな勝ち越し弾。次の1点は耐えに耐えていた京都が狙いを体現して記録しました。
リードを許した草津は79分に熊林のCKから、アレックスの放った強烈ボレーも水谷がファインセーブで阻止。81分には永田拓也と櫻田を下げて、田中淳とリンコンを投入しましたが、指揮官も「あまり機能しなかった」と認めたように、交替は奏功せず。逆に「ボールを受ける選手を置くために中山を下げて、太亮で盛り返していこう」というプランが当たり、84分には伊藤のクロスから中村太亮がフリーでヘディング。北にキャッチされましたが、完全に形勢を引っ繰り返すと、87分に生まれたダメ押しゴール。軽率なキープを見せた田中から草津陣内深くでボールを奪った内藤が中へ。受けた伊藤の「コースはなかったけどDFの股下を狙った」シュートは、ゴールネットに到達。「シュートを打つタイミングは独特。非常によかったと思う」と大木監督も評価したルーキーの2発で、京都が今シーズン初の連勝を決める結果となりました。
時間帯によってどちらに流れが来ているかが、かなりハッキリしていたゲームでした。全体の流れとしては、草津が逆転していてもおかしくなかったと思います。そんな「いわゆる負けパターン」(鈴木)を若手の力で跳ね返しての勝利は、ひょっとすると京都にとってターニングポイントになり得る、大きな勝ち点3奪取となるかもしれません。  AD土屋

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201106190133000[1]todoroki.jpg今節最大の注目カード。序盤こそなかなか安定しない戦いが続いていたものの、ここに来て5試合連続負けなしで5位まで浮上してきた川崎。対するはそのスタイル上、どうしても攻撃陣に注目が集まる中、今シーズンは柏と並ぶリーグ最少の7失点と守備陣の安定感が光り、3位に付けている広島。上位同士の直接対決です。
攻撃的なスタイルのチームが顔を合わせるとあって、立ち上がりからのフルスロットルを予想していた所もあったのですが、実際は相当スローな立ち上がり。5分に川崎は稲本の鋭い縦パスから、山瀬のシュートがDFに当たってGKにキャッチされるシーンを創り、17分にはバイタルでルーズボールに反応した稲本が、西川にファインセーブを強いる左足ミドルを飛ばしましたが、この2つのシーンだけが開始30分までの両チームで、ゴールの匂いを感じさせたシーン。ボールキープは6対4か、あるいは7対3くらいの割合で川崎に分があったものの、そこまで川崎が攻勢だとも言い切れないような展開が続きます。
広島の攻撃が機能しなかった要因の1つは、佐藤、李、森崎浩司で形成した前の3人にまったくボールが入らなかったこと。単純に「簡単なミスが多かった」(李)こともありますが、川崎のCBを務めた井川が「ナビスコでやっていたので、修正できた所はあった。SBとも声を掛けて受け渡しはうまくできていたと思う」と話したように、割と最近に広島と対戦した経験から、ある程度は相手の動きを把握していたことがプラスに働いた様子。ライン間のスペースもドイスボランチと確実に監視し、ほとんど自由を与えなかったために、「前線でのコンビネーションもよくなかった」とペトロヴィッチ監督も触れた通り、3人のコンビネーションを完全に分断。さらに「相手の特徴でもある、切り替えの所で負けていなかった」(田中裕介)ことも、磐石のカウンター対応に繋がっていた印象です。
34分には李がこのゲームで初めて前を向いて仕掛けると、スルスルと抜け出しますが、柴崎が鋭い読みでインターセプト。すると直後の35分、柴崎が左へ回したボールを小宮山はダイレクトでアーリークロス。ニアへ走り込んだ矢島は、ヒール気味のアウトサイドで枠へ飛ばすと、ボールはクロスバーを叩いてゴールの中へ。「川崎もそれほどチャンスらしいチャンスがあったとは思えないが…」とペトロヴィッチ監督は話したものの、ワンチャンスをしっかりゴールへ結び付けた川崎の技術と狡猾さはやはり特筆すべきポイント。その前から少し主導権を握り始め、活性化していた左サイドを使った形というのも見逃せない部分でしょうか。川崎からすれば望外とは言いませんが、それに近い1-0というスコアで、前半の45分間は終了しました。
後半はペトロヴィッチ監督もスタートから決断。リーグ戦初スタメンの右WB石川大徳を下げて、ミキッチを投入。すると47分には森崎浩司のパスを受けたミキッチが、マイナスにピンポイントの折り返し。中島には川崎DFが寄せたためにシュートは打てませんでしたが、1つ形を創ると、48分にも森崎浩司が左へ展開。山岸のアーリークロスは佐藤のヘディングシュートへ。ようやく広島にこのゲーム初シュートが記録されるなど、「後半はいい形で入った。攻撃がうまく行き始めた」と指揮官も言及。52分にはトミッチとムジリを入れ替え、畳み掛ける態勢を整えます。
一方の川崎は「どうしても受けてしまって、ボールを保持できなくなった」(相馬監督)打開策として、54分には小林に替えてジュ二ーニョがピッチへ。すると10番は55分に小宮山のクロスへ合わせたヘディング、57分には左足ミドルと、交替直後から推進力をチームにもたらすさすがのパフォーマンスを披露。そして58分に飛び出したビッグプレー。広島が狙ったクサビを抜群の出足で奪った菊地は、そのまま全速力で最前線へ。左サイドから矢島が上げたクロスに、そのまま突っ込んだ菊地のヘディングがゴールに突き刺さります。言わば2人だけで完成させた「クラシックなカウンター」(ペトロヴィッチ監督)でしたが、その一連の鮮やかさは最高級。リードが広がりました。
少しリズムも取れてきた所で痛恨の2失点目を喫した広島は、最初の45分間に比べれば格段にボールも回るようになり、67分にはショートパスを繋いだ流れから獲得したCKを森崎浩司が蹴り入れ、盛田が頭で枠の上へ飛ばすシーンも創りましたが、「パスミスが多いのはウチのサッカーじゃない」と李も語った通り、イージーなミスからカウンターを受けるシーンが頻発。71分にはカウンターからジュニーニョ、山瀬と回して、田坂のシュートは懸命に戻った森崎和幸が体でブロック。事なきは得たものの、逆にピンチも増えてしまいます。
対して「全体の運動量も落ちて、自分たちでボールを動かせなくなっていた」と判断した相馬監督は、72分に矢島と中村、82分に稲本と横山をスイッチ。最終盤に向けててこ入れを図るも、ここからは広島が意地の反攻。83分、ムジリが右へ大きく展開すると、追い付いたミキッチのクロスを佐藤が頭で狙うも枠外。85分、森崎浩司のミドルパスを井川がクリアミスすると、高萩はダイレクトでシュートを放つもヒットせず。88分、佐藤の巧みなポストプレーから、山岸の素晴らしい左足クロスは、ムジリわずかに届かず、万事休す。「みんな慣れてきて、自分の色をわかってきた」と小宮山が話したように、かなりチームとしてもうまく回り始めている川崎が、2試合ぶりのホーム勝利をサポーターへ届ける結果となりました。
広島は連戦を見越して、ややターンオーバー的にメンバーを入れ替えましたが、「何人かはいい出来だったが、何人かは期待していたプレーではなかった」とペトロヴィッチ監督も明言したように、ハマらなかった部分のパワー不足がそのまま敗因に繋がったような印象です。さらにペトロヴィッチ監督は「自分たちができないことまで始める傾向が見られた」とも言及。次のホームで迎える山形戦で真価が問われそうです。
勝った川崎は「今日は菊地だったけど、2試合で6人がゴールしているし、誰からでもゴールが取れることを証明できた」と井川。攻守両面で「今までやってきたことが形になってきた」という田中裕介の言葉も頷けます。しかも、前節、今節とどちらも絶対的支柱の中村をスタメンから欠いての連勝。そこからも川崎の成熟度が着実に上昇している印象を受けました。  AD土屋

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201106152351000[1]kashiwa.jpg7勝1分け1敗。2位の広島に“1ゲーム”以上のポイント差を付けて、首位を快走する柏。上位対決となった前節も横浜FM相手にシュート4本での完勝を収めるなど、昨シーズン途中から取り組んできた“J1を見据えた戦い方”が間違っていなかったことを、圧倒的な結果で証明し続けています。
そんな柏と対峙するのは、3勝4分け2敗で7位に付ける磐田。小林裕紀、山田大記とセンス溢れるルーキー2人が早くもチームの主力として大車輪の活躍。今日は山崎のU-22代表選出を受けて、前線では金園英学がリーグ戦初スタメンに抜擢され、試合開始のピッチには大卒1年目トリオが勢揃い。若い選手が多いため、伸びしろという意味でも楽しみなチームです。
さて、ゲームが始まると好調そのままに勢い良く飛び出したのは柏。いきなり1分、田中の突破から奪ったCK。ジョルジ・ワグネルのキックに、合わせた村上のヘディングはクロスバーの上へ。4分、レアンドロ・ドミンゲスの右FKに、二アで北嶋のバックへッドはDFがブロック。5分、レアンドロの右CKから、川口がパンチングしたルーズボールを、栗澤がボレーで狙うも枠の上へ。それでも積極的な仕掛けから獲得したセットプレーで、柏が攻勢に出ます。
ところが、10分に磐田が駒野、山田と繋いで創った前田のシュートチャンスを、栗澤が間一髪のタックルで凌いだ辺りから、ペースは緩やかに磐田へ移行していきました。この日の柏は攻撃的な中盤がレアンドロを中に置いて、大津は左に開かせる、少しいびつなボックスを採用。右サイドを少し空けるような形でゲームに入ります。「ミーティングでそこはしっかり言われていた」(藤田)という、「レアンドロがかなり中に絞るので、そのスペースを使おうということ」(ジウシーニョ)。これだけなら、おそらく他のチームも当然実行してくることですが、この策を磐田がより有効なものにしていた理由は、前線からの激しいプレッシング。特にドイスボランチの一角を担う小林が「レアンドロの位置は、那須さんと2人でかなり確認していた」と話したように、「柏の攻撃の中心」(磐田・柳下正明監督)であるレアンドロへのプレスがかなり速く、前を向く状況を創らせません。ここでスイッチが入らない柏は全体的にパスワークがブレ始め、逆に磐田は「奪ったボールから左サイドをうまく使える」(藤田)状況に。左サイドの活性化は、さらに右サイドの勢いも生み出し、「サイドの主導権が取れて、ウチのリズムになった」と小林。磐田が流れを掴みます。
すると18分に駒野がドリブルからカットインミドルを放ち、菅野のファインセーブを引き出すと、2分後に歓喜。20分、右サイドから駒野が中へフィードを送ると、ファーへ流れつつあったボールを、村上と入れ替わりながら収めたのは金園。バウンドを合わせて振り切ったボレーが、豪快にネットを揺らします。0-1。アウェイの磐田が先手を取りました。
さらに磐田の狙いが完全にハマったのは28分。ハーフウェー付近で、柏CBの増嶋に前田が激しいプレスを掛けてボール奪取。金園がドリブルでエリア内まで運び、最後は必死に戻った増嶋のスライディングを受け、シミュレーションでイエローカードをもらうという、やや不可解な判定でゴールは生まれませんでしたが、高い位置で奪ってフィニッシュまでという狙いを、一歩手前まで体現します。
磐田の前にほとんど相手陣内までボールを運べなくなった柏。たまらず、ネルシーニョ監督も30分過ぎにはレアンドロを少しサイドに押し出し、左右対称のボックスにシフト。ここからは少し磐田が対応で後手を踏み、柏はむしろ中央を効果的に活用。40分には栗澤が北嶋とのワンツーから枠内シュート。さらに44分は決定機。大谷のクサビを大津がヒールで落とし、田中のシュートはわずかに枠の右へ。磐田ゴールを脅かします。しかし45分、ゴールキックの流れから磐田のチャンス。フィードを金園が右へ丁寧に落とし、駒野が上げたクロスはニアへ飛び込んだ前田にピタリ。「柏がクロスに弱いというのは言われていた。狙い通り」とは藤田。磐田にしてみれば、最高の時間帯に生まれた追加点。リードが広がり、ハーフタイムに入りました。
2点のビハインドを負った柏。ネルシーニョ監督も後半開始から2枚替え。田中と大津を下げて、ホジェルと茨田を投入。「もっと前からハメてボールを奪っての攻撃」(ネルシーニョ監督)を指示します。これで多少持ち直した柏は攻撃の手数も多くなり、押し込む時間が続きますが、うまくいかないチームを象徴するようなシーンは55分。中央左寄り、ゴールまで約25mのFK。好機にサポーターの期待も高まる中、レアンドロはキックの直前に足を滑らせ転倒。スタンドは溜め息に包まれます。
そして58分、レアンドロ、栗澤と回ったボールを茨田がシュートに持ち込むと、キャッチした川口は素早く左へ展開。サイドをフリーで駆け上がったパク・チュホは、完璧なグラウンダーのボールを中へ送り、難なく前田がプッシュ。理想的な形で、理想的な3点目。今日の流れから考えても、勝負は決しました。
せめて1点は返したい柏も、70分には「どうしても前掛かりになって、守備のスペースを空けていた」(ネルシーニョ監督)ワグネルと橋本を入れ替え、いくつかチャンスは創りましたが、周囲となかなかプレーが噛み合わないホジェルがブレーキに。藤田が「ペナルティエリア内で持たれるのは嫌だったけど、ボランチとうまく挟めたので簡単に落とされるシーンはなかった」と話せば、そのボランチの小林も「CBとコミュニケーションが取れて、ホジェルへの対応はすぐ修正できた」と言及。こうなると柏はあまり機動力のない2トップで変化を生み出すのは難しく、決定的なチャンスは創れずじまい。ネルシーニョ監督が「文句なしにジュビロの勝利」と認め、柳下監督も「非常にいいプレーをしてくれた」と振り返ったゲームは、最後まで集中力が切れず、運動量も落ちなかった磐田の完勝で幕を閉じました。
ゲームの潮目を分けたのは、前半終了間際の逸機とゴールだったと思います。結果論ですが、田中のシュートが入っていればタイスコア。柏にすれば後半のカードの切り方も変わっていたはずです。柳下監督も「1-0でリードしてて、危ない場面があったが、相手がシュートを外してくれた直後に2点目が入ったのがこういう結果になった」と言及していました。ただ、それを含めても今日の磐田はほぼパーフェクトな内容。「前節は負けたが、選手たちもすぐに切り換えて柏戦に向けて準備できていたので、相当気合が入っていた」という指揮官の期待に、最高の結果で応えてみせました。   AD土屋

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