【アルマゲドン08】波乱万丈のジェフ、遂に頂点へ
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2008年を締めくくるPPV『アルマゲドン08』。例年に比べてエントランスセットも豪華になったが、WWEの場合、年間クライマックスは“祭典”『レッスルマニア』に集約されるため、「最終決戦」を意味するタイトル名に釣り合うような、大きな動きはさほど起きないんだが、今大会は違った。主役となったのは、ジェフ・ハーディ。
この1年、幾度も頂点を掴むチャンスを得ながら、全てあと一歩という結果に終わっていたジェフだけに、次のチャンスは、年明けのロイヤルランブルかレッスルマニアかと思われたが、2008年の終わりに、1年間のチャレンジの成果が出ることに…。
そんな訳で、ジェフの兄であるマットの試合から開幕です。
▼マット・ハーディ vs. ウラジミール・コズロフ
ロシアの純朴怪物コズロフにとって、マットはWWE王座挑戦機会を台無しにした邪魔者。ECW王座に興味もないので、今回の一騎打ちはノンタイトル戦。要するに、マットが負けてもそれはECW王座に関係ない、というアレである。
マットは、これまでの対戦と同様、老獪なテクニックで度々カウンターを奪うも、コーナー馬乗りパンチを仕掛けた際、アゴから鉄柱に落とされ、あとは必殺フルコース葬。今のマットよりコズロフのプッシュの方が優先、ということですね。
コズロフ ○-× マット
※鉄柱のダメージで動きの鈍った所を頭突きから倒れこみ式裏投げで粉砕。
試合後、エッジとヴィッキーがマットの醜態を見て、「エッジをジェフ襲撃犯と疑ったバチがあたった」(ヴィッキー)とほくそ笑むシーンに。エッジが試合の準備のために立ち去ると、身内のチャボが「君たちはどうやってSUR08直前にジェフを襲ったんだ?」と質問するが、ヴィッキーは「私たちは関係ない」の一点張り…果たして真犯人は?
(エッジの“元相棒の仕業”、という話になるのでは、という噂もあるとかないとか)
▼IC王座トーナメント・決勝戦:レイ・ミステリオ vs. CMパンク
IC王者リーガルへの挑戦者を決めるトーナメント決勝戦は、RAW大関対決。AMD08前夜のハウスショーでミズ&モリソンに世界タッグ王座を奪われてしまったというパンクだが、これはIC王座戦線への本格移行を示す流れ。
両者共に変則技が得意とあって、次第にカウンターの応酬に突入。最後もミステリオの飛びつき技を、パンクが(若干段取りめいた動きから)鼻っ柱を折る強烈なGTSに切り返し、挑戦権を獲得した。
とはいえ、パンクにとってはキャリア的にIC王座戦線こそが適任。逆にミステリオにとっては世代交代ともとれる敗北。鼻血を流しながら引き上げる姿に哀愁が。
パンク ○-× ミステリオ
※コーナーからパンクの肩に飛び乗ったミステリオだが、パンクがGTSに切り返し、挑戦権獲得の勝利。
▼財政難のHBKがJBLの従業員に
先日のRAWにおけるスラミー賞のマッチ・オブ・ザ・イヤー(WM08のHBK vs. フレアー)のトロフィーをJBLに奪われても、何も反論しないなど不可思議な対応を取ってきたHBKだが、AMD08のリングで、JBLの「俺の下で働け」という提案に対する答えを出すことに。
ストーリーとしては、“金銭苦を抱え、迫り来る現役生活の終焉に怯えるHBKに、悪党成金JBLがつけ込んだ”というものですが、殿堂入り確実のHBKが金に困る訳が無い、という部分がやはり引っ掛かったものの、この部分はHBK自ら、「20代の頃は稼いだ大金を浪費し、30代の頃は怪我の治療に使った。40代になって家族のために投資に使い、教会や慈善事業にも寄付もしたが、そこに不況が訪れた」と背景を説明。
切々と経済的苦境を語ったHBKは、「家族を養うため、そして生き恥を晒したくない」という思いから悪人JBLの申し出を受けたと告白。当然、場内から“裏切り者”チャントも起きたが、HBKはJBLの右手を握り返し、あとには戻れぬ決断をしてしまった…
▼ベルファスト・ブロール戦:フィンレー vs. マーク・ヘンリー
十八番のベルファスト・ブロール戦(要は反則裁定ナシ)でヘンリーへの報復に挑んだフィンレーは、戦前、息子ホーンスワグルに控室から出ることを禁じ、単独で試合へ。父の窮地に控室を抜け出した妖精は、駆けつけた直後はすぐさまリング下に避難するハメになるも、父が反撃に成功するや、こん棒を提供して、いつもの逆転勝利という結末を演出。
またも親子愛で勝利し、めでたしめでたし、と言いたいところですが、さすがに見飽きた感が強く、PPVでやる必要があったのかチト疑問です。
フィンレー ○-× ヘンリー
※鉄階段を掲げ上げたヘンリーのヒザにドロップキックを浴びせると、場外の息子がこん棒をパス。そのこん棒でヘンリーを撃破。
この試合後、中堅スター達やレフェリーなどがサンタハースからクリスマスプレゼントを貰うというかなりビミョーなスキットがあり、それを締める形で、Mr.ケネディが自身の出演作『エネミーライン3』のDVD発売告知をしている。
▼バティスタ vs. ランディ・オートン
「エボリューション」時代、成功を約束された次世代スターだった2人。オートンは業界3世代目という、持って生まれた血統から最年少で世界王座を獲り、あのシナよりも早く出世。叩き上げのバティスタは芽が出るまで時間を要したが、HHHとの抗争から見事世界王者となったことで、オートンと同等、またそれ以上のポジションを得た。
エボリューション結成から6年、遂にどちらが上かを証明するため、決着を着ける…
といった感じの宿命対決ですが、オートンが一騎打ちにこだわる筈もなくコーディとマヌを同伴。バティスタが場外転落すると同時に襲い掛かったコーディ達は、即刻退場命令になってしまったものの、オートンはそのダメージが残る内に一気に猛攻。ロープに足をかけた状態で放つDDTを決め、頭部、特に首への攻撃を集中させる。
さらに試合は進み、両者の大技が続く展開…となるのだが、この時点でも場内の反応はいまひとつ。バティスタはスクラップ・バスターをミスるなど明らかに動きが悪く、オートンもどこか遠慮がちでかみ合わないせいか、観客の一部から「つまんねぇ」チャントが。
オートンがRKOを狙い、バティスタがバックスープレックスの態勢から前方に叩きつける新技で切り返す場面で、ようやく場内の反応も良くなって来ると、バティスタはコーナー馬乗りパンチへ。オートンが両足を抱え上げ、反撃を狙う(前方に叩きつけようとした?)が、バティスタはロープを掴んで耐えると、リングに着地するや、180度ターンを加えたバティスタ・ボム!
ここ最近の不遇な扱いを晴らすような勝利となったバティスタだが、悔しそうに引き上げるオートンに勝ち誇る笑みを一瞬だけ浮かべたものの、首のダメージは大きいようで、すぐに苦悶の表情に。実際、首の状態は想像以上に思わしくないようで…
バティスタ ○-× オートン
※抱え上げられたバティスタは必死にロープを掴んで抵抗。着地に成功するや必殺ボムに持ち上げ、180度ターンの捻りを加えて叩きつけた。
▼サンタの助手タッグマッチ:ミッキー&ミシェル&マリア&ケリー vs. ビクトリア&ナタリヤ&マリース&ジリアン
あくまでサンタはオッサンということなのか、ディーバ8人はベビーとヒールに別れて、「サンタの助手」としてそれっぽい衣装で対決。
試合は、ベビー軍のディーバ女王ミシェルが、フィニッシュを狙ったマリアに勝手にタッチして勝利を横取り。今後も女の意地の張り合いは続く模様。
ミシェル ○-× ジリアン
※ロープに走ったマリアに勝手にタッチして、勝利を横取り。
ディーバの試合直後にベビーチームが勝利の挨拶をしていると、“パンジャーブの色男”ことカリ(と通訳シン)が現れ、クリスマス版キス・カム開催を宣言。んが、ミシェルは速攻で逃亡してしまい、残ったミッキー、マリア、ケリも苦笑い。
それを予測していたシンは、「別のプランを用意しておいたさ!」と叫ぶや、はるか昔からサンタ助手を務めて来たというメイ・ヤングを紹介! さすがのカリも止めてくれとアピールするも、キス前の気持ちを聞かれたメイは「人生最高の日よ!」とその気満々。カリに飛びつくと、タコのように吸い付き、さらに二度目をせがるなど、強烈なオチをつけております。
▼世界王座戦:ジョン・シナ vs. クリス・ジェリコ
シナのファンになってしまった自分の息子に、そのヒーローを叩き潰す瞬間を見せつけた上で世界王座を取り戻す、などという器の小さい宣言を放っていたジェリコ氏だが、SUR08で王座を奪われたものの、現役復帰以来最高といっても過言ではない試合内容を残したのは事実。今回も、ブーイングもお構いなしでラフ技を連発し、序盤を圧倒してみせた。
シナも反撃に出るが、歓声と同時に大きなブーイングが起こるなど独特の空気に。08年上半期は随分ブーイングも落ち着いていたが、復帰戦で王座挑戦・獲得という特別扱いが、アンチ派を刺激することになったのかも。
中盤過ぎからはシーソーゲーム。年間3度目の世界王座獲得を狙うジェリコは、ライオン・サルトからスーパープレックスを狙うが、シナが堪えて、逆にレッグドロップで爆撃。今度はシナがFU狙うと、ジェリコが反転着地するや、コード・ブリーカーで返り討ち。
ところが、シナがカウント3直前でキックアウト。これに動揺したジェリコはシナにFUを許してしまい虫の息…ただ、当のシナもすぐに動けなかったため、息を吹き返したジェリコは直後のカバーを返すと、スクールボーイで粘り、STF-Uに持ち込まれそうになれば、再びスクールボーイと見せかけて、ウォール・オブ・ジェリコに切り替えるという秘策に。
シナがロープに近付いても強引にリング中央に引き戻すなどジェリコの勝利は目前に見えて来た…がっ! ジェリコの力が緩んだ隙を見逃さなかったシナは、ジェリコの股の間から身体を抜くと、すかさずSTF-Uへ! しかもいつもの相手の首を左右の上腕で挟み込むだけのユルい形ではなく、右腕でしっかりジェリコの首を巻き込む正調版。
完全に身動きが取れなくなったジェリコはあっさりタップし、TVで試合を見ているであろう息子に、ヒーローの勝利と情けない父親の敗北を見せることに。
一方の王者シナは今回の防衛で、ロイヤルランブル、そしてレッスルマニアに向け、安泰モードに入ったといえそう。挑戦者候補は多いが、さて09年はどこまで防衛出来るのか?
シナ ○-× ジェリコ
※WOJを耐えると、身体を入れ替え、逆転のSTF-Uへ。
▼WWE王座/トリプルスレット戦(ノーDQ・ノーカウントアウト):エッジ vs. HHH vs. ジェフ・ハーディ
試合前、番組中に呼びかけられていたジェフ襲撃犯を予想する投票の結果が発表され、エッジ=65%、HHH=7%、コズロフ5%、その他=23%という結果に。無論、ジェフが欠場したSUR08で電撃復帰、WWE王座強奪を遂げたのがエッジだからこその結果。
しかし、エッジはあくまで襲撃を否定した挙句、HHHに疑いを向けるなど、三つ巴戦の前にジェフとの潰し合いを誘発。まんまとそれに成功して、PPV直前に2人をKOしている。
だが、今回の主役ジェフにとって襲撃事件はどうでも良かっただろう。ジェフ自身にとって08年は波乱の年。多くのファンの期待を背負いながら、薬物規定違反で謹慎、さらに自宅の火事で愛犬焼死と、人生のドン底を経験。復帰後も変わらぬ期待を受けながらも、あと一歩でWWE王座に届かず、今回で4度目の挑戦になってしまった。
さすがにここが正念場とあって、ジェフは開始と同時に真っ先にエッジに襲い掛かってやる気をアピールしているのだが、面白かったのがHHHとジェフの絡みだ。
コーナー串刺しクロスボディを浴びたHHHが四つんばいになれば、ジェフはそれを踏み台にして、コーナーに寄りかかるエッジにポエトリー・イン・モーション。さらにジェフがコーナー技をミスって、エッジにコーナーバックスープレックスを狙われると、割り込んだHHHがエッジを肩車し、そこにジェフがウィスパー・イン・ザ・ウィンドを放つなど、試合の流れ、とはいえ、まるでジェフを盛り立てるかのようなHHHの動きはなんだか微笑ましい。
その後、ジェフは、エッジのスピアーをかわし、HHHに当てさせると、TOFから必殺スワントーンを炸裂! ここで決まってもおかしくはなかったが、そこは三つ巴戦。場外のエッジが無理やりジェフを引き込み、フォールを妨害。
程なく場外戦に突入するとHHHも参入し、ジェフをRAW実況席上でのぺディグリーに沈めようとするのだが、ジェフもTOFに切り返そうとした瞬間、漁夫の利を狙うエッジがスピアーを発射。とっさに気付いたHHHがかわしたことで、ジェフはSD実況席と共に轟沈。
これでリング上は王者エッジとHHHの一騎打ちとなるが、ぺディグリーが決まった直後、コズロフが乱入し、HHHを襲撃。それを追ってマットがコズロフに襲い掛かるも、コズロフは止められず、コーナーに登ったジェフがそのまま場外叩き落される事態に。今回は反則裁定ナシなので乱入は裁定に影響しない。
てな訳で騒然とする場内だが、エッジがHHHにコンチェアトを狙うと、ジェフがそれを阻止。奪ったイスでエッジを殴打し、トドメのスワントーンへ! ところが、HHHがトップロープを揺らしてジェフのバランスを崩して妨害。ジェフが股間を打ちつけ悶絶している間に、まんまとエッジをぺディグリーへ!
これでHHHの王座復帰…かと思われたが、今度はHHHのカバーの上にジェフのスワントーン・ボム! HHHも場外に転げ落ちてカット出来ず、ジェフはエッジから3カウントを奪い、遂に念願のWWE王座を獲得!
…まあ、エッジの首だけを押さえ、ロープ側に足を投げ出した格好のHHHのカバーの仕方を見れば、エッジの腹辺りに何かが落ちてくるかのは見え見えでしたが、すぐに転がって場外に落ちた辺りにも、“今日の主役はジェフ、お前だ”といった感じのHHHの親心にも思えて来たり。(HHHは“ジョブ”をしただけでしょうが)
ファンの支持、そしてHHHの親心で夢を掴んだジェフは、勝利の瞬間、喜びを爆発させ、自分の腰にベルトを巻いて見せた。最近はチャンピオンベルトを腰に巻くこと自体がダサい行為とされる向きがあるが、ベルト自体への憧れやリスペクトが薄れている中で、ジェフの純粋さを感じさせるシーンだったように思える。
しかし、タイミングとしては、王者として強敵を迎えざるを得ないシーズン。ロイヤルランブルでの初防衛が最初の目標となるが、王者のままレッスルマニアに出場出来るかで、ジェフの今後も決まってくるだろう。
ジェフ ○-× エッジ
※HHHがフォール中のエッジにスワントーン爆撃。HHHも場外に転落し、ジェフがそのまま3カウントを奪い、新WWE王者に!
2009年01月09日(金) | アルマゲドン08 | 固定リンク | このページのTOP
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