【グレート・アメリカン・バッシュ08】不透明実力者の商品価値
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ドラフト直後という混乱した状況下で行われた前回の「ナイト・オブ・チャンピオンズ」に対し、今回の「グレート・アメリカン・バッシュ08」は、各ブランドの新しい顔ぶれがハッキリしてから行われる最初のPPV。
前回PPVでは王者の顔がほとんど変わらず、世界王座とWWE王座の王者がSD所属者のままという前代未聞の事態となったが、ご存知の通り、CMパンクがマネー権利を使ってRAWに世界王座をもたらしたことで、一連の問題は解決されている。
今回はSD絡みの王座戦が多かったが、開幕戦から新しい王者が誕生することに──
▼WWEタッグ王座/フェイタル・4ウェイ戦:ミズ&モリソン vs. ライダー&ホーキンス vs. ジェシー&フェスタス vs. フィンレー&ホーンスワグル
ファンの期待はフィンレー親子に注がれたが、当然狙われる格好に。後半、妖精から強引にタッチ(四つ巴タッグ戦のため、別チームからタッチを得るには強引に体に触る必要がある)したジェシーが流れを作り、相棒フェスタスの大暴れからフィニッシュを狙ったものの、ライダーとホーキンスが(元?)師匠エッジばりの一瞬の隙をついた連携攻撃で勝利を強奪。新WWEタッグ王者になった。
王座がSDに戻ったことで、SD内の新挑戦者候補が浮上する可能性もあるが、当面はジェシー&フェスタスとの抗争か。
王座陥落となった“嫉妬しな!”ミズ&モリソンは、今後ベルトなしの活動に多少の不安が残るが、生き残りの道が早急に見つかることを祈りましょう。
ホーキンス ○-× ジェシー
※合体フリップを狙ったフェスタスだが、場外のライダーに引き落とされ、その隙にホーキンスがコーナー上のジェシーを叩き落して強引フォール。新タッグ王者に。
▼US王座戦:マット・ハーディ vs. シェルトン・ベンジャミン
“王者になるべき男”としてECWに移籍しながら、それも叶わず、今年のドラフトでSD移籍となったベンジャミンは、実力はあるけど、イマイチ不人気。
それもあってか、解説ミックが「大勢のWWEスターを見て来た息子が特に大ファンなのがベンジャミン」と明かし、必死にプッシュしていたのが印象的だったが、場内の女性ファンと思わしきハーディ・チャントが大きくなると、男性の野太い声によるベンジャミン・チャントも発生するなど、支持層が居ない訳ではないことが明らかに。
試合は中盤から白熱のカウンター合戦となるが、最後はベンジャミンが押し切り、2年振りとなる王座戴冠を実現。やっとキャッチフレーズ通りに王者となったが、ジェフ、ケネディ、MVP、カリートといった若手中堅層がひしめくSDだけに、長期政権はシビアかも。
一方、マットはこれでECW王座挑戦への筋道がクリアに。次の「サマースラム」での挑戦を目指すことになる?
シェルトン・ベンジャミン ○-× マット・ハーディ
※マットのムーンサルトをヒザで迎撃し、立ち上がったところに必殺ペイ・ダートを決め、US王座奪取に成功。
この試合後、直前RAWでのパンクのインタビュー映像が紹介され、周囲の防衛失敗予想について、「俺は予想を全て覆してきた。絶対に獲れないと言われた世界王座も獲った」と反論。「俺は誰でもない、CMパンク。月曜のRAWも世界王者として登場する」と大見得をきる内容だった。
▼ECW王座戦:マーク・ヘンリー vs. トミー・ドリーマー
新ECW王者としてアピールするには、“元祖ECW”ブランドを持つドリーマーを倒しちゃえばいいじゃない!という安易な意図も感じ取れたこのカード。開始前後から「つまんねぇ」チャントが起こるなど案の定な空気が漂ったが、なるほどそれも織り込み済みだったのね、という事件が発生。
ドリーマーが反撃に成功し、コーナーに登って得意のポーズをすれば、同伴したデラニーもエプロンに立って同じポーズをするのだが、直後、ドリーマーの腕を引っ張る形で、トップロープ・スタンガン! 例のごとく狸寝入りしていたヘンリーがドリーマーを捕らえて圧殺し、余裕の防衛。
王座戦云々よりも目立ったデラニーの裏切りにより、ドリーマーとの師弟抗争が始まるのは確実。ECW王者ヘンリーはこのセコイ勝ち方に加えて、満開のヘラヘラ顔で不快度をアップさせ、サマースラムへ。
ヘンリー ○-× ドリーマー
※デラニーの裏切り攻撃で、ドリーマーは惨敗。
▼クリス・ジェリコ vs. ショーン・マイケルズ
“HBKなら何でも許される”という不条理に異を唱える形で自身の正当性を強調し始めたジェリコ。冷静に考えるとジェリコの言い分がもっともなのだが、WWEの中ではそんな方程式は通用しない。ただ、今回の抗争によってジェリコは完全なヒールターンとなり、元来持っていたエゴイスティックなキャラクターを再生させている。
流れとしてはジェリコの暴行によりHBKは目を負傷。その容態を隠したままHBKが報復戦に臨む、という形。
試合中盤からジェリコの子分ケイドが介入し始めるが、HBKは場外の二人目掛けてムーンサルト・アタックを炸裂と、負傷の影響を見せずに奮闘。だが、リングに戻る過程で、ジェリコのエルボーによってHBKは額を切って大流血。ここから状況が一変。
ジェリコはその傷口に拳、蹴り、頭突きと容赦なく叩き込み、レフェリーが試合を止めようとすれば「本人がやりたがってる」と無理矢理続けたが、事態を重く見たレフェリーが強制ストップへ。
HBK試合続行不能で、ジェリコ勝利という結果となったが、ここ最近でも例にない凄惨な試合内容は、ジェリコのヒールとしての再生を象徴する結果だった。
試合後のHBKは目の焦点も合わないようで、この数年の中でももっとも弱々しい姿を晒すことになってしまったが…。
ジェリコ ○-× HBK
※HBKの多量の出血でのレフェリーストップにより、ジェリコが勝利…
この試合後、WWE王座挑戦を控えるエッジがインタビューに登場。
直前のSDにおけるHHHによる(隠しカメラでの浮気現場)暴露でヴィッキーとの結婚式をブチ壊されたエッジは、「俺は危険な男になった。お前の人生を壊してやる。WWE王座を奪ってやる」と錯乱気味に宣言。
また、エッジとヴィッキーのどちらに同情するかの投票も告知され、メイン戦前に結果発表されることに。
▼ディーバ王座・初代王者決定戦
SDのディーバ部門にとって悲願となる新王座が誕生。初代王者の座を狙うのはナタリヤとミシェル。ナタリヤがサラブレッドなら、ミシェルは才色兼備のSDディーバ・エース。
試合は序盤からパワーとテクニックを併せ持つナタリヤが圧倒したが、ミシェルは一度逃れたシャープ・シューターを再度仕掛けられると、ここぞとヒールホールドで切り返し、粘るナタリヤからタップを奪うことに成功!
ディーバ同士でのサブミッションでの攻防戦というのは非常に珍しく、叩きつけてポーンと終わってしまう決着よりも重みがある。
いずれにせよ、SDディーバ戦線が、名実共にRAWディーバ戦線と肩を並べるシーンになったことは、WWE史上においても大きな分岐点となったに違いない。
ミシェル ○-× ナタリヤ
※渾身のヒールホールドで初代王者の栄冠を手に入れた。
この試合後、突然、入場口にジェリコが現れ、「今日のチケットの半券はとっておけ。HBKの最後の試合だったからだ。奴は網膜はく離で、もう引退するしかない」と一方的に語りだし、「正義は勝ち、悪は罰せられる。だが、奴にとってこれ以上、悪いことは起きない」とHBK引退は確実とばかりに言葉を結んでいる。
▼世界ヘビー級王座戦:CMパンク vs. バティスタ
今回の挑戦者となるバティスタにボコられて虫の息となったエッジに対し、マネー権利を行使して、世界王座を奪ったパンク。この“漁夫の利”という性質上、バティスタ圧倒的優位というがムードが生まれた。今年のキーマンとして抜擢されたパンクだが、実力不足という部分は(当然ながら)ハッキリ示されないにせよ、脚本の中に織り込まれている節がある。
試合開始間も無く、バティスタがパンクの攻撃をことごとく封殺し、子供扱いしたシーンによく現れているだろう。さすがに中盤からはパンクのキックが通るようになるのだが、結局、それも野獣のサジ加減だ。
パンクは必死に食い下がり、ロープを使ったぶら下がりアームブリーカーを繰り出すが、以前HBKが披露したモノより形も悪く、二番煎じ感は否めない。
二番煎じといえば、パンクの技のほとんどが(日本人選手の)二番煎じであるという点に行き着く。いや、パンクに限らず多くのレスラーが模倣技を使っているが、オリジナルを超える何かがないなら、パクリの域は出ないだろう(例えばJBLのクローズラインもいくらでも使い手がいる技だが、彼ならではの迫力やコダワリが見て取れる筈だ)。自分の技として磨きをかける意思が見えないパンクの模倣技が出る度にモヤモヤとしたものを感じていた筆者。パンク嫌いの最大の要因はここにある。
っと、そんなことはどーでもいいので話を戻しましょう。
試合終盤、場外転落したバティスタが、パンクの追い討ちクロスボディをスパイン・バスターに切り返し、リングに戻してさあフィニッシュへ!というハイライトが訪れる。
が、ここで狂乱のケインが乱入し、目の前のバティスタからKOすると、パンクにもチョークスラムを浴びせ、王座戦をぶち壊しに。(直前のRAWでも持参していた麻袋の中身はここでも謎のまま)
裁定は、ケインの両者への攻撃により、両者反則負け。どうやらパンク政権は延命というのが規定路線のようだ。
怒りのバティスタは、勝った訳でもないのにベルトを誇示するパンクを前にしてイラっとしたのか、本当なら放っていた筈の必殺ボムで憂さ晴らし。
曖昧決着となったことで、パンクの実力も不透明なままとなったが、不透明だからこそ、バティスタを始め、ケイン、JBLなどの大物達の価値が再評価される流れになっている事実は否定出来ない。不透明であること自体に商品価値があるならば、パンク政権の延命は間違っていないのかも。
パンク (両者反則負け) バティスタ
※バティスタがリングにパンクを戻した直後、ケインが襲撃。パンクにもチョークスラムを浴びせたことで、両者反則負けという形に。
▼NYCパーキング・ロット・ブロール戦:ジョン・シナ vs. JBL
直前のRAWでは、JBLがシナを車で轢くようなエンディングとなったが、事実だったらナニな訳で、実況のコールから「シナは間一髪逃れた」という説明が入って、駐車場ブロール戦が開幕。
決戦場となる駐車場には、円を描くように複数の車が駐車されていたが、試合形式としては、駐車場内に限らず、どこでも3カウントフォールかタップでの決着が可能というもの。
リムジンで乗り付けたJBLはシナの奇襲を警戒。赤い車に目星をつけたが、別の車に乗っていたシナが急発進! これを回避したものの、股間に(バッテリーで)電流を流されたり、逃げ込んだ車のハンドルに頭を叩きつけられクラクションでメロディを奏でるハメになるなど、幸先悪し。
その後、反撃に出たJBLは、気絶させたシナを車のリアシートに投げ込むや、自分のリムジンから持ち出したオイルを、シナが中に入ったままの車の上に撒き、ライターで着火! あわや、シナ焼死!?という事態となったが、即座にスタッフによって消化活動が行われると、怒りの形相のシナが車から登場!(無事で何よりだけどピンシャンし過ぎだろ!)
怒りのシナはさっきのお返しとばかりJBLを車に押し込むと、その車にフォークリフトで突進! JBLが串刺しになってまう…という状態でしたが、カメラが裏から映すとJBLは一応無事。
そして、「決着はファンの前で」ということで、シナは車の下にリフトを入れるとJBLの乗せたまま会場アリーナ内まで運搬。
(色々なシーンのカメラワークを鑑みると、会場内に出る直前までが別撮りでしょう)
シナはJBLを引きずり出してステージ上で投げ捨てると、運び込んだ車へのFUでトドメを刺すことをひらめいたが、そのひらめきが命取りに。
JBLが寸前で逃げ出し、シナをステージ上から突き飛ばすことに成功。フロントガラスに背中から突っ込んだシナはJBLのフォールを返せず…。
勝ったJBLは先に退場したが、もうフラフラ。敗者シナはガラスで左肘を切るなどしたが、欠場になるような裂傷はなかった模様。どちらにとっても大きなダメージを受けた試合だが、夏の大一番に向けた世界王座挑戦者候補の中では、JBLがリードしたことになる?
JBL ○-× シナ
※シナは車へのFUを狙うも、逆にステージから突き落とされ、フォールを許す。
この試合後、エッジとヴィッキーのどちらに同情するかという投票の結果が明らかに。その結果は(裏切られた)ヴィッキーが45%、(浮気した)エッジが55%と意外な数字に。まあ、どっちもどっち、ということでしょうか。
▼WWE王座戦:HHH vs. エッジ
結婚式をぶち壊され、笑い者にされたエッジ。妻ヴィッキーとの仲は修復不能で、今後の立場はどうなるやら。身から出た錆というのが実情ですが、HHHによってドン底に叩き落されたのは確か。王座を奪うことでしか、溜飲を下げる術は無い、という筋立て。
王者HHHにとっては、ドラフトによって戦況が変わってから初めての防衛戦。エッジとはRated-RKOとDXの抗争での絡みがあったものの、過去を含めてもシングル戦で絡んだ数が少ないため、新鮮な顔合わせだ。
お互いパワーよりもテクニックやラフ技を主体とするスタイルだけに、読み合いや場外での攻防がポイントに。
中盤、エッジがHHHのぺディグリーを察知するとすばやくかわして反撃すれば、今度はエッジのスピアーをHHHが回避してスクールボーイ、2発目はスパイン・バスターで切り返すなど、お互いカウンターを読み合うスリリングな展開となる。
エッジがスーパープレックスでその一連の流れを変えたが、そこで突如、アリシア(エッジの浮気相手で結婚式のプランナー)が現れ、実況席からベルトを手にすると、エッジに渡そうとする…
しかし、そんなことはさせないわよこのアバズレ!とばかり、ヴィッキーが物凄い形相で駆けつけるやアリシアにクローズライン!
さらには、ベルトを手にするとレフェリーの制止も聞かず、憎き夫エッジに一撃食らわせんと構えるが、今度はアリシアが逆襲。
レフェリーが試合に関係ない2人を引き離そうとする中、エッジはスピアーで(ヴィッキーへの愛を示すように?)アリシアを狙ったように見えたが、結局、アリシアもレフェリーもかわしたことで、妻ヴィッキーに誤爆!
となれば当然、動揺するエッジを尻目に、HHHがぺディグリーを決めて、混乱の試合にピリオド。
何だか知らんけど勝ったからイイやと勝ち名乗るHHHに対し、エッジは王座奪取にも失敗し、ヴィッキーとの復縁も絶望的と、踏んだり蹴ったりの王座戦となってしまった。
HHH ○-× エッジ
※ヴィッキーへのスピアー誤爆に動揺するエッジに、すかさずペディグリー決め、防衛勝利。
2008年08月14日(木) | グレート・アメリカン・バッシュ08 | 固定リンク | このページのTOP


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私から言わせれば、今大会の見所は何と言っても、NYCパーキング・ロット・ブロール戦における、JBLの股間に電流ビリビリシーン!
ドリフのコントを思い出させる懐かし感に、大爆笑してしまいましたよ。
その後の、「クラクションに頭ぶつけてプップー」もなかなかですけど★